CES 2021に合わせて『ThinkPad X1 Titanium Yoga』を米国発表したレノボですが、合わせてThinkPad X1シリーズの基本となる、14インチ画面の高級モバイルノートPC『ThinkPad X1 Carbon Gen 9』と『ThinkPad X1 Yoga Gen 6』も発表されました(上写真はX1 Carbon Gen 9)。

米国での発売(受注)は2月からを予定。価格はCarbon Gen 9が1429ドルから、Yoga Gen 6が1569ドルからです。

今回の更新は、アスペクト比16:10の液晶を搭載し、合わせて筐体(きょうたい)の設計も大きく変更されたメジャーバージョンアップとなります。さらにCPUはTiger Lake世代へ、またついに32GB RAMモデルが加わるなど、現行機ユーザー待望の強化もなされています。

X1シリーズ全体としては、NanoにTitanium Yogaと合わせて、画面アスペクト比の変更(現行の16:9から16:10や3:2へ)が主力モデルで一気に行なわれ、なおかつ全てが筐体レベルからの変更という、ここ数年では見られなかった大幅な更新となります。

▲こちらはX1 Yoga Gen 6。金属ベースボディに360度ヒンジといった特徴は現行から継承されています

▲「X1」ロゴは現行機と同様にThinkPadロゴ直下に入る仕様。なおCarbonの上位モデルに設定されたカーボン柄天板も継承します

まずは画面仕様の変更で気になる、本体サイズと重量から紹介しましょう。X1 Carbonは314.5×221.6×14.9mmで約1.13kgから、X1 Yogaは314.4×223×14.9mm、重量は1.39kgからとなります。

目立つところでは重量がわずかながら増加した点。CarbonのGen 8(現行)では約1.09kgから、Yogaも約1.36kgだったため、約30~40gほどの追加となります。ただ10g単位のため、大幅には変わりません。

▲画面が16:10となったことで、Yogaのタブレット状態・縦持ち時のバランスも改善。書類などの閲覧でより便利となっています

さて、今回の更新で最大の特徴となる16:10画面ですが、Carbon、Yogaともに(現行と同じく)複数の解像度オプションを用意するタイプ。アスペクト比はすべてで変わりません(念のため)。

また同時に、CarbonもYogaも画面占有率が増加。アスペクト比変更と合わせて「見栄えのイマドキ感」がグッと増しています。

細かな画面オプションは、Carbonではタッチの有無を含めて5種類。解像度は“FHD”(実際には1920×1200と思われます)と”UHD”(3840×2400と思われます)。

UHDパネルでは、HDR400(おそらくVESA DisplayHDR 400の意)、色域はDCI-P3 100%カバーなど、現行と同じく高性能タイプのパネルとなります。

また今回はUHDでも「LP」(低消費電力)パネルの搭載が謳われているのもポイントです。

Yogaでは全てタッチ対応で4種類。解像度は“FHD+”と“UHD+”の2種で、UHD+はHDR400とDCI-P3 100%カバーの色域、そして出荷時カラーキャリブレーションがアピールされています。なお、こちらのパネルも、全てがLP(低消費電力)仕様となりました。

CPUは、インテルの第11世代Core i“Tiger Lake”。両機種ともにCore i7までが選択でき、vPro対応版の搭載も可能とされています。詳細なモデル名などは現状では未公開ですが、これはおそらくvPro対応のTiger Lakeはインテルから未発表の状態であるため。

GPUは、GPU内蔵のインテルIris Xeグラフィックス。単体GPU非搭載という点は現行と同じですが、Tiger Lakeは内蔵GPUの速度が格段に増したため、実用面では大きく強化された箇所でしょう。

気になるのは、実際のCPUがUP3かUP4(後述)かという点ですが、ここは明記されていません。が、冷却面での特徴として「デュアルファン設計」をアピールしている点から、UP3も選択できる可能性が大きいと思われます。

▲ファンは2基搭載となりましたが、底面側の吸気穴面積はあまり大きくなっていません(写真はX1 Carbon)。なお天板は強度上昇のためか、中央がわずかに膨らんだ形状に変更されました

なお、UP3と4の大きな違いは、従来で言うTDP値の差。つまり性能に直結します。UP3は現行のTDP 15W版に相当し、TDP設定範囲は12~28W。UP4はさらに低消費電力に重点を置いたタイプで、7~15Wが設定範囲となります。

同時に発表されたX1 Titanium Yogaや、先行する『ThinkPad X1 Nano』では、薄さや軽さにも重点が置かれた機種のためUP4版が搭載されますが、両機のファンはシングル構成。デュアルファンでより強力な冷却が行えるとなれば、UP3の可能性が高いと考えてよいでしょう(なお、CarbonとYogaの現行モデルもシングルファンのため、大幅な強化点ともなっています)。

