映画『ブラックパンサー』の監督ライアン・クーグラー率いる制作会社 Proximity Media とディズニーが、5年間の独占テレビ番組制作契約を結んだことを明らかにしました。
クーグラーは『ブラックパンサー』の母国であるワカンダ王国を舞台にしたドラマシリーズをDisney+向けに制作するほか、マーベル・シネマティック・ユニバース作品を含む複数のプロジェクトを手掛ける予定です。
ライアン・クーグラーは1986年カリフォルニア生まれの若手監督。脚本も執筆した初長編の『Fruitvale Station』(フルートベール駅で)で注目を浴びたのち、長編二作目の『クリード』ではみずからの原案・脚本でシルベスター・スタローンにロッキー役の再演を承諾させ興行収入1億7000万ドル超のヒットを記録しました。
三作目の『ブラックパンサー』では監督・共同脚本を担当。世界累計興行収入13億ドル超という映画史レベルの成功と同時に、スーパーヒーロー映画で初のアカデミー作品賞ノミネート・三部門受賞など批評家からも絶賛に高い評価を受けています。
クーグラーは劇場映画として『ブラックパンサーII』の脚本・監督を担当することが決定しており、今回のディズニーとの発表では『ブラックパンサー』の世界について、劇場映画2作品の監督・脚本を担当した本人がさらに大きなスケールで物語を展開してゆくことが確定しました。
『ブラックパンサー』(2018)といえば、主人公ティ・チャラを演じた俳優チャドウィック・ボーズマンが、闘病の末2020年8月に43歳の若さで亡くなったニュースがファンに大きな衝撃を与えたのも記憶に新しいところです。
ボーズマンは2016年に大腸がんの診断を受けたのち、2017年の『マーシャル 法廷を変えた男』、2018年のブラックパンサーと『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』、2020年のネトフリ映画『Da 5 Bloods』と映画出演を続けていましたが、闘病中であることは監督のクーグラーもマーベルのプロデューサー ケビン・ファイギも把握しておらず、続編の脚本もボーズマン逝去の前にすでに書き進められていました。
クーグラーは『ブラックパンサーII』について、ボーズマンが演じた前作主人公ティ・チャラ役に別の俳優をあてないことを表明しています。
ドラマシリーズはティ・チャラの一族が統治してきた超文明国ワカンダを舞台にする以外、時代設定や配役等はまったく不明。『ブラックパンサー』はワカンダの国王が代々継承してきた設定ですが、ドラマシリーズにブラックパンサーが登場するのか、どの時代の誰なのかもまだ分かりません。
いまのところ2022年公開予定の『ブラックパンサーII』は、クーグラー監督が複数の映画とドラマシリーズにまたがるワカンダの物語についてどのような構想で挑むのかが注目点になりそうです。
Black Panther Ryan Coogler 5-year exclusive Disney TV Deal Proximity Media – Deadline