NTTドコモとauが5月末の発売を予定しているソニーモバイルコミュニケーションズ製の5G対応スマートフォン「Xperia 1 II」。秒間20コマの高速撮影に対応し、新たなカメラアプリ「Photography Pro」が用意されたほか、ワイヤレス充電機能やイヤホン端子の復活など、これまでの欠点を補うかのように進化しています。
開発時の苦労やこだわりについて、Xperia 1 II の商品企画を担当したソニーモバイルコミュニケーションズの渡邊浩彰氏、大谷祥子氏、商品設計部門システム設計部の池田有基氏、 ソニーブランドデザインプラットフォームクリエイティブセンターアートディレクターの日比啓太氏の計4名にオンラインでインタビューしました。
ディスプレイは90Hz相当の残像低減技術を搭載 設定すれば常に有効
──90Hz相当の残像低減技術を搭載したワケを教えて下さい。
渡邊氏:本体はリフレッシュレートが60Hzのディスプレイを搭載してますが、90Hzディスプレイ相当の残像低減技術は、映像を視聴している際に、有機ELが発光するタイミングで電圧を強くかけます。これにより、映像の切り替わりを素早く行うことになります。
これまでの場合ですと、たとえば発光命令を出しても黒から白に切り替わるときにグレーに見えてしまう、といった問題がありました。Xperia 1 II は90Hzディスプレイを同等の残像低減を実現しています。
▲ソニーモバイルコミュニケーションズ 企画部 渡邊浩彰氏
──90Hz相当の駆動はどんな時に有効ですか?
渡邊氏:新たに設定に「残像低減設定」項目を追加しており、これを有効にすることで、いかなる場合においても、常に90Hz相当の残像低減が動作するような仕様です。具体的には、動画再生時の他に画像やウェブサイトの閲覧時(画面のスクロールなど)にも有効になります。
▲Xperia 1 II の画質設定には「残像低減設定」という項目が追加された
こだわりの21:9比率と4K有機ELパネル
──21:9比率を引き続き採用していますが、やはり Xperia 1 ユーザーからの評価は高かったのでしょうか?
渡邊氏:そうですね。2019年発売の Xperia 1 にシネマワイドディスプレイを新規で採用しましたが、その結果として、ユーザーさんの購入の決めてとなりました。また、21:9の比率に関しましても、購入理由のベスト3にランクインするなど、ディスプレイを意識した回答が多くありました。購入後に関しましても7〜8割がディスプレイ性能に満足したと回答されています。
また、ユーザーさんからの回答の他にも、画面に表示される内容やコンテンツが見やすいことや、握り心地などを総合的に考慮した結果、この比率を引き続き採用するに至りました。ただし、21:9比率に対応しないコンテンツは両端に黒帯が出ることもあります。
▲Xperia 1 II は21:9比率の4K有機ELディスプレイを搭載
──Xperia 1 の発売時は21:9比率に対応するアプリが少なかったと記憶しております。
渡邊氏:こちらについては、多くの方々が21:9比率のコンテンツを試されていることは把握しておりますが、ソニーモバイル側から具体的な数字などは公表できません。ただ、Netflixなどを含む一部のシネマコンテンツにおいては50%以上が21:9比率に対応していることを確認しております。
──新たに21:9比率に対応したゲームアプリはありますか?
渡邊氏:もちろんです。ゲームにおいても、新たにアクションシューティングの「Call of Duty Mobile(コールオブデューティモバイル)」や、ドリフトスピードレースの「爆走ドリフターズ」などが、21:9比率に対応しています。
すべての対応アプリをここでお伝えすることは難しいですが、2019年(Xperia 1 発売当初)に比べると、順調に増えています。
──今回も Xperia 1 と同様に4K有機ELパネルを搭載していますが、やはりユーザーから高評価だったということでしょうか?
