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Arisa Iida

写真が好き! カメラが好き! となってくると、だんだん気になってくるのが、いわゆる「オールドレンズ」ではないでしょうか。フィルムカメラ時代に作られた昔のレンズのことですが、もちろん現代のデジタルカメラに装着して使うことができます。新しいレンズでは出せない柔らかさが表現できたり、思わぬフレアやボケが出せたりして、そういう偶然の産物も含めてレンズ個体の楽しさを味わえるんですよね。

なんとなくイヤな予感(つまり、ハマッたら抜け出せなくなりそうな沼の予感)がして、私は「オールドレンズの世界にだけには行きますまい......」と思っていたのですが、ついに手を出してしまいました(笑)。

きっかけは、知り合いのFacebook投稿でした。「こんなレンズが家にあったから」という理由で、ソニーのカメラに装着している写真がアップされていたのです。

投稿によれば、「Super Takumar」というレンズらしい。つい気になって、調べてしまいました。すると「オールドレンズの入門としてド定番」みたいな位置付けのレンズというではありませんか。PENTAXのレンズで、1960年代から作られていたそうです。いかにもオールドな感じの柔らかい写りや、フレアやゴーストなんかを盛大に使ったファンタジックな写真の作例もいろいろ出てきました。

しかもお安い...。え、オールドレンズって、こんなにお安いの? と、衝撃。貴重で高いものだと思っていたんです。

そこからはもう、ヤフオクの森を彷徨い歩いておりました...。だって、愛機である富士フイルムのX-Pro3との相性もよさそうじゃないですか。装着しただけでも絶対にかっこいい。ちなみに、PENTAXのこのレンズはM42マウントという規格で、そのままでは富士フイルムのXマウントには使えません。マウントアダプターがあるので、それを噛ませます。私はAmazonでK&F Conceptのアダプターを購入しました。

色々目を通すうちに定番として人気があるのは、「Super Takumar F.1.8 55mm」らしいというのもわかりました。ただそれだと、APS-C機であるX-Pro3に装着すると、換算82mmくらいになってしまいますね。さすがにもう少し広角にしたいなぁと思い、私が最初に選んだのは「F1.4 50mm」です。明るい方がうれしいし。5000円くらいで、とても綺麗な状態のものが買えました。でもそれはよく調べたら、「Super-Multi-Coated Takumar」というものでした。コーティングがしてあるので、Super Takumarよりも、もうすこし現代風な写りになると言われるレンズです。

とはいえそれでも、まったく現代のレンズとは違った、ふんわり感のある写真がいきなり撮れました。富士フイルムのフィルムシミュレーションの効果とあいまって、どこか懐かしい柔らかなテクスチュアの、でも感度のいい現代のカメラとのコラボレーションによって精細さもある、不思議な写真が撮れるのです。明るさが1.4あるというのは強いです。このレンズが作られていた当時のフィルムカメラでは、なかなか綺麗には写せなかったであろう、雨の薄暗い日のしっとりした雰囲気などが、今のカメラでいい感じに撮れるのはちょっぴりシュール。

X-Pro3 K&F Concept マウントアダプター

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そして楽しいのが、マニュアルでフォーカスを合わせていくところ。じわじわとピントを合わせるだけですが、被写体との対話の時間がゆっくりと流れます。ささっと撮れるAFもいいけれど、ちょっと手間のかかるその一枚に気持ちが乗っていくようで、撮影の時間そのものが素敵。

調子にのって(?)もう少し広角の「F.3.5 28mm」も買ってみました。こちらも「Super-Multi-Coated Takumar」です。あまり明るくはないのですが、外で撮影するには十分です。より精細な写りのするレンズでした。

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でもやっぱり、人気の「F1.8 50mm」が気になります(すでにエンドレス...)。購入してみたのですが、またしても「Super Takumar」ではなくて、年代的には少し古い「Auto-Takumar」でした。後期型のようで、ほとんど「Super Takumar」と同じらしいです。これがやはりまた、ふんわりとした良い味わいの写りです。特別な場所に撮影散歩に行かなくても、そこらへんの花壇のお花も秘密の花園になってしまうような、ときに官能的(!)にすら写ってしまうので、ドキドキしてしまいます。

ただの団地の花壇が、秘密の花園風に。富士フイルムのカメラのフィルムシミュレーションとのコラボで、いい感じに仕上がります。
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お花が妙に艶かしく写るんですよね。これを撮ったときには「エロい!エモい!」と一人でコーフンしてしまいました(笑)
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音楽でもハイレゾ音源の解像度高いものをずっと聴いていると、個人的には聴き疲れを起こしてしまい、アナログ・レコードを聴いてほっとしたりしています。それとどこか同じような感覚で、オールドレンズで撮影し、撮れた写真を愛でるひとときは、カメラライフにどこか安らぎを与えてくれています。

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カリッとしすぎない、ちょうどいい精細感。
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このどこか懐かしい色味がたまりません...。
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あえてこうしたボワっとした写真を撮りたくなるのもオールドレンズならではですね。
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初老犬を撮影。
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X-Pro3 K&F Concept マウントアダプター