レノボ・ジャパンは10月13日、Windows搭載PCとして初めて折りたたみ可能な有機ELディスプレイを搭載した「ThinkPad X1 Fold」を発売しました。ディスプレイ折りたたみ型デバイス自体はサムスンがAndroidスマホ「Galaxy Fold」で先行していますが、最新の「Galaxy Z Fold2 5G」の画面サイズは広げた状態で7.6インチ。ThinkPad X1 Foldはググッと広い13.3型です。
OSもハードウェイ構成も異なるので比較する製品ではないかもしれませんが、Galaxy Z Fold2 5Gでオフィスアプリを主に使っている方は、ThinkPad X1 Foldのことが気になっているのでは? というわけで今回は、ThinkPad X1 Foldのフォルダブルデバイスとして使い勝手にスポットを当ててレビューしていきます。
■Wi-Fiモデルが32万7426円、ペンとキーボードは標準で付属
ThinkPad X1 Foldは日本国内で下記の4モデルが現在販売されています(執筆時点)。
・ThinkPad X1 Fold:Wi-Fiモデル 39万9300円→32万7426円(eクーポン価格)
Win 10 Home/Core i5-L16G7/RAM8GB/SSD256GB/Wi-Fi
・ThinkPad X1 Fold:5Gモデル 46万5300円→38万1546円(eクーポン価格)
Win 10 Home/Core i5-L16G7/RAM8GB/SSD256GB/5G
・ThinkPad X1 Fold:Wi-Fiモデル(Pro OS選択可能) 45万2100円
Win 10 Pro/Core i5-L16G7/RAM8GB/SSD512GB/Wi-Fi
・ThinkPad X1 Fold:5Gモデル(Pro OS選択可能) 50万7100円
Win 10 Pro/Core i5-L16G7/RAM8GB/SSD512GB/5G
CPUはLakefieldの「Core i5-L16G7」(5コア5スレッド、1.40~3.00GHz)、メモリー(RAM)は8GB(LPDDR4X 4267 POP Memory)で共通。異なるのはストレージ容量と5G通信への対応。そして「ThinkPad X1 Fold:Wi-Fiモデル」以外はすべて「3年間引き取り修理」の対象です。なおストレージは256GB/512GB/1TBから選択可能です。
ディスプレイは13.3型QXGAフレキシブルOLED(2048×1536ドット、300cd/平方m)を採用。10点マルチタッチだけでなく、デジタルペンに対応している点が「Galaxy Fold」シリーズに対する大きなアドバンテージです。
通信機能はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.0を標準サポート。そして前述のとおり、5G通信対応モデルが用意されています。
カメラは顔認証に使用する赤外線機能付き(500万画素)。指紋認証センサーは搭載されていません。日光の強い日には顔認証しづらい可能性があります。
本体サイズは画面を開いた状態で約299.4×236×11.5mm、閉じている状態で約158.2×236×27.8mm。重量は本体が約973g。50Whのバッテリーが内蔵されており、バッテリー駆動時間は最大約11.7時間と謳われています。
なお海外では本体単体で購入可能ですが、日本国内向けモデルは「Lenovo Fold Miniキーボード」、「Lenovo Mod Pen」が標準で同梱されています。必需品が同梱されているのはありがたいですが、英語配列キーボードを選択できない点は残念です。
■シーンに応じて多彩なスタイルで利用できる
ThinkPad X1 Foldには「Carry small, Use big」というキャッチコピーが使われていますが、最大のメリットはまさしくコンパクトに持ち運べること。折りたたみ状態であれば小さなバッグにもスッポリ入るのでモバイル性は抜群です。
そのうえでの真骨頂がさまざまなスタイルで利用できること。横置きにして手前にキーボードを置いて大画面をフル活用したり、小型クラムシェルスタイルで省スペースで作業したり、もちろんタブレット端末としても利用できます。折りたたみ角度は無段階に調整可能なので、短い文章ならソフトウェアキーボードで事足りるはずです。
■比較的低負荷の3Dゲームなら実用速度でプレイ可能
パフォーマンスについては、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23.200」のCPU(Multi Core)は1777 pts、CPU(Single Core)は744 pts、3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」のスコア(1280×720ドット、標準品質、ノートPC)は2609(やや快適)、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は1779.18MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は1172.51MB/sという結果になりました。
処理性能は決して高いとは言えません。しかし、比較的低負荷の3Dゲームなら画質を低くすれば実用速度でプレイ可能です。操作感自体はキビキビしているので、動画の書き出しや写真の現像などのクリエイティブワークを除いた、一般的な用途であれば十分なパフォーマンスを備えています。
キーボードのストロークは浅いものの、打鍵感はしっかり備わっています。日本語配列は「-」、「,」、「.」キーの幅が狭められていますが、慣れで違和感は解消できるでしょう。冒頭でちょっと触れましたが、せっかくキーボードが別体式なのですから、英語配列も用意してほしいところ。カスタマイズ項目に追加されることを期待しましょう。
Galaxy Z Fold2 5Gに対する最大のアドバンテージはデジタルペンを使えることですが、書き味自体は適度な摩擦感があってよいものの、折り目の部分を越えるときに引っかかりを感じます。メモをとったり、注釈を入れたり、図を書くのならまったく問題ありませんが、イラストを描く場合には描線がぶれるので、あまり向いていないというのが率直な感想です。
■いますぐ手に入るWindows搭載フォルダブルデバイスとして唯一無二
フォルダブルデバイスって画面が大きいほど、折りたためる恩恵も大きいです。そういう意味で、フォルダブルデバイス最大の13.3型ディスプレイを搭載するThinkPad X1 Foldは、インパクトは最大級。ベゼルが太いのがちょっと野暮ったいですが、これはThinkPadクオリティーの耐久性を実現するためのあえての設計です。マイクロソフトの2画面デバイス「Surface Neo」が2021年以降に延期されている現在、いますぐ手に入るWindows搭載フォルダブルデバイスとしてThinkPad X1 Foldは唯一無二の存在と言えるでしょう。