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日本でスマートフォンを買うときに個人間売買が可能なメルカリなどを使う人も多いでしょう。香港在住の筆者も同様です。新型コロナウイルスの影響で海外、特に中国・深センの電脳街に気軽に行けなくなった今、中国版メルカリと呼べる閑魚(Xianyu、シャンユー)にはまりまくっています。ちなみに今年3月、メルカリはこの閑魚と提携。いずれ両国の不用品が国を超えて買えるようになりそうです。

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閑魚ではシャオミやOPPOなどの最新スマートフォンも定価より安く売っていることもありますが、中国で最新製品を買うときにこうしたサービスを使わないほうがいいと思います。なぜなら大手ECサイト、JD(京東)やTmall(天猫)のほうがトラブル時の対応もしっかりしていますし、メーカーの公式ストアもあるためです。また海外クレジットカードを使うこともできます。

筆者は閑魚で変態スマホやノベルティーグッズを購入しています。最近では変態スマホをあまり見かけませんが、約10年前には変なギミックを搭載した変態スマホがよく出ていたのです。

中国では海外メーカーのスマートフォンを生産し、それが横流しされて国内で販売されたり、あるいは海外から訳あり品を大量に輸入して改造して国内で使う、といったことが日常的でした。そして閑魚のおかげで家やお店(問屋や倉庫なども)に眠っていた「お宝」が売られるようになったわけです。

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変態スマホの例。ASUSのPadFoneシリーズは専用ディスプレイの裏にスマホを合体させると、タブレットになった。この手の中古品が閑魚で買える

閑魚は個人だけでなく個人商店も出品できます。不用品というより小口取引代わりに閑魚を使っているわけです。また中古品専門店も数多くあるのです。そんな店舗の中には「BlackBerry専門」「10年前のケータイ専門」など、マニア心をくすぐる店もあります。そして商品を見ていると必ず関連製品も表示されますが、ユーザーの嗜好判断をしっかり判別しており、欲しいものが次々と出てきて飽きません。時には「こんなものもあったのか!」と驚くものも見つかったりします。価格を見ると日本円で10万円以上のものもありますが、それだけレア品ということですね。

なお閑魚のWeb版は終了し、アプリ版のみが提供されています。

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閑魚のアプリ

スマートフォン・携帯電話を1700台以上集めた筆者は、メジャーな製品を所有していますが、初代iPhoneなど持っていないものもまだ多くあるのです。これまではeBayで探していましたが、その手の古いものはあまり出回っていないため探すのに苦労しました。

ところが閑魚を見るとその初代iPhoneが大量に出品されているのです。もちろん中古品。またもともとはAT&T向けでロックもかかっていますから、中国で中身が改造されたものばかり。とはいえ箱付きのものがあったり良い状態のものもあるようで、いつかはコレクション用の1台を入手できそうな気がします。

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閑魚アプリで「初代iPhone」を検索。多数ヒットする。本体の程度はまちまちだ

閑魚は外国人でも使えますが、支払いはAlipayのみなのでAlipayアカウントと人民元の入金が必要です。また基本的に海外への発送はできませんが、転送サービスを使えば海外に送れます。あとはアプリの操作を覚えるのはもちろんですが、メニューや商品の説明文が漢字であることから中国語力が必要です。

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タブレット画面での表示(左)。ちなみに映画「マトリックス2」のサムスンケータイは9500元(約16万円)。右のノキアの試作スマホは11199.99元(約19万円)

また質問や交渉の際も英語は基本的に使えませんので、細かいことを気にする人にも向いていないかも。「発送はいつになりますか?」とか「箱に傷はありますか?」なんてことも筆者は確認すらしません(そもそも箱の傷を気にするという習慣がありません)。なにがあっても最後はダメ元でいろいろと買っていますが、いまのところ大きなトラブルはありません。

「中国だから怪しいのでは?」という心配はご無用。なぜなら個人信用システムと閑魚の利用は紐づいており、なおかつ本人確認は厳密なので、詐欺を働くのも難しくなっているためです。出品者の名前のそばにも中国大手の個人信用システム「芝麻信用」(ゴマ信用)のレベルが簡易的に表示されています。

