アップルが開催中の開発者会議WWDC 2021にて、次期iPad向けOS『iPadOS 15』がプレビューされました。

スケジュールに関しては、一般ユーザー向けへの提供は「今秋」の予定。開発者プレビューは本日から提供を開始し、公開ベータ版は7月の予定です。

アップグレード可能なiPhoneの機種は、iPadOS 14と同じ。無印iPadは第5世代以降、mini系はiPad mini 4以降、Air系はiPad Air 2以降で、Pro系は全機種対応となります。

タイミング的にはついに、というより「やはり」という更新ですが、今回はハードウェア側がM1搭載モデルにまで強化されたことから、機能強化に関してもこれまで以上に積極的なもの。

とくにiPad Proユーザーから強化の望まれていたマルチタスク機能は、ハードウェア強化に合わせるかのごとく、さらに柔軟に。機能紹介では、画面左右に加えて中央に3つ目の画面を開いた状態も可能になるなど、よりスピーディな操作を可能としています(上画面ではメール一覧を左に、そのプレビューを中央に、メモを右に表示しています)。


マルチタスク機能の操作に関しても、アプリの上部にフロート表示される専用メニューによりSplit ViewやSlide Overモードに移行できるなど、操作方法もよりスムーズに改良。アップル側は「より直感的になった」とアピール。

加えて、macOSなどでの画面最小化ウィンドウに相当する『シェルフ』も新登場。タスク一覧からのドラッグ&ドロップ操作でSplit View表示に移行できるなど、より柔軟な操作が可能となっています。

さらに外付けキーボードを併用する場合には、(ついに)ショートカットキーでのマルチタスク関連操作が可能に。アプリ切り替えなどが本体のみに比べてもさらにスムーズに行えます。


さらにホーム画面でもアプリアイコンとウィジェットの混在レイアウトなど、大きな画面をより活用できるように強化。

iOSのアプリライブラリも導入されたため、導入したアプリの自動整理機能も使えるようになりました。

また従来はiOSのみだった標準アプリという点で見逃せないのが、『翻訳』アプリが導入された点。iPadの利点である大きな画面を活かせる画面モード『対面ビュー』では、会話する2人がiPadを挟んで向かい合った際、相手の翻訳したセリフを自分の側から見られる……という便利なレイアウトとなっています。

iPadならではのApple Pencil対応という点では、強化されたメモアプリ『Quick Note』が目玉に。小さなウィンドウ的に表示が可能なQuick Noteは、他のアプリ状態を問わずに表示できるため、メモが必要な時にはいつでも利用可能に。強力なタグによる分類や検索機能も備えます。

さらに当然ながら、iOS 15で導入された強化点も継承。

とくにビデオ会議機能『FaceTime Link』やオンライン上映会(視聴会)機能『SharePlay』を搭載した新生FaceTimeは、画面の大きなiPadの利点を活かせるアプリともなっています。

iOS 15発表。iPhone 6s以降対応で今秋配信。標準アプリや通知など機能強化に重点

もちろん、強化されたSafariも搭載。iOS 15と同じく、Web機能拡張が”解禁”されたため、従来は不可能だった高度なカスタマイズが可能となっています。

ここに関しては、(より処理速度やRAM面での余裕がある)iPad Proユーザーにとっては、本体性能をより活かせるようになったという点で嬉しい強化ではないでしょうか。

そして、同時に発表された新macOS Montereyと合わせて使える機能『Universal Control』も注目できるもの。

これはいわゆる”キーボードとマウスの共有”機能で、接続したMac側のマウスとキーボードがiPad側でも共有でき、さらにファイルのドラッグ&ドロップ操作なども横断的に行えるというもの。

iPad側で描いたApple Pencilの手書き図形なども共有可能なため「図面をスケッチし、それを Mac で Keynote スライドに配置するのに最適」とも紹介されています。

次期macOS「Monterey」発表。iPadとキーボードやマウスを共有できる「Universal Control」が目玉機能


このほかにiOS 15で導入された新機能は、もちろんiPadOS 15でも継承。通知を自動で仕分け、まとめる『Notification Summary』機能や、『写真』や『マップ』といった主な標準アプリで強化された機能も使えます。当然ながら、iOS 15でのプライバシー保護機能の強化も継承されています。


このようにiPadOS 15は、iOS 15と歩調を合わせた標準アプリの強化に加えて、とくにiPad Proユーザーから要望の多かったマルチタスク機能の強化を図るなど「よりiPadらしいOS」とも呼べそうな強化が目立つ存在。

マルチタスク機能に関しては実際の使い勝手が非常に気になるところですが、操作系統の見直しなどに関しては順当な強化とも呼べるところ。一方でOS全体を見た場合、マルチタスク機能の強化が操作系の複雑化を招いているのでは、といった懸案もあります。

しかしいずれにせよ、実際の使い勝手はかなり変わりそうなだけに、一度使ってみたくなるバージョンアップとなることには間違いありません。

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Source:iPadOS 15プレビュー公式ページ(英語版)