渡邊氏:世の中にもYouTubeなど4Kコンテンツが増えてきております。また、動画撮影性能としてもカメラアプリおよびCinema Proで4K撮影を行えるため、撮影した映像をそのままのクオリティで楽しんでいただくために4K有機ELを引き続き採用いたしました。
──4K解像度ですと電池持ちへの影響はないのでしょうか。
渡邊氏:おっしゃるように、そう感じられる方も多いと認識しています。ですが、電池持ちへの影響については、4000mAhのバッテリーを積んでいますので、日常ユースとしては全く問題ないと考えております。
──今回も開発にあたりソニー厚木テクノロジーセンターの方々と連携されたのでしょうか?
渡邊氏:はい。ソニーは神奈川県・厚木に「ソニー厚木テクノロジーセンター」という技術開発拠点を持っております。300万円以上もする高価なマスターモニターなどを手がけているチームと共に、今後、広く業界で使われることが見込まれる最新のマスターモニターを使い、Xperia 1 II のディスプレイをチューニングしております。
印刷写真の色味を Xperia 1 II でも確認可能に
──他に Xperia 1 II ならではの新機能があれば教えてください。
渡邊氏:ディスプレイに関しましては、この他にも、新機能として標準光源や色温度からホワイトバランスを選択できる項目を追加しております。具体的には、ホワイトポイントをD55やD65といった数値に設定することで、印刷した写真の色味を Xperia 1 II のディスプレイでも忠実に再現できる、というものです。
──これは正にプロユースを想定した機能ですね。
渡邊氏:そうですね。一般ユーザーが使うというよりも、プロのカメラマンが Xperia 1 II で撮影した写真(印刷後)の色味を印刷前に Xperia 1 II のディスプレイで確認してもらう、といったユースケースを想定しております。ソニー製のカメラ「α」シリーズなどを使っているような、プロのユーザーさんでも満足できるようなディスプレイ性能に仕上げております。
他社は光学性能を重視する傾向に、高速撮影機能でデジカメらしさをアピール
──ZEISS(ツァイス)のレンズを採用されたのはなぜですか?
渡邊氏:Xperia 1 II のカメラレンズは、ZEISSと共同開発しました。特徴は、階調、色再現、透明感、ボケ味など、被写体の微細な質感を忠実に再現できることです。
▲Xperia 1 II の背面カメラはZEISSレンズを採用
また、「ZEISS」ロゴの後ろに「T*(ティースター)」のロゴがありますが、これはレンズに施したコーディングを意味しています。画質の低下につながるフレアやゴーストなどを最小限に抑えて、クリアな描写を実現することができます。
──秒間20コマの高速撮影も売りの1つですね。
大谷氏:他社が光学性能に重視する傾向にあるなかで、ソニー(プロ用のカメラ)らしさを全面に押し出すためにも、Xperiaのカメラ機能は特にアピールしたい部分の1つです。
Xperia 1 II の開発当初から、スピード性能が高いセンサーの選定を行ってきました。画素や性能のバランスを考慮し、約1200万画素かつ「Dual PD」センサーを選定しております。ただし、Dual PDは16mmと24mmのみで、70mmはPDとなります。
▲ソニーモバイルコミュニケーションズ 企画部 大谷祥子氏
──Dual PDとPDはそれぞれ、どのような構造や役割を持ちますか?
大谷氏:PDAF(位相差AF)とは、レンズから入った光を2つに分けて専用のセンサーへ導き、結像した2つの画像の間隔からピントの方向と量を判断する方式であり、これにより高速にピント合わせを行うことができます。
PDセンサーは位相差でAFを合わせる位相差画素の密度がセンサー全体の5%に対し、Dual PDセンサーは位相差画素の密度100%。つまり全ての画素が位相差AFセンサーとして機能します。これによりPDセンサーよりも、より一層高速・高精度なAFを実現しています。
──高速撮影やピント合わせに大きく関わる部分のようですね。
大谷氏:おっしゃるように「世界初AFAE追従最高20コマ/秒の高速連写」を代表とするカメラの高速性能を Xperia 1 II でも実現するために、Dual PDとPDセンサーを選定しています。
先ほど説明したとおり、Dual PDセンサーにより、高速・高精度なAFを狙うことが可能になります。ただ、これ以上高画素になると、センサーの読み出し速度が犠牲になり、高速撮影や高速AFが我々が期待するレベルに到達できない可能性が高くなります。
──3つのカメラを約1200万画素に統一されたのも納得です。
大谷氏:もちろん上記だけが「約1200万画素に統一した理由」とは限りません。約1200万画素あれば一般的なディスプレイ使用のモニターサイズではもちろん、A4サイズの印刷品質としても十分だと考えております。
さらに付け加えますと、3つカメラレンズの画素数を約1200万画素に統一したことで、倍率を変えることで画像サイズまで変わってしまう、ということを防ぐことが可能です。
──イメージセンサーが大型化することでどのようなメリットがありますか?
