Xbox Cloud Gaming
Microsoft

マイクロソフトは、スマートフォンやブラウザで最新世代 Xbox のゲームが遊べる Xbox Cloud Gamingを10月1日から国内向けに提供します。

当初の対応タイトルは、定額遊び放題サービス Xbox Game Pass のカタログから100本以上。Xbox Series X|S本体がなくても外出先でも、スマートフォンやタブレット、ゲーミングではないPCのブラウザなどから全く同じゲームを、ダウンロードもインストールも不要ですぐに遊べるようになります。

 

Xbox Cloud Gaming
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Xbox クラウドゲーミング (旧称 Project xCloud) は、ゲームをクラウド側で動かして映像としてストリーミングする技術。原理としては誰かが配信しているゲーム実況を、手元のコントローラやタッチ操作で動かすような仕組みです。

ゲーム自体はクラウドのサーバで動くため、スマホでも貧弱なノートPCでも、動画が見られる程度のデバイスならば最新世代ゲーム機とまったく同じものが遊べることが利点。

ダウンロードもインストールもしないため待ち時間がなくいきなり始められることや、セーブデータはクラウド同期なので家ではゲーム機のローカル実行、出先ではクラウドゲーミングで続きのように使い分けられることも利点です。

クラウドゲームの仕組み自体は新しいものではなく、ソニーはPC向けストリーミングゲームサービスを買収して PlayStation Now を長らく提供しているほか、Nintendo Switchでも本体で動かすには荷が重いゲームをクラウド版としてプレイ時間課金で販売している例があります。

逆に制約としては、コントローラの入力がインターネット経由でクラウドに届き、反応がまたネット経由でストリーミングされるため原理的に遅延があること、高画質で遊ぶにはデータ通信量も動画サービスと同様に消費することなど。

日本市場に(また)本気で取り組む姿勢をアピールするマイクロソフトだけに、今回の国内向けサービス開始についても日本向けの動画を制作しています。登場するのはドラクエや龍が如く、スカーレットネクサスなど国内パブリッシャーのゲームが多数。

コントローラを問わず遊べることをアピールするため、わざとらしくPlayStation 4のデュアルショックが出てくるのも注目です。

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日本国内で長らく展開していたベータテストを触った印象は、

  • 当然ながら、ネット環境によって評価が極端に変わる。遊ぶ場所や回線によって、何だこりゃまったくゲームにならん!から、え、全然普通に遊べるんだけど?まで。

    おそらくサービス開始後も、同じPCゲームを要件以下の非力なPCで無理やりカクカクに動かした感想と、本来想定したゲーミングPCで遊んだ感想くらい違った反応があると思われます。(あまりにも遅い場合は警告がでますが)。

  • クラウドゲーミングに向くゲーム、向かないゲームはやってみないと分からない

    これはPlayStation Now やリモートプレイも同様。漠然とアクションや反射神経が必要なゲームは遅延するから無理、ターンベース戦闘のRPGやストラテジー、ノベルゲームやパズル程度じゃないの、と思いがちですが、「プレイ感覚として激しいアクションのゲーム」と「実際に入力遅延がシビアに影響するゲーム」は必ずしもイコールでないため。

    アクションゲームでも、純粋に反射神経テストのようなゲームは遅延の影響を大きく受けるため不向きですが、様々な遅延削減の技術が功を奏しているのか、実際にプレイしてみると多少ずれていてもまるで分からなかったり、遊んでいるうちに目と脳が調整して慣れてしまうこともあります。
    (クラウドゲームにおける遅延とは性質が違う部分もありますが、遅延が絶対に許されないゲームの代表格のような対戦FPSも、実際はネット環境が現在とは比較にならないほどひどかった時代に発達したため、プレーヤーからは違和感なく遊べるようにしつつ、判定などで大きなネット遅延を隠蔽することが大きな技術テーマでした)

    逆にシングルプレイでターンベースの静的なゲームでも、マップを高速にスクロールしたりカーソルをキャラクターにあわせる簡単な操作が一瞬の遅延でピッタリ止まらず猛烈なストレスになることも。シンプルなメニュー操作でさえ、望みの項目で決定したはずが一瞬遅れてとなりの項目にフォーカスが流れてしまうため、押しっぱなしで目で見て止めるかわりに項目を数えてチョン押し適応を迫られることも。