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芝麻信用スコアがよい、と書かれている。モザイクをかけたが自己紹介の文章も信用の参考になる

ということで筆者が閑魚で買った古いスマホをいくつか紹介します。もちろん今となっては使い道はありませんが、どうしてもコレクションしておきたかったものたちです。今のスマートフォンにはない楽しい機能がありますよ。

LG Doubleplay:2011年のアメリカT-Mobile向けのスマートフォン。本体をスライドさせるとQWERTYキーボードが現れ、その中央にサブディスプレイも搭載されています。LG WINGの先祖と言えるような機能を10年以上も前に実現していたのです。

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LG Doubleplay。2011年の古いスマホだ

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LG Doubleplayは本体をスライドさせるとQWERTYキーボードとサブディスプレイが現れる

Samsung DoubleTime:こちらも「Double」の名前が付きますが、同じく2011年にアメリカAT&T向けに出したもの。横開き式で、閉じるとスマートフォン、開くとQWERTYキーボードが現れ、メインディスプレイの裏側のディスプレイ(解像度はどちらも同じ)を使うことができます。つまりディスプレイが両面になっているのです。

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DoubleTimeも古いスマホ。閉じた姿は普通だ

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DoubleTimeを開くと内側にもディスプレイがあり、QWERTYキーボードが出てくる

LG AKA:2015年の製品。スライド式のカバーはフロント面を完全に覆いませんが、空いた部分に目玉の表示がされ本体を振ったりすると表情が変わります。本体カラーは4色あり、4色ごとにそのキャラクターや表示される眼の表情が異なります。さらにキャラクターに合わせたフィギュアも同梱され、カメラを通すと画面内でキャラクターが動くというAR的機能も持っています。

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スマホにキャラクターを持たせたLGのAKA。フロントにスリーブ式のケースをつけると、上の開いる部分の液晶に目が表示される

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4色あるAKAそれぞれにフィギュアが付属。カメラを通して遊べるAR機能が利用できる

愛国者A8:2010年、中国向け。ベースは台湾のデジカメ大手ODMメーカーのAltekが出した「Leo」で、当時としては画期的な1400万画素、沈胴式の3倍望遠カメラを搭載。アルミボディーも高級感があります。そのLeoを中国国内では当時国産デジカメメーカーとして大手だった愛国者が「カメラスマホ」としてA8という名前で販売したもの。

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中国国産デジカメメーカーの愛国者が、台湾カメラODMメーカーAltekのスマホを自社ブランドでリリース

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aigoは愛国者のブランド。1400万画素の沈胴式レンズを搭載

この原稿を書いている間にも、別件で3件ほど閑魚で買ったものが中国国内を移動中です。筆者はなるべく「閑魚での買い物は週に1回だけ」としているのですが、思わぬ出会いがあるとついつい追加であれこれ買ってしまいます。

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中国ECサイトは物流のトラッキングも完璧

さて閑魚ではノベルティーグッズやギフト品も買えます。スマートフォンを買ったらメーカーロゴ入りのマグカップがもらえる、なんてキャンペーンを中国ではよくやっています。しかしグッズのためにスマートフォンを買うのも大変です。でも大丈夫。閑魚を見ると様々なおまけが出品されています。

ちなみに筆者は今、realmeのネコ型キャラクター「realmeow」にはまっています。公式の人形はマレーシア経由で購入したのですが、中国ではお正月にスマートフォンの購入者に小型なrealmeow人形(などのセット)が配られました。検索したらいくつか出品されていたので買ってしまいました。価格は日本円で6000円以上でしたが、なかなか入手できない品だけに満足しています。

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realmeのお正月ノベルティーグッズ。ネコ型キャラ「realmeow」の小型フィギュア(中央)が欲しかった

日本のメルカリで珍しいものが見つかるように、中国の閑魚も“レア品の宝庫”なのです。自分がまだ所有していない名機や変態端末を入手するために、閑魚でのお買い物は当分の間やめられそうにありません。