NASA
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ミシガン州立大学の研究者が、超新星爆発の内部で予想されていたよりも10倍以上早く、炭素原子が生成されていることを発見しました。これはトリプルアルファ反応と呼ばれる現象によるもので、炭素は生命の誕生のために欠かせない元素です。

カール・セーガンの有名な言葉「われわれは皆、星のかけらでできている」という言葉にもあるとおり、地球を形作るすべての物質はその上にあるものを含めて、すべて星の内部で作られました。そして、おそらく、われわれ地球上の生物にとってトリプルアルファ反応から作られた炭素ほど重要な”星のかけら”はないでしょう。

トリプルアルファ反応では、3つのヘリウム4(α粒子)を融合し、陽子x6と中性子x6を持つ新しい粒子を生み出します。これは宇宙で最もポピュラーな炭素原子の形でもあります。別の核融合プロセスで生成される同位体も存在しますが、それらは地球上の炭素原子の1%ちょっとと非常にわずかな割合です。

最もポピュラーな炭素原子を生み出すこの反応ですが、これを引き起こすには手助けとなる要素、つまり過剰な陽子が必要です。そして研究者らは超新星内の環境をモデル化したコードをスーパーコンピューターに放り込んで解析を行った結果、超新星の内部でそれが豊富に存在する可能性があることがわかったと述べています。

とはいえ、この研究結果は新たな謎をもたらすこともわかりました。これまで、超新星爆発の内部では過剰に存在する陽子によってルテニウムやモリブデンの同位体といった地球に豊富に存在する元素も生成されていると考えられてきましたが、今回の新しい研究に基づいて考えると、超新星内部でも生成されないことになってしまい、新たな生成場所とプロセスを探す必要が出てきます。

研究の共著者であり、ミシガン州立大学希少同位体ビーム(FRIB)研究所のヘンドリック・シャッツ氏は「次に何が起こっても、超新星で加速されたトリプルアルファ反応の影響を考慮しなければならなくなります。これは興味深いパズルです」としました。

研究リーダーで米国立超伝導サイクロトロン研究所の元所長であるサム・オースティン氏は、今回の研究結果は「われわれの長年のお気に入りの理論を壊すものかもしれないものの、進歩は矛盾を発見したときに起こるものであり、われわれはそれが大好きです」と満足げに述べています。

source:MSU Today