VIVE Flow

HTCが11月18日、新型VRヘッドセット「VIVE Flow」を発売しました。従来のVRヘッドセットは「被る」というイメージがありますが、VIVE Flowはメガネ型のデバイスで「掛ける」といったほうがしっくりとくる形状です。本体重量も189gと非常に軽量になっています。

そんなVIVE Flowをレビュー用にお借りしたので、使用感などをお伝えしたいと思います。

メガネがなくてもはっきり見えるVIVE Flow

小型軽量なVIVE Flowですが、Oculus Quest 2のようにスタンドアロンでの利用はできず、対応するスマートフォンとBluetooth接続して利用します。

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本体にはバッテリーも搭載しておらず、利用時にはUSB-C経由での電源供給(モバイルバッテリーでも可)が必要です。詳細な数値は出ていませんが、テスターを挟んでみたところ4.8V / 1.3Aで動作していたので、7.5W~10W程度の出力があれば問題ないようです。ちなみに、動き回ってケーブルが抜けてしまったり、モバイルバッテリーを交換したりする際にも電源を落とさずに済むよう、数十秒は動作できる予備電源を搭載しています。

VIVE Flow

また、VIVE Flowには普段からメガネを利用している人でも気軽に使えるよう焦点調整機能が付いており、VIVE Flow使用時にはメガネをかけなくても大丈夫です。筆者は裸眼視力が0.1以下(SPHは-4.0D)ですが、問題なく焦点を合わせることができました。なお、調整は左右別々に行えるので、左右の視力差が大きい人でも安心です。

VIVE Flow
▲フェイスクッションはマグネットで簡単に着脱できます

ちょうどBOSEなどのサウンドグラスと同じように、メガネのツルの部分にスピーカーを搭載しています。本体にはイヤホンジャックなどがなく、基本的にスピーカーから音がダダ漏れ……。ここは惜しいところです。

VIVE Flow
▲スリット部分はスピーカー

スマートフォンがコントローラーに

肝心のVR体験ですが、画面の様子などOculus Questを利用しているのと大差はありません。Viveの利用経験がほとんどないので比較はできませんが、Oculus Quest 2よりも点け外しは大分楽です。顔に押し付けるのではなく、あくまでも掛けているだけなので、痛くなったりということもありません。柔らかいフェイスクッションが隙間を遮ってくれるので、没入感も高めです。

VIVE Flow
▲換気用のファンが付いているので、内側に熱がこもることもなく、装着感は良好

なお、全面にカメラが付いており、モノクロのパススルー表示も行えますが、解像度は高くないため、いまのところオマケ程度といった印象です。

VIVE Flow
▲表は鏡面になっていますが、マジックミラーで内側からは透けて見える......ということはありません

アプリなどはVIVEPortからダウンロードできますが、VIVE Flowを購入するとサブスクリプションVIVEPORTインフィニティ2か月分の利用権が付いてきます。また、メール経由で7つのVRコンテンツももらえるそうです。なお、こちらは期間限定の特典とのことなので、今後変更される可能性があります。

VIVE Flow
▲ライブラリに、あらかじめ7つのアプリが登録されていました

アプリによってはコントローラーを使わずに視線で操作できるものもありますが、基本的に操作はスマートフォンをコントローラーとして利用します。Vive Flowとスマートフォンをペアリングし、Vive Flowを装着して利用状態にすると自動的にスマートフォンがコントローラーモードになります。といっても画面が変わるわけではく、画面のタッチ操作を乗っ取るようなイメージです。

画面を4分割してそれぞれのタッチを選択やトリガー、メニュー表示などに割り当てられています。いちいちスマートフォンを確認しながら操作する必要はなく。直感的にわかりやすいと感じました。また、2本指で画面を長押しすると正面位置の補正を行えます。

VIVE Flow
▲画面内ではスマートフォンのリモコン画面を確認可能。実際のスマートフォンはこの画面になっているわけではありません

ただ、操作は容易ではあるのですが、コントローラーは1つだけ、かつ他機種のコントローラーのように握っての操作もできないので利用するシーンは選びます。HTC自身、ゲーム用途というよりも動画視聴やASMRなどのリラックス、マインドフルネス的な利用方法を推しています。ようは、操作が少ない利用方法に向いているということです。

スマートフォンの画面をそのまま表示できるので、NetflixやAmazonプライムビデオなどもVR内の大画面で視聴可能です。本体が軽く、着けたまま寝っ転がっても苦にならないので、実はこの利用方法が一番向いているのではないかと感じました。

VIVE Flow
▲ブラウザも利用可能。YouTubeの視聴なども行えます。

コンパクトで持ち運びに便利。ただし価格がネック

手軽なVR体験としては悪くなく、むしろOculus Quest 2よりも気軽に始められそうなのですが、ネックになるのは価格です。小型軽量で持ち運びも苦にならないとはいえ、スタンドアローンでは利用できず、バッテリーも非搭載。先述のように利用できるスマートフォンも限られており、iOSには非対応で、SamsungのExynos搭載機種も利用できません。

VIVE Flow

ちなみに、今回はGalaxy Z Flip 3で利用していたのですが、Pixel 6は非対応でした。対応スマートフォンは公式サイトで確認できます。

VIVE Flow

にもかかわらず、価格はOculus Quest 2の1.5倍以上の6万円というのは、少々を手を出しづらいです。その点だけが非常に残念ではありますが、機会があればぜひお手軽VRを体験して欲しいと思います。


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