Zuckerberg
Bloomberg via Getty Images

アップルのティム・クックCEOとFacebookのザッカーバーグCEOは個人情報の扱いをめぐって正反対の立場を取っており、犬猿の仲であることは広く知られています。そんな2人が同じ会合に出席した際に、クック氏がザッカーバーグ氏にFacebookがサードパーティ製アプリから集めた全てのユーザー情報を削除するよう勧めたとの噂が報じられています。

米New York Timesによると、2人のCEOは毎年、投資銀行のアレン&カンパニーが主催する会合で長年にわたって情報交換を行ってきたものの、2019年7月のそれはヒビの入った関係を修復することが目的だったとのことです。

時期的には、ちょうど英データ分析/選挙コンサルティング会社Cambridge Analytica(CA)が約5000万人分のFacebookユーザーの個人情報を取得して無断流用していたと発覚した翌年のことです。

ザッカーバーグ氏が全世界の人々からの怒りを前に謝罪を繰り返すなか、クック氏はFacebookがプライバシー情報を扱う姿勢を痛烈に批判。それにザッカーバーグ氏が激怒して「痛い目に遭わせてやる」と社内で漏らしたとの証言もあり、2人の関係が感情的にこじれていたことに疑いはないと思われます。

ザッカーバーグ氏はクック氏にCA問題をどう対処すべきか尋ねたところ、クック氏はFacebookがコアアプリ(Facebook本体アプリを除くアプリ)以外で収集した個人情報はすべて削除すべきだと刺々しく応えた。会議の様子を直接知る匿名の人物はそう証言しています。

ザッカーバーグ氏は唖然としたそうです。個人の嗜好や行動を元にしたターゲティング広告を主な収入源としているFacebookにしてみれば、情報収集をやめろというクック氏の発言は事実上ビジネスを止めろというに等しく、ザッカーバーグ氏が無視したのも当然の成り行きでしょう。

それから約2年が経過し、ザッカーバーグ氏とクック氏の置かれた立場の違いは、今や全面戦争へと発展している感があります。特にiOS 14.5で予告されていたアプリトラッキング透明性(ATT)はターゲティング広告の有効性を大きく減じる可能性があり、Facebookは激しく反対運動を繰り広げてきました

一時Facebookはアップルに対して反トラスト法訴訟を準備中とまで噂されましたが、今年3月時点ではザッカーバーグ氏は「良いポジションにいる」(ターゲティング広告を無効化された多くの企業がFacebookやInstagramでの販売に切り替えるとの見通しから)と考え直したとも報じられていました

本日(4月21日)、いよいよiOS 14.5配信開始とともにATTが実施されることになりました。果たしてFacebookの目論見通りプラスとなるのか、計算違いで大打撃となりアップルへの抗議が再燃するのか、今後の展開を見守りたいところです。

Source:The New York Times

via:MacRumors