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ヨドバシカメラなどの量販店のテレビコーナーを見ると、あたかも70インチ超えの大型テレビが一般的なサイズであるかのような展示がされています。某ショップでは「小型テレビのコーナーはこちら」のPOPで案内しているのが40インチ級のテレビ。34インチのプロフィール・プロが憧れだった過去を思い出し、時代は変わったものだなあと遠い目をしてしまいそうになります。

確かに大画面がもたらすインパクトは極大です。映画やゲームへの没入感は強烈で、ひな壇バラエティもミュージックライブかと思えるくらいにリアリティたっぷり。グルメ系コンテンツを見た日には、飯テロすぎてぐぅ、とお腹がなってしまうほどです。

しかし、いざ大型テレビを自宅に置こうと考えると搬入動線の確保や、設置場所にある家具を他の場所に持っていくためのテトリスじみた移動プランを考えるだけで「うん!やめた!」と諦めモチベーションばかりが高まってしまう方もいるでしょう。

それでも大画面を求めたいなら。超短焦点プロジェクターという選択肢はいかがでしょうか。

約21cmの投影距離で100インチとなるAURA

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AURAはXGIMI製の4Kプロジェクターです。サイズは幅606x奥行き401x高さ139.5ミリ、重さ14.93キロという大型サイズですが、超短焦点レンズを使っているために狭い部屋でも大画面が得られるモデルです。

白壁やスクリーンといった投影面までの距離が10.9センチで80インチ、20.9センチで100インチ、44.1センチで150インチというサイズでの投影が可能。投影位置の高さは微調整しかできないので、投影面の場所に合わせた高さの台を用意しなければなりませんが、天井吊りする必要はありません。投影面の側に設置することから視聴位置からは離れており、冷却ファンの音も気にならないというメリットがあります。

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入力解像度、投影解像度は共に4K UHD・HDR10に対応。DLP方式で光源はレーザー、明るさは2400ANSIルーメンとなっています。リフレッシュレートはフレーム補間技術であるMEMCを用いることで60Hzに対応しており、FPSゲームのようは激しい動きでなければシャープな映像を見せてくれます。

電源を入れているときに本体の上部に近づくとセンサーが検知して、自動的に光が消える安全機能も装備。興味津々な子供がいる家庭でも安心して使うことができます。

レーザー光源の寿命は2万5000時間。1日4時間の視聴で約17年間、8時間の視聴で約9年の利用が可能です。

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AURAの全面はメッシュで覆われています。いかにもサウンドバーといった風合いですが、事実、ここにはスピーカーが組み込まれています。

ハーマンカードンの手によるツイーター/ウーファーの2wayスピーカーで、各ドライバーは15Wのアンプで駆動します。dts、ドルビーオーディオに対応し、サラウンド音声・空間オーディオ音声だけではなく2チャンネル音声もサラウンドサウンドバーで聴いているような音の広がりを体感できます。

映像も音声もカバーできるオールインワンな4Kプロジェクター。実際のクオリティはどうでしょうか。

2400ルーメンといえど室内は暗くするべき

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今回の撮影にあたり、サンワサプライの床置き式80インチスクリーン・PRS-Y80HDをお借りしました。収納時のサイズは長さ1905×幅126ミリとコンパクト。壁寄せ設置もしやすく、4.5畳のような狭いスペースでもプロジェクターによる大画面が得られやすいスクリーンです。

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セッティングも簡単です。スクリーンについたフックを持ち上げ、背面に指すポールにひっかけるだけ。ポールの長さを変えることで高さ調節も行えます。

なお超短焦点プロジェクターには対応していないモデルではありますが、 これは巻き上げ式や床置き式(ロールアップ式)スクリーンの大半にいえること。超短焦点プロジェクターは超近距離から投影するプロジェクターゆえ、スクリーンのわずかな歪みが大きな歪みであるかのように見えてしまうのです。

超短焦点プロジェクターに対応したロールタイプのスクリーンもありますが、側面をピーンと張るサイドテンション機構が必須の高級モデルで、20万円超えが相場なんですよね。大きくて重いし、ちょーっと、手を出すには覚悟が必要です。

しかしスクリーン全域を使おうとはせず、一回り小さい範囲に映像を映し出すようにセッティングすれば、2~4万円のロールスクリーンでもさほど気になりません。

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まずは室内の電灯をつけた状態から見てみましょう。残念ながら、コントラスト比はかなり低い。何が映っているのかは判断できますが、没入感は得られません。

プロジェクターの明るさは、投影サイズが大きくなればなるほど薄く、暗くなってしまいます。スクリーンにベタづきにすればコントラスト比を改善できるでしょうが、それでは大画面のメリットがなくなります。

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結論からいってしまうと、AURAの2400ルーメンという明るさは外光が差し込む昼間や電灯をつけている室内で使うにはスペック不足です。明るい室内でもキリッとした映像を映し出せるプロジェクターは5000ルーメン超えのモデルが大半ですから、明るければ明るいほど時間を関係なく使えるということがわかります。

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では室内の電気を落とせばどうでしょうか。今度はAURAがポテンシャルを発揮してきました。

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黒い部分に手をかざすとスクリーンに薄く影ができるほどの黒浮きは確認できますが、明るい部分の色表現が豊かで気になりません。天吊り式など、投影面から離れた位置に設置しなければならないプロジェクターと比較すると画質面で振りと言われることがある超短焦点プロジェクタですが、AURAに限っていえばレーザー光源のDLP方式ゆえのカチッとした描写ではあるものの、遜色のない美しい映像が楽しめると言えます。

部屋をある程度は暗くする必要がある以上、食事中にニュースやバラエティ番組を見るといった使い方には適しませんが、食後のゆったりした時間帯に映画やドラマを見たり、ゲームをするのが目的の人であれば、AURAの価値は高まります。4K UHD対応の超短焦点プロジェクタでありながら29万9860円という低価格なモデルなのですから。

台形補正機能が手動というのが、ちょっと残念ですけどね。

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サウンドは、お世辞抜きに良いと思えるクオリティですね。高域はシャープで、低域の量もあるから、ミュージックライブ映像も満足して見ることができます。その上で中域の存在感が強めなので、映画やドラマを見たときのセリフが滑舌がいいように感じられます。

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Android TV 10を搭載し、Androidアプリならプレーヤいらずで表示可能。ChromecastでPCやスマホの映像ワイヤレス表示、HDMIも3ポートあるからブルーレイレコーダーと接続してTVチューナーや光学メディアの映像も映し出せます。スピーカーを別途用意しなくても、大画面プロジェクションを楽しめる超短焦点4Kプロジェクタ、コンパクトスペースでも大画面を得るための近道デバイスといえます。

関連リンク:

XGMI AURA(+Style)

PRS-Y80HD(サンワサプライ)

※初出時著者名に誤りがございました。