また隠れたポイントは、冒頭でも紹介したように、最大RAM容量が32GBまでに拡大された点。現行モデルの最大16GBはヘビーユーザーから拡大が望まれていた点だけに、ここは嬉しいという方も多いのでは。

速度の面でもCarbonとYoga共通で、Tiger Lakeの公式では最速となるLPDDR4X-4266を搭載。ただしそれゆえ(やはり)オンボードで拡張不可という構成です。

またストレージは、CPUに合わせてPCI Express Gen4対応SSDに高速化。容量も最大2TBと、イマドキのモバイルノートPCとして最上位クラスの仕様です。


▲こちらはX1 Yogaのキーボード使用時。ナローベゼル化が進んだ点が見てとれます。タッチパッドの右にあった指紋センサーは、電源ボタンに統合されました。そしてこちらの面にも「X1」ロゴが

そして使い勝手という点では見逃せないのが指紋認証センサー。今回は電源ボタン兼用となり、さらに電源ボタンとしての位置も、右側面からキーボード奥(上)側へと“戻って”きました(Carbonの場合では)。これにより、従来の定位置だったタッチパッド横のセンサーは廃止となっています。なお生体認証では、顔認証カメラにも従来通り対応します(オプション搭載)。

合わせてX1 Carbonでは、ヒンジ形状も大幅に変更。中央に長いバーが置かれた『One Barヒンジ』となっています(Yogaは現行と共通です)。

またキーボードは、現行モデルと同一配列。X1 NanoとTitanium Yogaでまとめられた、EndとInsertキーも従来通り別キーとなっています。なお一部で噂されていたキーストローク変更などは、現状ではデータ未公開です。

さらにバッテリーの点でも強化されており、両モデルともにバッテリーは57Whへと大容量化。公称駆動時間はCarbonが最長16時間、Yogaが最長15時間となっています。

拡張端子は、Thunderbolt 4×2基、USB 3.2 Type A×2基に加え、HDMI 2.0×1、3.5mmヘッドセットジャック×1。Titanium YogaやNanoが最小限にまとめられたのに対してメリットとなります。

▲Thunderbolt 4は2基とも左側面に搭載(写真はX1 Yoga)。右側面にはUSB Type-A×1基がレイアウトされています

また、テレビ会議に向けた機能として、ドルビーラボラトリーズのノイズ抑制・音質改善・自動音量調整機能『ドルビーボイス』に世界初対応。従来から特徴だった4ユニット構成のマイクアレイなどと合わせて、より相手側が聞き取りやすい音声を届けられます。

そして無線WAN(セルラー通信)は、Carbon、Yogaともに5Gモデムもオプション搭載可能(LTEも選択可能)。無線LANはWi-Fi 6を搭載します。

このように、ThinkPad X1 CarbonとYogaの2021年モデルは、現行モデルのメリットを引き継ぎつつも、アスペクト比変更をはじめとする筐体(きょうたい)構造一新により、大きく魅力を増したモデル。デュアルファンによる冷却能力の強化なども、X1 NanoやTitanium Yogaと比べた際の大きな魅力となるポイントでしょう。


▲ThinkPad X12 Detachable。画面サイズは変われど、全般的なデザインはThinkPad X1 Tabletを引き継ぎます

さらに合わせて、12.3インチのキーボード合体式タブレット『ThinkPad X12 Detachable』も発表。米国での受注開始は1月中の予定で、価格は1149ドルから。

こちらはThinkPad X1 Tabletの実質的後継機種……ですが、画面サイズは小さくなっています(X1 Tabletの現行機は13インチ)。画面のアスペクト比は従来と同じく3:2で、解像度はFHD+(詳細不詳)。

本体とキーボードの合体機構、本体のキックスタンド機構などはX1 Tabletから継承。いわゆるSurface Proタイプとなっています。もちろん、専用キーボードにはTrackPointも搭載します。

本体サイズは283.3×203.5×8.8mm(キーボード合体時は厚さ14.5mm)、重量は本体のみが760g、キーボード合体時で1.1kg。

▲背面のキックスタンドはおなじみのデザイン。もちろん、ThinkPadとしての強度も確保されています

CPUはやはりTiger Lakeことインテルの第11世代Core i。最上位ではCore i7 vPro対応版までを搭載可能とアピールします。GPUは、こちらもCPU内蔵のインテルIris Xeグラフィックスです。

RAMは最大16GBのLPDDR4X(速度非公開)、ストレージは最大1TBのNVMe SSDとなっています。バッテリーは42Whで、公称駆動時間は最大9.98時間。無線WANオプションとして、LTE Cat.9モデムも搭載可能です。

拡張端子は、Thunderbolt 4×1基にUSB 3.2 Type-C×1基、3.5mmヘッドセットジャック。このクラスのタブレットでThunderbolt 4を搭載するのは有り難いところです。

Source:レノボ ニュースリリース(英語版)