東京メトロ「有楽町線」「副都心線」で故障予兆検知システムが運用開始

走りながら「故障の予兆」を自動検知

大和哲(Yamato Satoshi)
大和哲(Yamato Satoshi)
2020年10月7日, 午前 11:20 in transportation
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tokyo metro
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「東京メトロ」の愛称で知られている、東京地下鉄。その東京メトロと三菱電機が共同で「故障予兆検知システム」を、2020年10月から「有楽町線」「副都心線」を走る10000系車両で運用開始します。

(2021年2月営業開始予定の新型17000系ではなく、現在運用中の10000系からです。もちろん、17000系も対応予定ですが)

これは、2019年に導入された丸ノ内線2000系向け「車両監視・分析システム」の進化版に相当するもので、いわゆる「CBM(Condition Based Maintenance・コンディションに応じた整備)」による車両点検の深度化・効率化を行うものです。

TokyoMetro Series10000

電車には台車・モーター・制御装置・電源装置・保安装置など様々な機器が取り付けられていますが、今回の「故障予兆検知システム」は、そのなかでも車両のブレーキ装置の「ブレーキ装置」の空気圧力、「電動空気圧縮機」の動作時間・温度を検知します。

TokyoMetroCBM

収集されたデータは、車両に搭載されている、車両情報管理装置(TIS・Train-control Information Management System)に記録され、大容量高速通信の無線通信でデータセンターに随時送信、車両情報監視・分析システム(TIMA・Train Information Monitoring and Analysis system)と呼ばれるデータセンターのデータ分析サーバーへと伝送され、動作データが自動的に分析されます。

分析されたデータから、故障の予兆が検知されたら、アラームと共に関係部署に通知がなされます。そして、早期に車両点検実施されることによって、故障の発生を未然に防止し、更なる鉄道の安全運行が推進されるというわけです。

TokyoMetroCBM
Engadget Japan

■適切なタイミングで点検することでコストダウンを

CBMを実現するには膨大で、高度な技術と知見が必要です。たとえば、適切な修理タイミングはいつなのかといったノウハウ、それを対象物から測定するための各種センサーによる機器稼働状況、データを送れるだけの高速大容量の情報通信技術、得られる大量のデータを分析するAIや人による体制となどが必須となります。

しかし、鉄道というのは、車両や起動などメンテナンスにかかる費用が非常に多くかかる産業です。ある統計では、国内鉄道各社の営業費用の実に約3割が保守にかかる費用だったとされています。

そこでCBMが注目されることになりました。常に一定のタイミングで整備を行うのではなく、収集したデータを解析することで,車両や設備の故障予兆検知を行い、適切なタイミングで保守できるようにすることで、保守費用を軽減できるわけです。

それだけにこの東京メトロ10000系だけでなく、様々な事業者・メーカーがCBMの実用化を目指しています。

たとえば、同じ鉄道で有名なのは、JR東日本・山手線を走る最新型通勤車両「E235系」でしょうか。2017年にデビューしたこの電車は、次世代車両制御システム「INTEROS(インテロス)」を搭載し、電動機やブレーキだけでなくドアや空調、架線状態まであらゆる車載機器データを取得、地上のセンターに送信、常時監視ができるようになっています。JR東日本では、集電装置(パンタグラフ)や電動空気圧縮機等でCBMを行うべくデータの収集を行っているとされています。

また、同じJR東日本ですでにCBMが実用化されているのが、線路軌道です。従来は軌道については専用車両で3ヶ月に1度測定していましたが、毎日運行する電車からデータを得られればそれよりもかなり高頻度にデータを集められ、タイムリーな補修が可能になります。実際に2018年からJR東日本では軌道変位モニタリング装置・軌道材料モニタリング装置を山手線・中央快速線・武蔵野線などで線路設備モニタリング装置を導入し、メンテナンスに役立てています。

source:Tokyo Metro


 

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