TORQUE 5G Junya Ishino

高耐久のタフネススマホでおなじみ、京セラの「TORQUE」に5G対応モデルが発表されました。その名は直球ストレートな「TORQUE 5G」。TORQUEとしては、5世代目にあたり、従来通りの型番だと「G05」になるはずでしたが、「G」と「5」の順番を入れ替え、通信世代を表す5Gを冠しました。発売は3月26日を予定。従来どおり、au限定モデルとして販売されます。

TORQUE 5G Junya Ishino
▲ついに5Gへと対応したTORQUE 5G。京セラの国内モデルとしては初めての5Gスマホになる

元々タフネスを売りにしていたTORQUEシリーズですが、TORQUE 5Gでは、その性能をさらに強化しています。京セラの通信機器事業本部 通信事業戦略部 第1法人ビジネスユニットで責任者を務める湯浅紀生氏によると、TORQUE 5Gは、「シリーズ最多となる28項目の“ハードな”試験をクリアしている」そうです。湯浅氏は「身の中や極寒のフィールドなど、様々なシーンで使える」と自信をのぞかせています。

TORQUE 5G Junya Ishino
▲シリーズ最多となる28項目のテストをクリアした

例えば、落下テストについては、2メートルの高さから、サンドペーパーを敷いた鉄板に落下させています。これとは別に、1メートルから500回の連続落下テストや、1メートルからディスプレイに対して鋼球を落とすテストを実施。普通に使っているだけだと、サンドペーパーを敷いた鉄板にスマホを落としてしまうのはレアケースかもしれませんが、これだけやっていれば、アスファルトへの落下程度は余裕と思えそうです。

TORQUE 5G Junya Ishino
▲落下試験だけでも、かなりハード。普通に使っているとなかなか遭遇しないシチュエーションでもテストしている

同様に、マイナス21度で連続3時間使用するテストや、マイナス30度で連続4時間保管するテストも行っています。この環境下でスマホを3、4時間使っていると、先にユーザー側が凍死してしまいかねません。実際にここまでのシチュエーションで使うかどうかは別として、極端なシチュエーションでも使える耐久性能を担保することで、安心感を醸成しているというわけです。

TORQUE 5G Junya Ishino
▲氷の中に埋め込まれていても、きちんと動作する

カメラ機能も強化されており、インカメラとアウトカメラで同時に撮影できる「マルチカメラ」や、速度、心拍数といったセンサー情報を重ねて撮影できる「Action Overlay」、水の中での歪み補正に対応した「水中モード」などを利用可能。キャンプの夜景をきれいに撮るための「ナイトモード」にも対応しています。アクセサリーの三脚ネジマルチホルダーを使えば、自転車に固定して撮影するといったことも可能。タフネススマホならではの撮影シーンに、しっかり対応したと言えるでしょう。

TORQUE 5G Junya Ishino
▲カメラ機能も充実。マルチカメラやAction Overlayといった、TORQUEならではの機能を備える

京セラが日本市場に投入するスマホとして、初の5G対応になったTORQUE 5Gですが、競合他社の状況を見ると、やや出遅れていた印象があることは否めません。シャープやソニーモバイルといった国内メーカーは、昨年、5Gのサービスインに合わせて端末を投入済み。サムスン電子やXiaomi、OPPOといった海外勢については、さらにその1年前に5Gスマホを投入しています。

これについて、取締役 通信機器事業本部長の厳島圭司氏は、「一時期、京セラは5Gに消極的で、(対応端末を)出さないのではないかとささやかれた時期もあった」と語っています。後発であるがゆえに、「5Gで何ができるのか、何をするのかを社内でディスカッションしてきた」(同)とのこと。そこで出した答えが、TORQUEからの5G対応でした。「一般的な機能の5G端末が、安く提供されればいいというものではない」(同)というのが、京セラの考えです。

TORQUE 5G Junya Ishino
▲5Gでも京セラらしさを出していけるよう、満を持して端末を投入したと語る厳島氏

TORQUEのような高耐久端末以外では、キッズ向けやシニア向け、法人向けなど、ターゲットユーザーを絞り込んだ端末は京セラの得意とするところ。「お客様を深掘りして、徹底的に調査し、これでいかがですかというものを作るメーカーでありたい」(同)という開発思想は、5G端末にも貫いていく方針です。厳島氏によると、直近では5Gのミリ波に対応したルーターを発売する計画があるとのこと。こちらは、京セラが得意とするもう1つのジャンルである、法人向け端末になるようです。

KDDIにとっては、TORQUE 5Gを導入することで、5G端末のバリエーションを広げる意味合いがあります。同社は「お求めやすい端末から高機能なもの、さらには折りたためるものまで幅広い5G端末のラインナップを拡充することに務めてきた」(パーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 担当部長 坂詰正樹氏)といいます。実際、auにラインナップされた5Gスマホを見ると、バリエーションの豊富さには目を見張るものがあります。

TORQUE 5G Junya Ishino
▲「みんなの5G」を実現するため、ラインナップを拡充しているKDDI。5Gスマホの豊富なバリエーションでは、他社をリードする

リーズナブルで手に取りやすいミドルレンジモデルだけでなく、尖ったハイエンドモデルや、変わり種(またの名を変態)と呼べそうな端末までそろえることで、「お客様1人1人のニーズにおこたえでき、キャッチコピーの『みんなの5G』を推進していける」(同)というわけです。KDDIは、昨年の秋冬モデル以降のスマホは、原則として全機種5Gに対応することをうたっていますが、4G時代に好評を博していたTORQUEはラインナップされていませんでした。TORQUE 5Gの投入によって、その欠けていたピースを埋めることができそうです。