  • 適材適所。クラウドに向くゲーム・向かないゲームというより向く場面・向かない場面
    同じゲームでも、遅延がシビアな部分とそうでない部分、状況があるため、「クラウドに不向きなタイプのゲーム」でも全然困らない場面が意外と見つかります。
    たとえば初めて挑戦するステージや難度の高いボス戦、対戦は自宅のローカル動作で遊びつつ、何度も遊んでいるいわゆる周回や稼ぎ、オープンワールドゲームのサイドクエストやコレクション要素を外出中のスキマ時間にスマホで消化できることや、気の合う相手と場所を問わずcoopで遊べる選択肢があるのは実に便利です。

Xbox Cloud Gaming
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  • ダウンロード・インストール待ちがないのは圧倒的に楽。最近の大作ゲームは4K対応もあり100GB級が珍しくないため、タップすればすぐ始まるのは大きなアドバンテージ。遊び放題の Xbox Game Pass は、少しでも気になったゲームを軽率に試せること、値段分の価値があるか?や本当に継続して遊ぶか?を一切考えず未知のシリーズやジャンルに手を出せるのが大きな魅力ですが、ダウンロードに数十分や数時間かかったり、インストールスペースのやりくりを考えては気軽さが半減します。クラウドゲーミングならば大作も押した瞬間に起動。実際はクラウド側の前処理と起動で接続まで多少待ちますが。

    (一方で、クラウド上に自分専用のインスタンスを永続確保できるわけではないため、Xbox Series X|Sの魅力である、前回遊んでいた瞬間から始まる「クイックレジューム」は使えません。Nintendo SwitchやPS5でゲームを切り替えたときと同様、ゲーム会社のロゴやスプラッシュを待って「前回の続き」を選ぶことになります。Xbox Series X|Sに慣れるとこの時間が苦痛。)

  • タッチ操作は「一応遊べる」。外付けのコントローラを使わなくても、画面にボタンが表示されて遊べるタッチ対応ゲームが数十本あり、常に増えています。なかにはタッチで問題ないゲームもあるものの、やはりスマホネイティブなゲームとは違いコントローラを前提とした作品が多いため、あくまでコントローラがないとき、持ち歩いていないとき用の印象でした。

    ただこれも、スマホのスライド操作で対戦FPSを遊ぶのが当たり前のプレーヤーにとってはまた違うかもしれません。

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Xboxクラウドゲーミングのタッチ操作は単純にXboxコントローラのバーチャルキーが表示されるのではなく、ゲームごとに(いちおう)最適化されている(場合もある)ことがポイント。移動やジャンプ、攻撃などがそのままアイコンになっていたり、ものによっては押しやすい組み合わせや配置になっています。

さらに一部のゲームでは、仮想コントローラではなくゲーム画面のアイコンやUIを直接タップできるレベルの最適化も。こうしたタイトルはスマホネイティブ同様に遊べます。

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iPhoneのSafariでSkyrimをプレイ。

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こちらは MacのブラウザでXbox 360のあつまれ!ピニャータ。

Xbox クラウドゲーミングは国内で10月1日より、定額サービス Xbox Game Pass の全部入りプラン Xbox Game Pass Ultimate会員向けの機能として提供します。Ultimateは Xboxゲーム機向け・PC向けの遊び放題と、オンライン対戦のマッチング等がセットになったプラン。

月額1100円は本国米国より安く、また遊べるゲームの数から非常にバリューがあることは確かですが、クラウドでしか遊ばない層にとっては、XboxやPC向けの通常の遊び放題がある意味過剰でもあります。

マイクロソフトはクラウドゲーミングのさらなる拡大を目指し、スマートテレビへのXboxアプリ組み込みや、Chromecastのように安価なクラウド専用デバイス、新たな料金プランなどに取り組んでいると伝えられますが、現時点でそうした新しい施策の発表はありません。

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