大谷氏:1/1.7インチの大型センサーを搭載しておりますので、より多くの光を取り込むことができます。薄暗いシーンにおいても素早く被写体を認識できます。受光量は Xperia 1 比で1.5倍に向上しています。
アップデートで追加する「Photography Pro」でカメラがさらに進化
──アップデートで追加する独自カメラアプリ「Photography Pro」はユーザーからの注目度が高いと思います。
大谷氏:Photography Pro は、ソニー製カメラ「α」シリーズをお使いのプロユーザーの意見をもとに、ユーザービリティの向上に努めてまいりました。
写真を撮る際のワークフロー、カメラの持ち方から、一つ一つの細かい設定値に至るまで、大小さまざまなフィードバックをもらいながら、彼らに受け入れられ使用感に納得いただくものを提供できるよう検討してまいりました。
特に、Nick Didlickさんや、Bob Martinさんなどの巨匠のカメラマンの方々にも20fps連写の機能や瞳AFなどを実際に使っていただき、いただいたフィードバックをもとに機能改善につなげております。
また、これまでに発売されたXperiaは、スマートフォンを使用する上で十分なカメラ性能に留めていました。一方、Xperia 1 II では、カメラ性能を単純に引き上げるだけでなく、カメラ好きの人たちに受け入れられる機能や操作性を追求しております。
──標準カメラアプリと「Photography Pro」の違いを教えてください。
大谷氏:「Photography Pro」を標準カメラアプリと比較すると、ユーザーが自身で変更できる設定値が格段に増えており、シャッタースピードや露出の変更など、細かなマニュアル設定が可能である点も「Photography Pro」のみの特徴となります。また、撮影環境での光の色による影響を補正するホワイトバランスについても、プリセットを豊富に用意しています。
▲Photography Pro
UIだけでなく機能についても標準カメラアプリと「Photography Pro」では異なります。例えば20コマ/秒のAF/AE追従高速連写や、リアルタイム瞳AF/動物瞳AFは「Photography Pro」のみの対応となっております。
──「Photography Pro」を早く使ってみたいです。リリースにはソフトウェアアップデートにて対応とありますが、アップデートまでは、別のアプリで写真撮影機能を使うことは可能でしょうか?
大谷氏:アップデートをするまでは「標準カメラアプリ」でのみ使用できる状態で、アップデート後に標準のカメラアプリ、もしくは Photography Pro のどちらかを選択できるようになります。
──動画撮影では「スーパースローモーション撮影」に対応しない理由を教えてください。
大谷氏:Xperia 1 II の動画性能はシネマトグラファーを代表とする映像クリエイターに向けて作っています。
実際に映画を作っている監督やカメラマンに「Cinema Pro」のヒアリングを行う中で、映像作品として4~5倍のスロー表現が非常によく使われるということがわかりました。
960fpsですと、長時間スロー撮影が行えないデメリットもあるため、120fps(2K解像度での撮影)あれば十分という判断に至りました。
▲Cinematography Pro
ご参考までにこちらが全編「Cinematography Pro」でショートフィルムを撮影した際の映像です。この時はスローモーション機能が搭載されていなかったので使われていませんが、7:03~くらいのシーンで実際はスローを使いたかったと動画のクリエイターの方が話されていました。
