Xperia 1 III

今までと明らかに何かが違う。

そう感じたのは、日本時間の4月14日(水)のYouTubeのXperia公式チャネルで公開されたソニーのXperia新モデル予告動画からでした。

その前に背景を説明すると、2021年4月1日、今までXperiaシリーズを世に出していたソニーモバイルコミュニケーションズは、4社が統合されるかたちでソニーへと社名変更しました。

さて、その新しいXperiaの予告動画を見ると、ソニーの製品群との強い連携を示唆するもので、明らかに同社の技術が一体となってスマートフォンを作り出すぞという意図が感じられました。

ソニーエリクソン時代からモバイル製品を使い続けていた身としては、ここまで手厚くバックアップされたXperiaを見たのは初めてで、思わぬところで感動してしまいました。

Xperia 1 III

そして発表された「Xperia 1 III」「Xperia 5 III」(国内未定)「Xperia 10 III」。3ラインナップについて、それぞれ語りたいところですが、やはり大本命は、フラッグシップモデル「Xperia 1 III」でしょう。

従来であれば、2〜3月頃に海外で先行発表され、およそGW明けごろに国内キャリアが取り扱いを発表するのが、日本の通信業界のいつもの流れ。ですが、今回はそのパターンがついに崩れ去りました。グローバル発表と同日にNTTドコモ・KDDI・ソフトバンクも取り扱いを発表。これは筆者個人の意見ですが、スマートフォンを開発製造しているのはメーカーであり、これが本来の筋ではないかと思います。

Xperia 1 III

イメージセンサーは全てソニー製に

前置きが長くなりましたが、「Xperia 1 III」の驚くべきポイント。まず、本体の外観は「Xperia 1 II」と変わらないスタイリングでありながら、中身がごっそりと進化している点です。

背面にあるカメラは一見トリプルレンズに見えて、4つの焦点距離を持っています。焦点距離16mm(F2.2)の超広角レンズ、24mm(F1.7)の広角レンズに加えて、可変式望遠レンズを搭載。可変式望遠レンズは、その名のとおりレンズが動くことで、1つのレンズで70mm(F2.3)と105mm(F2.8)の2つの焦点距離の撮影ができるという仕組みです。

Xperia 1 III

そしてXperiaユーザーとして喜ぶべきは、この3つの有効画素数約1220万画素のイメージセンサーが全て「Exmor RS for mobile」となっていること。

「Xperia 1 」や「Xperia 1 II」では、トリプルカメラでありながら、自社のセンサーは1つのみで、残す2つのセンサーはなぜか他社製。あえてXperiaを選んだにもかかわらず、ソニークラスタからしてみればそれはないよ…と内心思っていたところだけに、「Xperia 1 III」はついにオールソニーセンサーとなったはじめてのモデルといえるでしょう。

もうこれだけで”買い”だと思えるほど。

Xperia 1 III

カメラ機能が”ガチ”の領域に

しかも、すべてのレンズにDual PD(デュアルフォトダイオード)センサーを搭載して、高速なオートフォーカス撮影が可能。焦点距離105mmの望遠レンズで遠くの被写体を追いかけるにしても、高速・高精度・高追従なコンティニュアスAFですばやくフォーカスをあわせて、AF/AE追随しながら20コマ/秒の高速連写できます。

Xperia 1 III

また、ソニーのデジタル一眼カメラαシリーズを使っているユーザーには認知されている、動体を高精度に追従し続ける「リアルタイムトラッキング」まで搭載。

これは、被写体を画面上でタッチするだけで、色、模様、距離情報などから認識をして被写体を高精度に自動追尾し続けるというもの。解説していることが、もはやガチカメラの領域で、ソニーらしいカメラの作りとなっています。

Xperia 1 III

静止画撮影用のアプリについては、昔から使われてきた「カメラアプリ」と「Photography Pro(フォトグラフィー プロ)」の2つが別々に存在していたものから1つに集約。

「Photography Pro」が主役の座を奪いました。いやそれは筆者たちのようなマニアユーザーには受けるかもしれないけれど、一般ユーザーおきざりになるんじゃないか?と思いましたがその心配も杞憂。

「プログラムオート(P)」「シャッタースピード優先(S)」「マニュアル露出(M)」「メモリーリコール(MR)」「オート(AUTO)」のモードダイヤルといった、デジタル一眼カメラユーザーの好む使い心地はそのまま。

「ベーシック(BASIC)」モードに切り替えることで、シンプルなカメラ撮影もできるようになっています。

しかも、かんたん操作の「ベーシック(BASIC)」モードでも、高いAF性能や高機能を生かしつつ気軽に撮影を楽しめるようになっているあたり、よく考えられてるなと感心してしまいます。

