Alexei Kushnirenko via Getty Images
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ロシアの科学者らが、2015年から建設が続けられてきたバイカルニュートリノ望遠鏡(Baikal deep underwater neutrino telescope:BDUNTまたはBaikal-Gigaton Volume Detector:Baikal-GVD)の最初のフェーズとなるGVD-Iを完成させました。

その名のとおりニュートリノ観測用に作られたこの設備は透明な球型をした多数の光モジュール(OM)で構成されます。OMは288個を1セットとして8セットのクラスターを作り、それらすべてをバイカル湖の岸から約4km、深さ750~1300mに沈めて、宇宙から飛来したニュートリノが透明度が高く非常に深いバイカル湖の水中を通過する際に発生するミューオンからのチェレンコフ放射を記録します。

ロシアの研究機関ドゥブナ合同原子核研究所のドミトリー・ナウモフ氏は、氷の張ったバイカル湖に開けた小さな長方形の穴からOMを沈めながら「0.5立方kmのニュートリノ望遠鏡が私たちの足の真下にあります」と説明しました。

Alexei Kushnirenko via Getty Images
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ロシア、ドイツ、ポーランド、スロバキア、チェコ共和国の共同プロジェクトであるBaikal-GVDは、北半球最大のニュートリノ検出器であり、ナウモフ氏によれば今後もOMの設置を続けテイク計画とのこと。数年後には1立方kmにまで設置範囲を拡大して観測できるように拡張されます。

ニュートリノの観測と研究は、宇宙の生い立ちと時間とともどのように変化してきたかを解明するために重要な情報をもたらすと考えられています。今回のOMの設置に際し、ロシア科学・高等教育大臣ヴァレリー・ファルコフ氏は「宇宙をより深く理解し、銀河がどのようにして生まれ成長してきたのか、その歴史を明らかにするのにわれわれの研究者たちが貢献してくれることを期待する」とコメントしました

ちなみにニュートリノ観測といえば、Baikal-GVDと同様の仕組みを持ち、南極の氷に埋められた観測施設「アイスキューブ・ニュートリノ観測所」が3月11日、ニュートリノの反物質が起こすとされる反応を観測したと発表しています。これは2016年12月に観測されたもので、反ニュートリノが氷の電子と衝突して「Wボソン」と呼ばれる素粒子が生成された兆候を発見したとのこと。この反応は1960年に提唱された「グラショー共鳴」と呼ばれるもので、これまで一度も観測されていなかった現象だとされています。

Source:Phys.org
via:ScienceAlert