日本でも定番の高級モバイルノートPCの一角となっている、レノボのThinkPad X1シリーズ。2020年は907gからと軽量な『ThinkPad X1 Nano』が加わりましたが、2021年、さらに新設計のモデルが加わります。

それが、CES 2021に合わせてワールドワイド発表となった『ThinkPad X1 Titanium Yoga』です。米国での受注は1月中に開始。価格は1899ドルからと、同時に発表されたX1 Carbon Gen 9(第9世代)やX1 Yoga Gen 6(第6世代)よりも高価となります。

最大の特徴となるアスペクト比3:2(!!)、2256×1504の13.5インチ画面と、インテルTiger Lake(UP4ベース)を、キーボード一体型のThinkPadでは最薄となる厚さ11.5mm、重量1.15kgからとなるチタン合金(など)ベースの外装に収めた、新機軸のモデルです

またThinkPadでモデル名にYogaと付くことからわかるように、360度回転ヒンジを搭載した2-in-1仕様。タッチパネルとペン入力もサポートします。また、ここ数年のThinkPad X1シリーズが積極的にオプション搭載可能としている、5GやLTEモデムのオプションにも、もちろん対応します。


最大の注目点となる画面は、上述のようにアスペクト比3:2、2256×1504解像度という、ThinkPadでは珍しい仕様。とくにアスペクト比に関しては、いわゆる「Surface仕様」となっており、ヘビーユーザー待望とも呼べる変更です。

画質などの面では、色域が100% sRGBカバー、最大輝度は450ニト。ドルビービジョンのHDR映像ソースに対応します。また(少なくとも現状では)解像度違いなどのラインナップはなく、全モデルがこのパネル仕様、という点もポイントです。

気になる本体サイズは、297.5×232.7×11.5mm(幅×奥行×厚さ)。外観は画面のアスペクト比が3:2となったため、16:9仕様のモデルと比べると奥行きは長めに。またベゼルは、タブレット状態での運用もあってか、X1 Nanoなどに比べると底面側が若干広めです。

ただし重量は上述のように1.15kgからのため、X1 Yoga 2020年モデル(約1.36kg)と比べると軽くなっています。

▲これは正面側からのカット。くさび形が基本だったX1シリーズでは珍しいフラットタイプです

そしてレノボ側が最大の特徴とするのが、11.5mmというキーボード一体型のThinkPadでは、最も薄い本体。キーボード一体型という制限を外すと、8インチタブレット『ThinkPad 8』が8.8mmですが、この制限の元ではライバル製品を含めても非常に優秀です。

それを支えるのが、冒頭でチタン合金とカーボンファイバー、そしてマグネシウムを適材適所で組み合わせた本体外装。ThinkPadらしく、本体の各部分で適切な素材を選択して採用するアプローチです。

なおデザインの点では、底面側カバーがほぼフラット(くさび状になっていない)のが隠れたポイント。これは堅牢性や加工難度との兼ね合いによるものとも思われますが、昨今にあってはデザイン的な個性ともなっています。

▲公開された写真では中がある程度判別できるカットも。冷却ファンはX1 Nanoと同様、UP4版Tiger Lakeに対してはかなり大きめです

心臓部となるCPU(SoC)には、インテルのTiger Lakeこと第11世代Core iを搭載。ただし留意が必要なのは、本機に搭載されるのは「UP4」と呼ばれる、一般的なモバイル用よりもさらに低消費電力に重点を置いたタイプである点(いわゆるTDP範囲は7から15W。一般的なUP3が12~28W)。

これはX1 Nanoと同じクラスですが、NanoでもTDP値や強力な冷却ファンによるTurbo Boost動作の効率化などへの配慮がなされていたため、本機でも近い設定がなされているものと思われます。

GPUは、CPU内蔵のインテル Iris Xeグラフィックス。RAMは最大16GBのLPDDR4X(増設不可)で、ストレージは最大1TB SSD(NVMe/PCIe接続)です。このあたりは他のX1シリーズと共通の仕様で、ソツのない構成と呼べそうです。

バッテリー容量は44.5Wh。公称のバッテリー駆動時間は10.9時間(MobileMark 2018測定)です。


隠れた注目点は、キーボード。一見、現行のX1 CarbonやYogaと同じに見えますが、実は最上段からInsertキーが(独立したキーとしては)消えており、Endキーとの兼用になりました。これはX1 Nanoと同じ配置です。

合わせて、アスペクト比3:2(=画面が縦方向に伸びた)ことから、タッチパッド部も縦方向に伸びている点もポイント。TrackPointはもちろん搭載しますが、タッチパッド部の操作性改善にも配慮がなされています。さらにタッチパッドは、いわゆるハプティクスフィードバック仕様のタイプです。

拡張端子は、Thunderbolt 4×2と3.5mmヘッドセット端子のみ。実はここもCPUと同じく、X1 Nanoと共通の仕様となっています。

なおThunderbolt 4に関しては、昨今のThinkPadとして珍しく(少なくとも仕様では)電源入力が背面側の1ポートのみに限定されています。合わせて電源アイコンも、背面側のみに付く仕様です(ただし、X1 Nanoでも仕様としては本機と同様だったのですが、実機では2つのポートともに電源入力として使えることを併記しておきます)。

生体認証は、顔認証と指紋認証の両対応。無線LANはインテル製『Wi-Fi 6 AX201』、Bluetoothは5.1に対応します。さらに冒頭で紹介したようにオプションにて、セルラー通信(無線WAN)として5G(LTE Cat.20、4x4 MIMO)か、4G(LTE Cat.9)のモデムも搭載可能です。


このようにX1 Titanium Yogaは、ヘビーユーザーから待望されていた3:2画面やチタン合金を主軸とした新設計の外装など、新機軸のThinkPad X1シリーズと呼べる個性的な機種。

搭載されるCPUが(Tiger Lake)UP4であることや拡張端子数などから、純粋な処理性能や運用の柔軟性などではX1 CarbonやYogaの完全代替とはなりませんが、それを補って余りある魅力を備えたモデルとして仕上がっています。

ThinkPadの中でも旗艦系となるX1シリーズのモデルということもあって、決して安価ではありませんが、ThinkPadファンのみならず、普段の仕事にしっかり使え、なおかつガジェットとしても魅力あふれるモバイルノートPCを求めているユーザーに深く刺さる存在と呼べそうです。

Source:レノボ ニュースリリース(英語版)