Windows 11

先日発表されたWindows 11のシステム最小要件が公表されましたが、記事執筆時点では全てのインテルチップ搭載Macにインストールできないことが明らかとなりました。

MSが新たに公表した情報によると、Windows 11をインストールできるシステム最小要件は次の通りです。

  • プロセッサ 1 GHz以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip (SoC)

  • メモリ 4 GB RAM

  • ストレージ 64 GB 以上の記憶装置

  • システム ファームウェア UEFI、セキュア ブート対応

  • TPM トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0

  • グラフィックス カード DirectX 12 以上 (WDDM 2.0 ドライバー) に対応

  • ディスプレイ 対角サイズ 9 インチ以上で 8 ビット カラーの高解像度 (720p) ディスプレイ

このうちTPMとは、セキュリティに関する各種機能を備えたデバイスないしはチップのこと。暗号化キーやDRM管理などにも関わり、iPhoneやMacでいうところのセキュアエンクレーブに近い役割を果たすものです。

そしてTPM2.0は、一部のMacに搭載されたプロセッサではサポートされているものの、マザーボードではサポートされていません。そのため他のハードウェア要件を満たしていても、TPM2.0がないためにWindows 11がインストールできない、というわけです。そのことは、MSが用意した「PC正常性チェックアプリ(このページ内の「アプリをダウンロード」から入手可能)を実行することでも確認できます。

こうした「他の要件を満たしながら、TPM2.0がないためWindows 11が実行できない」(CPUレベルでTPM2.0に対応)Macの一覧は次の通りです。

  • MacBook(Retina、12インチ、2017)

  • MacBook Air (13インチ、2017)

  • MacBook Pro (15インチ、2016)

  • MacBook Pro(13インチ、2016、Thunderbolt 3ポートを4つ搭載)

  • MacBook Pro(13インチ、2016、Thunderbolt 3ポート2つ搭載)

  • Mac mini(2018)

  • iMac Pro(2017)

  • iMac(Retina 5K、27インチ、2017)

  • iMac(Retina 4K、21.5インチ、2017)

  • iMac(21.5インチ、2017)

  • Mac Pro(2019)

これらMacは理論上は、マザーボードのファームウェアを更新すればTPM2.0が有効にでき、Windows 11も動くはず。しかしアップルは2年かけてインテルMacから自社開発のAppleシリコン搭載Macに移行する最中であり、そこに労力を掛けることはあり得ないとも思われます。

しかし、米AppleInsiderによれば、カスタムISOファイルを作れば、TPM 2.0の制限は回避できるとのことです。なぜかMSの公式発表前からWindows 11のISOファイルが流出していましたが、それを手動で編集することで、上記の最小要件を満たすMacであればインストールできるとの趣旨が述べられています。

Windows 11
AppleInsider

必要なものはWindows 11の最小システム要件を満たすMac、Windows 10のISOとWindows 11のISOおよび任意のISOファイル作成アプリです。カスタムISOファイルを作ってインテルMacにインストールするまでの道のりは以下の通りです。

TPM2.0要件を回避できるWindows 11 ISOファイルを作る

  1. DiskImageMounter を使用して Windows 11 ISO ファイルをマウントする

  2. インストールメディアの内容を、デスクトップ上の新しいフォルダにコピーする

  3. Windows 11 ISOファイルをアンマウントする

  4. DiskImageMounterを使用して、Windows 10のインストールイメージを開く

  5. 「sources」フォルダを開く

  6. 「Install.wim」をデスクトップにコピーする。

  7. Windows 10のISOファイルをアンマウントする

  8. 右クリックメニューの「情報を見る」で「Install.wim」の拡張子を編集する

  9. 「名前と拡張子」を選択し、ファイル名を「Install.esd」に変更する

  10. 先ほどのWindows 11 ISOのコンテンツが入った新しいフォルダを開く

  11. 「sources」フォルダを開く

  12. そこにある「Install.esd」ファイルを削除する

  13. 修正した新しい「Install.esd」ファイルを「source」フォルダに移動する

  14. ISOファイル作成アプリでWindows 11フォルダをISOファイルに変換する

Boot CampでカスタムISOファイルからWindows 11をインストールする

  1. Boot Campを開く

  2. カスタムISOファイルを「ISOイメージ 」として選択する

  3. 「インストール」をクリックする

以上の手順を踏めば、Boot Camp経由でWindows 11のインストーラーが実行されるはずです。

とはいえ、今後のアップデートによりインストールが中断されたり、MSが公式リリース前にTPM 2.0のチェックを強化する可能性もあり、確実という保証はどこにもありません。さらに言えば流出したISOファイルは入手すべきでもなく、「こういう可能性もある」ことを頭の片隅に留めておくのが賢明かもしれません。

Source:AppleInsider,Microsoft