Surface Earbuds実機徹底レビュー。Windows 10 PCとの相性抜群(笠原一輝)

ソニーWF-1000XM3と比較してみた

笠原一輝(Kazuki Kasahara)
笠原一輝(Kazuki Kasahara), @KazukiKasahara
2020年06月16日, 午前 07:40 in news
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Microsoftのオーディオ製品としては2番目の製品となるSurface Earbudsが日本でも発売された。

価格は2万3980円(税込)で、Microsoft Store(オンライン)や全国の家電量販店などで販売されている。

実際に利用してみると、コンパクトなケース、Windows 10がサポートしている高音質コーデックのaptXに対応していること、さらにはWindows 10用の設定ツールが用意されていることなどが特徴で、Windows 10のPCと組み合わせて利用するのであれば便利な完全ワイヤレスイヤホンとなっている。

Microsoftのオーディオ製品第2弾は完全ワイヤレスイヤホンとなるSurface Earbuds

 

▲Surface Earbudsの外箱と開けたところ

Surface Earbudsは、Microsoftのオーディオ製品の第2弾となる製品。一昨年に発売されたSurface Headphonesに次ぐ製品となる。いわゆる完全ワイヤレスの製品で、Bluetoothでオーディオ信号がワイヤレスで転送されるイヤホンとなる。

こうしたイヤホンには、耳の出っ張りに引っかけるインナーイヤー型と、耳栓のようなイヤーピースで耳の穴を塞ぐカナル型の2つがあるが、本製品は耳の出っ張りに引っかけるという意味ではインナーイヤー型だし、イヤーピースを利用するという意味ではカナル型に近いとも言えるが、耳の穴を完全に塞ぐ訳ではないので、やはりインナーイヤー型に分類できる製品と言えるだろう。

 

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▲内容物、USB-AからUSB-Cへのケーブルやイヤーピースが付属する

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▲ケースと本体

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▲イヤーピース(左)と本体(右)

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▲イヤーピースは奥からL、M、Sの3種類が付属している

イヤーピースは3つのサイズ(S、M、L)が用意されており、標準で付属している。

小さめのイヤーピースを選ぶと不安定になるし、逆に大き過ぎるのを選ぶと耳が痛くなる。すべてを試して丁度いい大きさのイヤーピースを選びたい。日本人としては大柄な方の筆者はLでちょっときついぐらいで、Mだとやや小さい印象だった。耳に回転しながら取り付けるとちょうどぴったりフィットする。

耳の穴にグサッと挿す感じになるカナル型に比べると、耳への圧迫感は小さく感じるが、カナル型の場合にはイヤーピースの選択肢が豊富で、サードパーティのモノを含めると実に多彩な選択肢があって、結果的には自分に合うモノを見つけることが可能だ。

一方のSurface Earbudsの場合には添付されている3つの中から自分に合うモノを選ばないといけないので、標準の3つで合わない場合には諦めるしかない。

その意味では、オプションで構わないので、SとMの間とかMとLの間といったイヤーピースも用意して欲しいと感じた。

カラバリは「ライトグレー」と呼ばれる白っぽいグレーの1色展開で、Microsoftが販売するSurfaceシリーズの「プラチナ」カラーに近く、それと一緒に使うと違和感がないだろう。個人的には黒などの色があった方が、他のデバイスと合わせやすいのだが…と感じた。

ソニーWF-1000XM3と比較した利点はケースの小ささ、aptXに対応、Windows用設定ツールがあること

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▲左はWF-1000XM3のケース、右がSurface Earbudsのケース

ハードウェアのスペックは以下の通りで、現状、完全ワイヤレスイヤホンの中で最も評価が高い製品と言ってよい、ソニー製のWF-1000XM3とスペックの比較をしてみた。

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▲【表1】WF-1000XM3とSurface Earbudsとの比較

 Surface Earbudsの方が優れていると感じたのは3つある。1つはケースのコンパクトさ、2つめがコーデック、3つめがWindows向けの設定ユーティリティの存在だ。

写真を見ていただければ明らかなように、WF-1000XM3のケースはかなり大きい。ポケットにちょっと入れておくにはおきすぎとしか言いようがないし、重量も74.9gとやや重めだ。それに対して、Surface Earbudsの方はコンパクトにまとまっており、重量も40gと軽量だ。この点はSurface Earbudsの方が優れていると言える。

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▲底面にBTペアリング用のボタン

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▲充電はUSB Type-Cを利用して行なう

 2つめはBluetoothのコーデックとして標準のSBCに加えてaptXに対応していることだ。Bluetoothオーディオ(A2DP)では十分でない帯域で高音質を実現する大量のデータを効率よく送信するため、特定のコーデック(圧縮する手順のこと)を利用して圧縮してデータを送り、受信側でそれを復号しながら再生している。

標準ではSBCというコーデックを利用するが、遅延も大きく、圧縮効率も十分ではないため、現在ではAAC、aptXなどの標準的な高音質のコーデック、さらにはソニーが開発したLDAC、そしてaptXのHD版となるaptX HDなどのHDオーディオ用のコーデックなどが用意されており、ソース(送信側)、シンク(受信側)それぞれが対応しているときにこれらのコーデックを利用することができる。

この利用できるコーデックは、デバイスのOSの仕様に依存する。例えば、iOSならSBCとAAC、Androidは製品に依存するがAndroid 8.0以降のデバイスであれば多くはaptX、AAC、LDAC、aptX HDに対応とほぼすべてのコーデックに対応しているし、Windows 10ではSBCとaptXに対応している。このため、Surface EarbudsはWindowsとAndroidのデバイスに接続するとaptXを利用しての再生が可能になるのだ。

