3月3日、SpaceXの大型ロケット兼宇宙船StarshipのSN10プロトタイプは、高度10kmの浮上試験を実施。前回のSN9では失敗して大爆発におわった地上への着陸に再び臨みました。結果は着陸はうまくいったかに見えましたが、その数分後に爆発を起こして木っ端微塵になるという、相変わらず派手な結末に終わりました。
SN10が爆発した翌日、SpaceXのイーロン・マスクCEOは着陸がソフトランディングとまでは行かず、ややぎこちなかったとツイート、着陸時約10m/sで地面に接した衝撃で「着陸脚とスカートの一部が破損した」と述べました。
確かに映像でそのシーンを観てみると、機体がわずかにバウンドしていて、機体下部からは炎があらぬ方向に噴いてやや速度が速かったようにも思えます。また着陸後の機体はわずかに傾いていました。マスク氏いわく、こうなった原因は、燃料の問題が発生してヘリウムが燃焼ガスに流入し、おそらく着陸燃焼時の推力が不十分だったとマスク氏は述べています。
SN10 engine was low on thrust due (probably) to partial helium ingestion from fuel header tank. Impact of 10m/s crushed legs & part of skirt. Multiple fixes in work for SN11.
— Elon Musk (@elonmusk) March 9, 2021
ただ、ヘリウムの流入はSN8で発生した爆発を抑えるため、CH4タンクに追加した加圧システムによって発生した発生したとNASASpaceflightのChrisBergin氏は指摘しました。
Fair point. If autogenous pressurization had been used, CH4 bubbles would most likely have reverted to liquid.
— Elon Musk (@elonmusk) March 9, 2021
Helium in header was used to prevent ullage collapse from slosh, which happened in prior flight. My fault for approving. Sounded good at the time.
無事に見えたか野着陸から数分後、大爆発に終わったSN10ですが、マスクCEOはそれに凹むこともなく「SN11に向けて複数の修正を行っている」ことを明かしています。
次の試験機となるStarship SN11は、すでにテキサス州ボカチカにあるSpaceXの施設内でその姿を現しており、SN10と同様の上昇試験を行うと考えられます。SN9からすでに3度の失敗を経ているため、次こそは見事な着陸を見せてほしいところです。
Source:Cnet