360 Reality Audio は将来に期待......
──Xperiaにソニー独自の立体音響技術「360 Reality Audio」が搭載、と聞いたときは驚きました。
池田氏:ありがとうございます。こちらは、Xperia 1 II がハイエンドの機種でもあると同時に、ソニーグループが持つ技術を積極的に搭載したいという思いから、360 Reality Audio を搭載するに至りました。
360 Reality Audio は元々は13チャンネル以上のマルチスピーカーを使うサラウンド技術として開発されましたが、その体験をスマートフォンの2チャンネルで仮想的に再現しています。
有線イヤホンに加えて、ワイヤレスヘッドホンやワイヤレスイヤホンでの視聴に対応しますが、スピーカーは発売時点で非対応ですので引き続き検討していきます。
ただ、注意点として、国内では「360 Reality Audio」を提供するサービサーがおりません。このため、Xperia 1 II を購入後、すぐに「360 Reality Audio」を体験できないことをご了承ください。
──使ってみたい機能の1つでしたが......海外では対応するサービスはありますか?
池田氏:欧米などでは、Amazon Music HD、TIDAL(タイダル)、Deezer(ディーザー)といったストリーミングサービスが、Mark Ronson(マーク・ロンソン)、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)などのコンテンツ約1000曲を 360 Reality Audio に対応するフォーマットで順次配信しています。
▲ソニーモバイルコミュニケーションズ 商品設計部門 システム設計部 池田有基氏
イヤホンジャック復活の理由
──3.5mmイヤホンジャックの復活はかなり嬉しいですね。
池田氏:3.5mmイヤホンジャックは、「Xperia XZ2」のときに非搭載と判断しました。この理由としては、デザイン性の向上が優先度として高かったのと、ワイヤレスが普及していたからです。
Xperia 1 II に3.5mmイヤホンジャックを搭載した理由は、Xperia 1 から続く「好きを極める人達へスマホを届ける」という思いは今回(Xperia 1 II)も同じであること。これに加えて、エンターテインメントコンテンツの視聴やゲームプレイ時などを含めて、必要不可欠な存在だと判断したためです。
▲Xperia 1 II は3.5mmのイヤホンジャックを搭載
風切り音の除去も可能に。驚異的な進化を遂げたのはカメラだけではない
──スピーカーの音質は改善していますか?
池田氏:もちろん、たくさんあります。まず、スピーカーの部品は新しいものを使っていることです。ここで注目していただきたいのはスピーカーの向きです。
Xperia 1 のスピーカーは、片方がフロント(ユーザー側)を向いて、もう片方が横を向いていました。左右バランス良く聴こえるようにソフトウェアで処理していましたが限界はありました。
一方、Xperia 1 II のスピーカーは左右どちらもフロントを向いており、左右のスピーカーから音がバランス良く聴こえるようにしています。ステレオスピーカーをフロントに戻すのは、画面占有率という観点では不利に働いてしまいます。この設計はかなり苦労しました。
▲Xperia 1 II のフロントステレオスピーカー
──スピーカーの向きは聴こえ方に左右する部分ですよね。
池田氏:そうですね。スピーカー方向の他にも、キャビネットの容積を大きくしたり、よりパワフルなアンプを搭載している点もポイントです。
──音の聴こえ方について他に何か工夫されたことがあれば教えてください。
池田氏:Xperia 1 では、ドルビーアトモスにおいてソニーピクチャーズと音作りをしていましたが、Xperia 1 II はそれに加えてソニーミュージック(第一線で活躍されている方々)と一緒にベースとなるオーディオチューニングを施しています。
ボーカルや楽器の位置関係(定位)が正しいこともポイントです。Xperia 1 II のスピーカーを通して音楽を聴いていただければ、定位感が正しいこと(クリエイターが意図した位置から音が聴こえる)がお分かり頂けるかと思います。
──動画撮影時に風音などのノイズ音が一緒に記録されてしまいます。このあたりは改善されていますか?
池田氏:もちろん改善しています。実は、録画・録音時にマイクが拾ってしまう、風音(かざおと)などの余計なノイズをソフトウェアで除去する機能を取り入れています。風切り音除去は、「Cinema Pro」「標準カメラアプリ」「サードパーティ製の録画・録音アプリ(アプリの仕様によって非対応の場合もあり)」が対応しています。
なぜミリ波に非対応なのか
──Xperia 1 II はミリ波に対応しません。なぜでしょうか?
