レノボ・ジャパンが超軽量の高級ビジネス向けノートPC『ThinkPad X1 Nano』の日本版を発表しました。このモデルは、現行ThinkPadに共通する堅牢性や操作性を保ちつつ、公称907gからと軽量な13.0インチのモバイルノートPC。

発売(受注開始)は12月8日、つまり本日から。公称販売価格は26万円(税別)からとなっています(もちろんレノボの現行機種のため、Web直販などでの実際の価格は、ここから割引が適用されたものとなります)。

▲日本語配列キーボードはこのような形状に。一部記号キーはX13などのように、幅が縮小されるパターンです

このX1 Nanoは、ワールドワイド向けとして9月にプレビューされていたモデル。今回は日本向けモデルとして、正式に発売された位置づけとなります。

ワールドワイド発表記事:ついに1kg切り!! ThinkPad X1 Nanoは1599ドルから。16:10画面とTiger Lake搭載

最大の特徴はなんといっても907g(最軽量構成)からとなる、その軽さ。キーボード一体型・クラムシェルタイプのThinkPadとしては、1993年に発売された『ThinkPad 220』(電池を含まない状態で1.0kg)以来の最軽量更新となります。

他“階級”としては、ThinkPad以外の兄弟ブランドでは『PalmTop PC 110』(約630g)があり、またThinkPadでもWindowsタブレットでは『ThinkPad 8』が約410gから(本体のみ)ですが、クラムシェルタイプのThinkPadとしては27年ぶりの最軽量更新となるモデルです。

さらに、本来は重量と相反するバッテリー容量は48Whを確保。JEITA 2.0測定でのバッテリー駆動時間は「最大約23時間」と昨今のモバイルノートPCとしても優秀です。本体サイズは約292.8×207.7×16.7mm(幅×奥行×厚さ)。

また、日本仕様として注目されていた点としては、5G対応(5Gモデム搭載)はしっかりと投入を公表(ただし「後日販売予定」扱い)。4G対応(LTEモデム搭載)モデルと合わせて、WWANオプションで選択可能となります。

▲US(米国英語)配列キーボード。こちらは記号キーなどの縮小はありません
▲説明会ではキーボードユニットの展示も。こちらを見てもX1 Carbonとは違う設計でした

そしてもう一つ大きな注目点となるキーボードは、X1 Carbonとも異なる新規設計ユニットでした。日本語配列版は残念ながら一部記号キーの幅が狭くなるタイプとなっています。

また公称でのキーピッチは横18.5×縦18mm。キーストロークは公称で1.35mmと、公称値の時点でX1 Carbon(公称1.8mm)に対して浅い仕様。実際にX1 Carbonと1対1で比べると、とくにキーストロークの違いなどは感じられるところです。それゆえに可能であれば、実機で確認することを推奨します。

▲先行して開催された記者説明会では、マザーボードを手に取れる展示も。ファンの大きさに注目

CPUには、インテルの最新世代となる、開発コード名Tiger Lakeこと第11世代Core iを搭載。ヘビーユーザーの間で注目されていたパッケージ種別は「UP4」、つまりCore m系と同等のサイズでした。

そのため性能を支配する設定TDP(消費電力と発熱の目安となる値)は最高でも15Wとなり、X1 Carbonなどで採用される「UP3」(最高で28W)とは1ランク下となります。

ただし開発陣からは、「X1 Nanoは実際に設定されているTDP値がUP4としては大きく、また冷却機構も高い性能を確保しているため、性能低下は最小限に抑えている」旨の紹介もなされています。

合わせて、RAMは最大16GBのLPDDR4X-4266(オンボード)、ストレージは最大1TBのNVMe SSD(内部M.2スロットによる搭載)までの構成が可能。なおRAMの最大容量制限は、マザーボード上の実装面積の少なさ(搭載可能チップは2個のみ)が関係している格好です。

▲他の機種ではほぼ見られない解像度がポイント。なおHDR設定は、残念ながら本体画面でYouTubeなどは認識されない、いわゆる「はい、いいえ、いいえ」でした

さて、外観上で最大の特徴となる画面は、現行ThinkPadシリーズでは他にない、2160×1350解像度、アスペクト比16:10仕様。額縁周りも4辺ナローベゼル設計を採用するなど、ライバル機種の最新トレンドを取り入れた設計のモデルともなっています。

画面周りのオプションとしては、タッチ非対応と10点タッチ版が用意されていますが、解像度は単一仕様。なおタッチ対応モデルは、50gほど重量が増加します。これはタッチパネルが外付けとなる仕様の都合と表面保護ガラスのため。またマルチタッチ対応モデルには、X1 Carbonの上位モデルで評価の高かった、カーボンファイバー柄天板仕様です。

また隠れた注目点は、「人感センサーとして、新開発の“レーダー式”が搭載されている」点。レーダー式のセンサーはGoogleのスマートフォン『Pixel 4』などにも搭載されていますが、まだ採用例は少ない技術です。

昨今のThinkPadやYogaシリーズ(そしてグループ企業であるNEC PCのLAVIE Pro Mobileなどでも)は、人感センサーによる消費電力低減やのぞき見防止機能などを搭載しますが、本機はこうした検知精度が他機種(Webカメラを流用)よりも高い点をアピールします。

基本的な仕様をまとめると、以下のようになります。

  • 本体サイズ……約292.8×207.7×16.7mm(幅×奥行×厚さ)

  • 本体重量……約907gから

  • ディスプレイ……13インチ/16:10、解像度2160×1350、最高輝度450nit、ドルビービジョンHDR対応、sRGB100%)、タッチ/非タッチ選択式

  • CPU……インテル製第11世代「Tiger Lake」(UP4)、Core i7/i5

  • GPU……インテルIris Xeグラフィックス(CPU内蔵)

  • RAM……最大16GB/LPDDR4X(増設不可)

  • ストレージ......最大1TB SSD(NVMe/PCI Express接続、本体側はM.2仕様)

  • バッテリー容量......48Wh

  • バッテリー駆動時間……最大約23時間(JEITA 2.0)

  • USB端子......Thunderbolt 4兼USB Type-C×2

  • 拡張端子......3.5mmヘッドセットジャック(入力、出力)

  • Wi-Fi......Wi-Fi 6(インテル AX201)

  • WWAN……5Gモデム/LTEモデム(オプション)

  • 生体認証機能......Windows Hello顔認証+指紋認証

  • 標準搭載OS......Windows 10 Home/10 Pro 64bit

▲底面側の蓋を開けた状態ではこのようなレイアウトに。やはり本体に比べてファンが非常に大きい点が目を惹きます

このようにX1 Nanoは、ThinkPadの中でも超軽量というだけでなく、様々な新技術も投入された意欲的なモデル。その軽さや設計などからも、ヘビーユーザーには人気の高いモデルともなりそう。実際の発売が海外とほぼ同時となったのは、個人的にも嬉しいところです。

Source:レノボ・ジャパン製品ページ