Xperia 1 III

一方で、動画撮影では、4K HDR動画撮影やなめらかな色階調表現を実現する10bit記録や、「CineAlta」で培ったノウハウを色相・画作りとして反映したLook、ドラマティックな表現ができる4K HDR 120コマ/秒のスローモーション撮影までできる「Cinema Pro」

こんなマニアックなアプリ使う人はいるのだろうか?と思ったのが2年前。

ところが今やシネマティック動画撮影はムーブメントとして間違いなくキテる事を思うと、先見の明があるのかなと思わざるを得ません。

ガチゲーマーが設計したとしか思えないゲーム機能

Xperia 1 III

約6.5インチの4K HDR 有機ELディスプレイ(3840×1644ピクセル)を搭載したシネマワイドディスプレイは、なんとリフレッシュレート120Hz駆動に対応。

ゲーミングスマホでは高いリフレッシュレートを謳う機種はありますが、4Kという超高精細で120Hzは世界初。

そのうえチューニングされた240Hzの残像低減技術や、240Hzのタッチスキャンレートまで備えているので、動きの速いFPSなどのゲームで明らかにくっきりなめらかに表示できてかつ、指の操作を素早く正確に読み取って思ったとおりの操作ができるあたり、ゲームプレイでのストレスははるかに軽減できます。

Xperia 1 III

「L-γレイザー」により、ゲーム内の暗い部分を明るく表示して隠れている敵や障害物を見つけやすくしたり、「オーディオイコライザー」で帯域ごとの音量調節することで、敵の足音や銃声など特定の音を際立たせるといったことができるなど、プチチート機能まで備えています。

120Hz駆動ディスプレイに合わせてなめらかなハイフレームレートの録画できたり、ボタンを押した約30秒前から録画する「RTレコード」機能も誰得なのかというくらい拘りっぷり。

これらの機能、どう考えても相当ゲームをやり込んでいる開発者でないとここまで作り込めないのでは?

Xperia 1 III

ウォークマンの流れを受け継ぐオーディオ機能

オーディオまわりでは、ハード的にはスピーカーの最大音圧と有線ヘッドホン使用時の最大音圧ともに、「Xperia 1 II」比で約40%向上。地味ながら使っていると直接恩恵を受けられる部分が堅実にアップデートしています。

今まさに盛り上がりをみせる新たな音楽体験「360 Reality Audio」についても、ヘッドホンで体験できるだけでなく本体のスピーカーでも楽しめたり、通常のステレオ音源を臨場感ある立体的な音場を疑似的に作り出す「360 Spatial Sound」に対応する点もXperiaが初。

ストリーミングサービスなどあらゆる圧縮音源をハイレゾ相当の高音質にアップスケーリングする「DSEE Ultimate™」も導入しています。

ウォークマンというソニーのオーディオプレーヤーよりも早くに新しい技術が投入されるようになったのも喜ばしいところです。

Xperia 1 III

驚くべきは、カラーリングがツヤツヤではなく、マットな処理を施してフロスト仕上げを採用してきたこと。

「Xperia 1 II」では、SIMフリーモデルの限定カラーとして登場した色がスタンダードとして扱われています。

そちら現在メインマシンとして使っている筆者としては、やっぱりこっちのほうがウケが良かったんじゃないか!という優越感とともに、これですっかり特別感がなくなってしまって追いつかれた感が入り混じって複雑な心境に。

さらに言えば、「Xperia 1III」のネットワークは、5G Sub6ならびにmmWave(ミリ波)の両対応。

カメラ機能からディスプレイ、オーディオ機能に至るまでが最新なのは当然として、まさかのついこの間まで先にミリ波対応を実現していたXperia PROにあっさり追いついてしまう始末。

こちらもまだ買って2ヶ月しか経ってないんですけどね…。

Xperia 1 III

トリプルカメラや21:9の縦長ディスプレイや、ソニーの技術を集結させた今あるXperiaの礎を築いた「Xperia 1」。その発売から丸2年経過してもそのコンセプトは引き継がれ、最新モデル「Xperia 1 III」もその基本ベースは変わらず。

他のメーカーにあるような斬新かつトリッキーな目新しさをXperiaに期待していた時期もありました。ですが、まったく真がブレることなく自社技術を集約させてくる質実剛健な路線となり、まさにその価値を理解するユーザーたちが買いたいと思えるモデルとなっているのだと思います。

かくゆう筆者も「Xperia 1 III」はドストライク。欲しさMAX。国内キャリア(docomo、au、SoftBank)から6月中旬以降に発売される「Xperia 1 III」ですが、できるなら同時それが叶わなくても出来る限り早いタイミングでSIMフリーモデルも販売して欲しいと願わずにはいられません。