渡邊氏:5Gの電波は「サブ6」と「ミリ波」の大きく2つにわかれますが、サブ6は障害物でも回り込んで届く特性を持ち、ミリ波は直進性が高い一方で障害物に弱いという特性があります。
Xperia 1 II はコンシューマ向けの商品ですので、サブ6のみの対応で十分であると判断しました。プロユースを想定した「Xperia PRO」ではサブ6とミリ波の両方に対応予定です。
▲Xperia PRO
5Gやワイヤレス充電に対応しながら、Xperia 1 よりも0.3mm薄型化に成功
──5G対応スマホですと、勝手ながらもう少し分厚くなると予想しておりました。
日比氏:細かい手法まではお伝えできませんが、もし仮に、Xperia 1 II が Xperia 1 からデザイン性を受け継いだだけの商品ですと、受け入れられないと思います。
しかし、Xperia 1 によって21:9比率が浸透したわけですから、そうした特徴は継承しつつ、大容量のバッテリーやワイヤレスチャージ、電源キー一体型の指紋センサー(認証率が高いもの)なども搭載しました。
▲ソニー ブランドデザインプラットフォーム クリエイティブセンター アートディレクター 日比啓太氏
厚みが増す要因となるオーディオジャックなどを搭載し、フルスペックを詰め込みながら、設計することは難題でしたが、基盤の設計から見直し、内部のパーツを含めてゼロベースで設計したことで、Xperia 1(厚さ8.2mm)から Xperia 1 II(厚さ7.9mm)に薄型化しています。
ソニーユーザーやファンが求めている商品に近づけられるように設計できたと自負しております。
また、熱対策についても、グラファイトシート(熱を拡散させるシート)のサイズを大幅に大型化し、配置の最適化を行っています。
──ワイヤレス充電機能の復活もうれしいですね。
日比氏:ワイヤレス充電(Qi)は、昨今のニーズを踏まえて採用しています。基板の効率化を行うことで、厚みを犠牲にせずとも薄型筐体を保ったまま、ワイヤレス充電機能を搭載できました。
1枚板のような見た目は素材選びも重要
──Xperia 1 II のパープルは Xperia 1 よりも薄く落ち着きのあるトーンの紫色ですよね。色についてのこだわりはありますか?
日比氏:Xperia 1 のパープルに関しましては「1」というネーミングの通り、「1から始まること」を強調する意味合いも込めて、青みがかった濃い紫を採用していました。
Xperia 1 II でも同じような色を採用する話はありましたが、カメラやオーディオ機能を含めて新しいことにチャレンジしていますので、色も新たに練り直しました。
近年、フラッグシップモデルで採用しているクローム調のカラー(ミラーのような)と赤みのあるパープルを融合させています。このため、環境光によっては、灰色や赤みが強かったり、あずき色、グレーに見えたりもします。
▲Xperia 1 II(左)と、Xperia 1(右) Xperia 1 II の背面は鏡面仕上げで、特にパープルはあずき色やグレーにも見える
──Xperiaのデザインはファンの間で「1枚の美しい板」とも称されてきましたが、美しくみえる理由は色の他にも素材選びも重要かと思います。
日比氏:Xperia 1 II は、強度の高いコーニング社の「Gorilla Glass 6」を使用しておりますが、特に背面は光の反射で鏡面感を強調したカラーのガラス素材を使用しております。
Xperiaの前面、背面、側面との一体感を生み出すため、パープル・ブラック・ホワイトの3色ともメタルフレームと背面の処理が異なります。
▲Xperia 1 II パープル、ブラック、ホワイト
パープルはメタルフレームは光の反射で鏡面感を強めるように、やや光沢のある仕上げにし、ブラックとホワイトについては、背面とメタルフレームの境目がわからないようデザインしています。
背面側と側面を合わせることは難しかったですが、特にホワイトのメタルフレームは金属の中でも極力、白さが残るようにして、背面には金属コーティングを施しています。
(訂正:2020/5/20 20:40)一部、実際の発言とは異なった記述がありましたので、訂正しお詫び申し上げます。
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