Xiaomi
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大型イメージセンサ搭載のハイエンドスマホ Mi 11 Ultra や、人気スマートリストバンドの新型 Mi Smart Band 6 が話題のXiaomi は、本国中国向けにはマルチデバイス対応のワイヤレス充電パッドも発表しています。

「小米多線圏無線快充板」、シャオミ マルチコイル ワイヤレス急速充電パッドは、同時に三台までのデバイスを急速充電できる幅広の充電パッド。

Qi などの無線(無接点)充電方式は位置合わせがずれると途端に効率が落ちたり、充電できなかったりする問題がありますが、Xiaomi はこの充電パッドならばただ適当に置くだけで急速充電できると豪語します。

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仕組みは製品名にもなっている「マルチコイル」構造。計19個ものコイルを配置し、置かれたデバイスの位置によって制御することで、位置合わせ不要かつ3台までの同時充電に対応します。

「どこに置いても大丈夫」な無線充電パッドといえば、Qi 規格の策定にも関わったパナソニックが、ちょうど10年前に「フリーポジショニング充電」を売りにした「チャージパッド」を発売していました。

Panasonic Charge Pad
Panasonic

パナソニック製チャージパッドのフリーポジショニングはコイルが物理的に動いて端末にあわせる「ムービングコイル方式」で、同時充電はできないものの、1台の充電が終わるとコイルが移動して2台目を充電する「予約充電」なる仕組みで2台まで置きっぱなし充電に対応していました。

小米が新しいマルチコイル充電パッドの発表で「モーターの音もしない」と言及していたのは、コイルが動く方式ではないこと(可動部分がないこと)を強調した発言です。

(パナソニックのムービングコイルも滅びたわけではなく、2020年にはトヨタ・クラウンの車載充電トレイに、スマートフォンのサイズを問わず、振動で動いても追従する製品を提供しています。)

Senior Vice President of Worldwide Marketing at Apple Philip Schiller introduces AirPower, a wireless charging system, during a media event at Apple's new headquarters in Cupertino, California on September 12, 2017.  / AFP PHOTO / Josh Edelson        (Photo credit should read JOSH EDELSON/AFP/Getty Images)
AFP/Getty Images

「マルチデバイス」で「位置合わせ不要」な無線充電パッドといえば、アップルも2017年に、小米の新製品と似たような形状の「AirPower」を発表していました。

こちらは iPhone や AirPods ケースだけでなく Apple Watch も充電できる、アップル製品ユーザーにとっては聖杯のような製品でしたが、2019年になってから「努力の末、AirPowerは我々の高い要求水準を満たすことはできないと結論を下し、プロジェクトを中止しました」と開発中止を宣言しています。

アップル純正ワイヤレス充電マットAirPower、正式に発売中止。「わが社の高い要求水準を満たせなかった」

非公式な「関係者によると」ソースでは、解決できなかった課題は熱管理、デバイス間通信、充電用コイルの干渉など。

AirPowerは20個以上のコイルを内蔵する構造だったと伝えられていますが、小米も発表では熱問題の解決とコイルの計算された配置に長い開発期間が必要だったと語っています。

アップルは「どこに置いても」から方針を転換し、iPhone 12からは強力な磁石で位置を固定する MagSafe を導入しました。充電パッドとしては MagSafe の iPhone も、それ以外の AirPodsケースなど Qi 対応製品も充電できる MagSafeワイヤレス充電器を発売しています。(AirPowerの実現にあたり課題となったと伝えられる Apple Watch には非対応ですが)。

小米のマルチコイル・マルチデバイス急速充電パッドの仕様は一台につき20W出力、三台で合計60W。価格は599人民元 (約1万円)。

アップルが実現できなかったマルチコイル・マルチデバイスの充電パッドを、Apple Watch対応が不要とはいえ小米が製品化に成功したことになりますが、実使用上の充電性能や、苦労したという熱問題がどこまで解決できているかは実際の製品が出てから。アップル的には「あの水準では我が社では出さない」と言えることは言えます。

なお小米は独自規格の無線充電を含め充電テクノロジー自体に積極的で、新型スマホ向けのシングルデバイス用ワイヤレス充電スタンドでは80Wという超出力を実現しているほか、部屋のどこに置いても、手に持って歩いても充電できる本物のワイヤレス空間充電技術「Air Charger Technology」も技術デモとして発表しています。

Xiaomi Mi Air Charge Technology
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数メートル先にリモート充電できるMiエアチャージ技術、シャオミが発表。144個のアンテナアレイで狙い撃ち