WF-1000XM4

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前編:ソニー好きが「WF-1000XM4」をレビュー、前モデルから全方位で進化(くんこく)


WF-1000XM4」最大のトピックは、ソニーの左右独立ヘッドフォンとして初めて「LDAC(エルダック)」を搭載したことでしょう。

SBC(伝送帯域)の約3倍にもなる情報量で音源を転送できる点が売りのBluetoothの対応コーデック。もともとソニーが開発した規格で、ハイエンドなワイヤレスヘッドホンやスピーカーに積極的に搭載されてきたという背景があるだけに、左右独立タイプのイヤホンへの搭載が実現したことは感慨深いものがあります。

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また、圧縮音源のサンプリング周波数とビットレートを最大96kHz/24bitまでアップスケーリングする「DSEE HX」は、「DSEE Extreme」へと進化。曲の個々の要素を動的に認識して、圧縮で失われた高音域を復元して、より豊かで完成度の高い視聴体験を味わえるというものです。

実際に利用するかどうかはシチュエーションや使う人の好みによるところもありますが、選択肢としてないのとあるのとではまるっきり違います。そういった意味でも、「WF-1000XM3」とは一線を画したと言ってもいいのでないでしょうか。

WF-1000XM4

実際に聴いてみると、「WF-1000XM3」よりも明らかに音質が向上しています。

これは中に搭載している「統合プロセッサーV1」というチップのS/N比の改善やドライバーユニットの改良といった2年越しの着実な進化によるもの。左右独立型だしこれくらいだろうという期待値を超えて、積極的に使いたいと思える仕上がりになっています。

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そしてノイズキャンセリングの性能について、「統合プロセッサーV1」による処理性能アップによるノイズキャンセリングの精度が上がったこともありますが、前述した「ノイズアイソレーションイヤーピース」の密閉性の高さもあって、装着した時点でかなりの余計な雑音を防いでくれています。

実際に装着していると、空調の音はもちろん、室内に存在するノイジーな音がほとんどといっていいほど消え去ります。

いったんその静寂に慣れたあとに、イヤホンを取り外すと、世の中にはこんなに雑音があるのかと改めて思うほど。

本来であれば出張時の飛行機や新幹線などで味わいたいところですが、筆者の環境ではまだじっくりと試せてはいません。一方で、カフェというかある程度の人混みなどで会話している人の声についてですが、かなり抑えられているように思いますがある程度は聞こえてきます。

当然ながら全くの無音というわけではありません。ですが、ノイズキャンセリング特有にありがちな耳が圧迫される不快感もなく、これほどまでの静けさを手に入れられるのであれば納得のレベルです。

WF-1000XM4

また、「WF-1000XM3」で気になっていた、ノイズキャンセリングまわりの機能があちこち改善されています。

ノイズキャンセリング時に風切り音が逆にノイジーになってしまう問題については、「自動風ノイズ低減」機能により強風になるとフォワードマイクが自動でオフにしてくれるようになりました。

イヤホンを耳からとりはずさなくても周囲の音をひろって会話をする(外音取り込み)場合でも、その取り込んだ音がマイクで集音しているのがありありとわかる不自然な音ではなく、自然な聞こえ方になり、おもわずこれはいい!と思ったほどです。書くと大した事ではないように思えるのですが、実際に使ってみると感動の度合いは大きいです。

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ハンズフリーで話したときのマイクの集音性についても改善しています。

「WF-1000XM3」では、静かなところならまだしも、騒がしいところで会話すると通話相手からうまく聞きとれないと指摘されることもしばしばありました。

「WH-1000XM4」で通話をしてみると、聞き返される事もないのでお互いにストレスなく会話ができるようになりました。

昨今では、テレワークでビデオチャット用のヘッドセットとしても使う機会が多くなっただけに、こうした部分のテコ入れもおおきな前進といえます。

WF-1000XM4

自分が声を出して話しだすと、スマホで再生している音楽を停止して外の音を取り込み会話ができる連携(スピーク・トゥ・チャット)がまた便利です。声の振動を加速度センサーが検知しているおかげか不意に発動してしまうこともなく、ヘッドセットをつけたまま手が離せないときに便利に話せます。会話が終われば、ノイズキャンセリングと音楽の再生が自動的に再開します。

タッチセンサーを触れることなく「OK Google」や「Alexa」といった音声での起動もできるようになりました。スマホも取り出さず、イヤホンにも触れることなく、声だけでノイズキャンセリングのオンオフや外音取り込みや、バッテリー残量といった設定の確認も声でコントロールできます。

今までの違和感が取り除かれたことや、両手が開放された快適さも合わさって、もう元(WF-1000XM3)に戻れない体になってしまいました。

WF-1000XM4

他にも、スマートフォンやオーディオプレーヤーとの接続は、左右同時に転送かつBluetoothを受信する最適化されたアンテナ構造となって接続性がさらに安定したようです。

ですが、筆者の環境ではそこまで電波が混信する過酷な状況に追い込まれたことがなく、「WF-1000X」の酷い音途切れから「WF-1000XM3」で随分されたという感覚からすると、試用期間もまだ短く、どれほど向上したのかはわかりかねています。

動画視聴に関しては、口元と音がズレて気持ち悪いという事もなく違和感なく楽しめるレベル。

ただし、音のタイミングがシビアに反映するゲームについては別の話。

音ゲーに至っては一瞬の遅延がスコアの命取りになため、素直に有線ヘッドホンを使うのが確実だと思われます。

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4年間待ち続けて、ついに搭載された待望のLDACや「DSEE Extreme」に加え、そこだけにとどまらない音質の良さ。ノイズキャンセリングの静寂さはもちろん、普段使いとして利用するときに感じる不便さを改善しています。

耳だけで支えるのは不安だという思いすらよぎらないほどに装着性も良くなって、防滴性能も備えてまさに死角なしといっても過言ではありません。

あえて言うならば、iPhoneとAirPods /AirPods Proの親和性の高さについては、まだ割り込むに至ってないなというのは正直に思うところでもあります。

それでも高いノイズキャンセリング性能と音質の良さなど、「WH-1000XM4」は、左右独立型のワイヤレスヘッドセットとしてはかなり満足度の高い出来栄えではないかと思います。

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