 

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▲【表2】デバイス側のOSと再生に利用されるコーデック

これに対してWF-1000XM3は、標準のSBCとAACに対応しており、iOSとAndroidに関してはAACで再生できるが、Windows 10はAACに対応していないため、標準のSBCで再生することになり、音質がやや低下する。

3つめはWindowsに対応した設定ツールが用意されていることだ。WF-1000XM3はAndroidやiOS向けの設定ツールが用意されており、設定やファームウェアのアップデートなどを行なうことができる。しかし、Windowsの設定ツールは用意されていないので、ファームウェアのアップデートを行なう場合などにはAndroidやiOSのデバイスに接続して行なう必要がある。

 

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 ▲Androidの設定ツール「Surface Audio」

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▲Windowsの設定ツール「Surface Audio」

 それに対してSurface Earbudsは「Surface Audio」というWindows Storeで配布されているアプリをダウンロードしてWindows上でデバイスの設定を変更したり、ファームウェアのアップデートなどを行なうことができる。また、Windows 10に実装されているSwiftPair(高速なペアリング機能)にも対応しており、電源を入れWindowsデバイスの近くに持って行くとWindowsが機器を自動で認識して表示されたタイルを押すだけでペアリングが行なわれる。

なお、これはどちらも共通だが、Bluetoothのペアリングはマルチデバイスに対応しているが、マルチポイントには対応していない。このため、複数の機器にペアリングだけしておいて他のデバイスから切断してから切り替えて利用することは可能だが、複数の機器に同時に接続しておいて切り替えて利用することはできない。 

タッチセンサーの操作には慣れは必要だが慣れれば便利、主にWindows 10ユーザーにお薦め

 

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▲タップだけのWF-1000XM3のタッチセンサーと、スワイプもできるSurface Earbuds

 Surface Earbudsの特徴は、表面に用意されているお皿のようなタッチセンサーを利用した操作にある。WF-1000XM3にもタッチセンサーは用意されているが面積は小さく、スワイプはできずタップのみでの操作になる。

ただ、正直にいってスワイプできるのはいいのだが、確実にスワイプできるようになるまでは慣れが必要だ。

例えば、曲送り(次の曲を再生)は左側のタッチセンサーを後ろから前にスワイプ、曲戻し(前の曲を再生)は左側のタッチセンサーを前から後ろにスワイプという操作が必要になる。

最初慣れるまでは10回中8回から9回は、タッチセンサーの長押しで呼び出せるデジタルアシスタント(SiriやCortanaなど)の呼び出しになってしまい、曲の再生が中断するというイライラさせられるトラブルに見舞われていた。何度かトライしているうちにわかったことは、タッチセンサーの上部1/3でスワイプするようにすると、ほぼ10回中9回までは曲送りや曲戻しができるようになった。その意味でははっきり言って慣れは必要だ。

なお、このタッチジェスチャー操作は、一部だけをオフすることはできない。例えば前出のような長押しでデジタルアシスタントを呼び出す機能だけをオフにするなどはできず、タッチジェスチャー全体でオン、オフの設定を設定ツールからすることができる。

 

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▲設定ツールを利用するとタッチジェスチャーをオン、オフできる

 また、ユニークな機能としては、前出の送り、戻しをPowerPointのプレゼンテーションの送り、戻しとして使うことが可能だ。具体的には左側のタッチセンサーを後ろから前にスワイプすると次のスライド、その逆に前から後ろにスワイプすると前のスライドになる。

今のようにテレワーク環境で電話会議をするときに本製品を使っていると、本製品を使ってスライドの送りを操作することができる。

音質に関しては、ソースとなるデバイス側がどのコーデックをサポートしているか次第だ。WindowsでWF-1000XM3とSurface Earbudsを使うと、aptXが有効になるSurface Earbudsが有利だし、iOSでは全くその逆になる。

両方をサポートしているAndroidで聞き比べてみたが、ソニーの方が筆者の好みに感じた。よりフェアに言うなら普段からWF-1000XM3を使っていると言うこともあり、その音の方を心地よく感じてしまっているという慣れの要素は小さくないと思う。ただ、Surface Earbudsもソニーのような音響メーカーが出した製品ではないと考えれば十分に良い音でなっていると思う。

なお、WF-1000XM3の方はノイズキャンセリング機能をサポートしており、その効果は小さくない。特に電車の中などそれなりにノイズがある環境では、ボリュームを抑えることができるので、音漏れなども心配する必要が無いのはメリットと言える。その点、Surface Earbudsはノイズキャンセリング機能は無いので、ボリューム調整などにはやや注意したいところだ。

以上のように、Surface EarbudsはやはりWindowsデバイス向けの完全ワイヤレスイヤホンという評価が正しいだろう。そのアドバンテージは、Windows 10でサポートされている唯一の高音質系コーデックのaptXに対応していること、Windows 10向けの設定ツールが用意されていることなどが、他の完全ワイヤレスイヤホンにはない特徴を備えていることだと思う。

逆に言えば、AndroidやiOSでの利用が中心だというユーザーにとっては積極的に買うメリットが何かあるとかと問われれば、正直にいってそれは無いなと感じている。AndroidではaptXが使えるが、iOSではAACに対応していないことが結構致命的な弱点だと言える。その意味では、Windows 10を搭載したPCでの利用が中心のユーザーで、たまにAndroidのスマートフォンで使えればいいやというユーザーであれば検討してみる価値があると言えるのではないだろうか。

 
 

 

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