Tobii Dynavox
Tobii Dynavox

アップルはアクセシビリティ、つまり障碍のある人などが情報やサービスにアクセスしやすくする機能の強化に力を注いでいます。今年5月にも様々な新機能を予告していましたが、その1つである「iPadを視線で操作する」ことを可能とするサードパーティ製品「TD Pilot」が正式発表されました。

アイトラッキング企業Tobiiの支援技術部門であるTobii Dynavoxは、何年にもわたってアップルと協力してきたとのこと。その努力の末に開発した「TD Pilot」は、全世界でコミュニケーション支援を必要とする推定5000万人もの人々にiPadの体験を提供することを目指したと謳われています。

このTD Pilotは基本的にはiPad用のフレームであり、iPad Pro 12.9インチのような大きなサイズにも対応し、大型スピーカーや拡張バッテリー、車椅子用マウントなども搭載。さらに防水・防塵機能も備えているので、雨の日やシャワーを浴びるときでも使えます。

また背面の「パートナーウィンドウ」はTD Pilotのユーザーが話したい内容を読み上げでき、より自然な会話を楽しむことも可能に。その中で最も重要な点は、Tobii Dynavoxが開発した最新のアイトラッキング(視線追跡)センサーが搭載されていることです。このセンサーは、明るい日差しの下でも動作するほど強力であり、極端に速い動きを必要としない限り、いくつかのiPadOS用ゲームを遊ぶことさえできると説明されています。

これほどの高性能を備えているだけに安くはなく、TD Pilotの総費用はiPad本体を除いても1万ドル(約114万円)に及ぶかもしれないとのこと。Tobii DynavoxのCEOであるFredrik Ruben氏はすでに約400の保険契約を結んでおり、メディケア(米国の高齢者向け公的医療保険)やメディケイド(低所得者対象の公的医療保険)でカバーされていると述べ、ユーザーが必ずしも全額負担するわけではないと示唆しています。

が、日本と違い国民皆保険ではない米国では、メディケアもメディケイドも利用できる人は限られています。より多くの人々が先進的なアクセシビリティの恩恵を被るためには、公的な支援制度のいっそうの充実が求められることになりそうです。

Source:Engadget(US)