Engadget

今年最初に話題となったインディーゲーム「Valheim」をご存知でしょうか? 本作は北欧神話やバイキングをテーマにし、自動生成されたオープンワールドの世界をサバイバル&探索するゲームです。

2月頭にSteamで早期アクセスが開始されると瞬く間に話題となり、本記事執筆時点で売り上げが400万本を突破する等、人気を博しています。

本作は広大なマップを舞台に、サバイバルや建築・クラフト要素に加え、RPGのようなボス戦なども存在する等、様々なジャンルがミックスされた独自の魅力を持っており、筆者も友人と共に睡眠時間を削ってがっつりプレイしています。

尚、本作は最大10人でのマルチプレイが可能な他、価格は2050円で日本語にも対応。そしてこの手のゲームには珍しく、1GBという低容量ということで手を出しやすいゲームとなっております。

Valheim(Steam)

Engadget
グラフィックこそ旧世代のものですが、細かい演出や物理演算も相まって雰囲気は抜群です

■裸一貫で世界に投げ出される

本作には、戦いで命を落とした主人公(=プレイヤー)が、「Valheim」という世界へ運ばれ、オーディーンの宿敵を倒し秩序をもたらすというストーリーが存在。スタート地点にある祭壇にボスの首をささげていくことが目的となります。

Engadget
本作はキャラとワールドを別々に生成する仕組み。作ったキャラは別のワールドで使用することもできます

Engadget
スタート地点となる祭壇。ここにボスの首をささげることが目的となります

とはいえ、主人公は裸一貫。装備はおろか持ち物など一切なく、一先ずはチュートリアルキャラであるカラスの「フギン」に従って木や石を入手し、こん棒などの簡易的な武器や、伐採用の斧等をクラフトし、資材を集めつつ拠点を作り、装備を整えてボスに挑む準備をすることになります。

Engadget
カラスのフギン。チュートリアルはあまり親切ではないので、色々なことを試しながら世界を探索していくことになります(それでも他のクラフト要素のあるゲームよりは遥かに親切ですが)

序盤からやれることは多く、凝った家を建ててもいいですし、探索してマップを広げたり、狩りに勤しむことも可能です。どれも最初のボスの攻略に繋がる行動になっているので自由にプレイしていきましょう(ボスを倒すと解禁される要素もあるので、最序盤で時間をかけすぎるのも考えモノですが……)。

Engadget
作業台をつくれば建築が可能になったり、作業台でしか行なえないクラフトが行なえたりします

Engadget
最初は細い木を殴って伐採。本作では素材を入手することでレシピが解禁されていきます

■木に潰され、火に燻される「リアリティ」

さて、ゲーム冒頭から感じられるのが本作の有するリアリティ。多くのクラフト要素のあるゲームでは、木は切り倒した瞬間アイテムとなりますが、本作では木を伐採すると丸太になり倒れてくるので、それを躱さないとダメージを受けてしまいます。

Engadget
転がっていく丸太は敵やオブジェクトにもダメージを与えます。これを利用して転がっていく丸太で効率よく木を伐採することも可能です

他にも木を切ったり、鉱物を掘ったりする音を聞きつけて、敵が寄ってきて攻撃してきたり、建設物は土台があつ程度しっかりしていないと倒壊したり………と他のクラフトゲームでは省かれがちな「現実っぽさ」が随所に感じられます。

中でもユーザーの間で話題になったのが、火からあがる煙が部屋の中に充満すると一酸化中毒になってダメージを受けること。火は休息したり、肉を焼いたりするのに必要なのですが、家の中で火を使用するには、煙突のような煙の逃げ場を作らなけらばいけません。

Engadget
換気しないと人は死ぬ現実を再現しているゲームは筆者も初体験

■飯を食わねば戦えない

また、本作では餓死や脱水で死亡することはありませんが、食事はとても重要です本作では食事を摂ることで、最大ライフ・スタミナが上昇し、ライフリジェネも得ることができるのですが、何も食べていない状態ではライフが僅かしかなく、イノシシの攻撃を数発食らっただけで死にかけます。文字通り「腹が減ったら戦はできぬ」という訳です。

また、スタミナは走る・ジャンプ・攻撃・伐採など多くの行動で消費され、空になると自動回復を待たないといけません。そのため、食事を摂らずに作業や探索をするのも効率が悪くなってしまします。

序盤の食事は獣を倒して手に入れた肉を焼いて食べるか、周囲に生えているベリーやきのこ類を食べるのが基本。肉の方が手間がかかる分、効果が大きいです。また、満腹だと何も食べれないだけでなく、同じ食べ物も消化しきるまでは口にできません。

Engadget
肉は焼き過ぎると炭になってしまうので要注意

■夜は寒いので眠りたい

食事と同様に重要なのが休息。拠点で休めば体力とスタミナの回復を上昇させることが可能です。また、夜は寒く作業効率が落ちる他、敵も活発に動いているので外にでるのはオススメできません。家の中に火とベッドがあれば(そして煙で燻されなければ)夜を眠って過ごすことができます。また、ベッドはリスポーン地点にもなるので重要です。

Engadget
ベッドで寝れるようにすれば拠点作りも一先ず完了です

拠点づくりの自由度は高く、土台はしっかりしていれば多少無理やりな建築も可能になっています。ただし、家にこだわり過ぎると無限に建築と資材集めに時間を摂られるので注意してください(笑)。

Engadget
建築で一番注意したいのが現実世界での時間の経過。気付いたら朝になっていることも……

Engadget
拠点ではイノシシを飼ったり農業を行うことも可能です

■あらゆる行動でスキルが上昇

また、本作ではスタミナを消費して行う行動の多くがスキル化されており、どんどんレベルがあがっていきます。例えば走れば「走り」の経験値が溜まっていき、「走り」のレベルがあがると走っている最中のスタミナ消費が抑えられます。スキルは木の伐採速度や攻撃・防御などにも関わってきます。スタミナの消費は気になりますが、経験値を稼ぐためにも積極的に走ったり、ジャンプしたりするといいでしょう。とはいえ、経験値稼ぎの効率も食事や休息に依存するので、まずは食と拠点をしっかりと確保しましょう。

Engadget
スキルと経験値はいつでも確認可能です

■戦闘面は受けと回避が基本

さて、フィールドには至る所にモンスターが存在し、かなりしつこく追ってくることもあり戦闘を避けるのは容易ではありません。また、敵は距離をとって石を投げてきたり、こちらが武器を構えていると逃げ出して、ツールに持ち帰ると襲ってくるなど中々ずる賢いAIをしています。

本作の戦闘は受けと回避が基本となっており、攻撃にも回避にもスタミナを使用するので、スタミナ管理が重要となっています。強力に感じたのが、盾を装備した状態での受け流し(パリィ)。敵の攻撃に合わせて防御すれば相手を弾き、スキをつくることができます。これができるかできないかで戦闘の難易度がガラッと変わってくるので、まずは小型盾をつくって練習することをオススメします。

武器には斧や槍、弓などが存在しますが、強敵相手には弓でヒット&アウェイを狙うのが効果的。また、武器や防具を作業台で強化していけば戦闘も楽になっていきます。

Engadget
タイミングよくブロックすれば、相手を弾き、スキを作ることができます

万が一死んだ場合でもデスペナルティは少なく、僅かなスキルの低下、ベッドに戻される、持っていたアイテムを死亡地点にドロップするだけで済みます。アイテムをドロップした状態で再び死んでも、そのアイテムが消失(ロスト)することはないので安心です。

■ボスを倒してキーアイテムを入手

ある程度ゲームを進行していくとボス戦へ。ボスのいる祭壇に特定のアイテムもささげることでボスが召喚され、戦闘となります。尚、最初のボスの居場所は初期地点に設置されたルーンに記されていますが、次のボスからは所在地の書かれたルーンから探す必要があります。

ボスは巨大で、攻撃も激しく強力なため、食事や休息はもちろんのこと、装備を整えてから挑まないとかなりの苦戦をしいられますが、倒すことができれば新たなマップや資源へアクセスできるキーアイテムを入手することができます。

Engadget
友人と共に最初のボス「エイクスュル」と戦闘。電撃攻撃に注意しつつ、弓で攻撃するのがオススメ

Engadget
次のボスである「長老」は根を使った攻撃が厄介。毎回ボス戦には苦労させられます

最初のボスを倒すと、ツルハシの材料が手に入ります。ツルハシをクラフトすれば鉱石を掘ることが可能に。より強力な装備や、新たな設備の材料を採取することができるようになります。

Engadget
ツルハシを入手し、鉱石が掘れるように

更に、初期地点にある祭壇にボスのハンティングトロフィーを捧げることで、発動後一定時間スタミナの消費を抑えることのできる「エイクスュル」のスキルが使用可能となります。

Engadget
エイクスュルのスキルを使用すればスタミナ消費を抑えて行動できます

■新たなバイオームと新たな資源

世界にはスタート地点である「草原」、次にいくことになる「黒い森」、雪に覆われた「山」といったいくつかのバイオームが存在し、そこにしか存在しない資源やモンスター、ダンジョン、そしてそのバイオームのボスが設定されており、最初のボスを倒すと、黒い森にいくことになります。

Engadget
黒い森のダンジョンではスケルトンが襲い掛かります

Engadget
山では寒さ対策をしていないと凍え死んでしまいます

ここからは一気にできることが増えていくので詳しくは書きませんが、黒い森ではツルハシを用いてスズや銅鉱石が手にいれることができる他、ダンジョンで「スルトリングの核」を入手することもできます。更に、手に入れたこれらのアイテムで設備やツールをつくることで、青銅を生産することが可能になります。

Engadget
鉱石は溶解炉でインゴットに。スズと銅のインゴットを鍛冶場で加工すれば青銅が手に入ります

青銅を用いれば、強力な武器だけでなく、航海にでれる帆船もクラフトすることも可能に。海を渡って別の島を探索することもできるようになります。

Engadget
バイキングらしく航海にでることも可能です

こんな風に、ボスを倒すことで、新たにできることが増えていくのが本作の特徴の一つです。やることが無くならないので、飽きることなくプレイすることができます。

■様々なジャンルがミックスされた新しいゲーム性

本作は冒頭にも書いた通り様々なジャンルがミックスされているゲームですが、ストーリーやボス戦といったRPG的な要素が、サバイバルやクラフトに目的を与えていて、飽きのこないゲーム性を持っていると感じました。

また、一酸化炭素中毒になったり、丸太でダメージを受けるような「リアル」さは、一見すると煩わしそうな要素ですが、現実に即した部分が多いためか、理不尽だと感じることはありませんでしたし、むしろこのリアルさが本作における試行錯誤の楽しみや没入感を増しているように思えます。

今後も製品版に向けて数回にわたるアップデートが予定されているとのことなので、そちらにも期待がかかります。アーリーアクセスでありながらバグも少なく、ボリュームも充分。本稿では伝えきれていない魅力も多くあるので、是非プレイしてみてください。

Valheim(Steam)