5G ミリ波に対応した映像制作などプロフェッショナル向けと言われる「Xperia PRO(エクスペリア プロ)」(税別22万7091円。
HDMI入力端子があって外部入力できることが最大の魅力!とは言え、それだけだとただの激高い小型ディスプレイ兼スマホでしかなく。
もっと使い倒してやらないともったいなさすぎるので、オーディオプレーヤーとして使ってみようと思います。
Xperia PROは、プロフェッショナル仕様はいえ、Xperia 1 IIやXperia 5 IIと同じく、オーティオ系機能もきちんと搭載されています。
臨場感のある立体サウンドを再生できる「Dolby Atmos®」や、圧縮音源をハイレゾ相当の高音質に補完する「DSEE Ultimate」など、設定をみるとそのまま搭載されていることがわかります。
ただ、Xperia PROのスピーカー再生をしてみると、決してイイ音とは言い難いです。
Xperia 1 IIのスピーカーで聴いた場合では、音圧も低域もしっかり出ているし、広がりのある音で結構満足できていたのになぜ?
おそらく、Xperia PROのボディは電波を通すことを主眼においた樹脂素材になっていたりと、スピーカー再生の音質について考慮されてないのだと思われます。
それを補うアイテムとして、というか実際音楽を聴くとなればまずヘッドホンを使うもの。
一般に便利なヘッドホンといえば、ワイヤレスヘッドセットとなるけれど、この見た目に硬派なXperia PROに合わせるならプロ機にあわせるならプロ機でしょうと。
Xperia PROは、3.5mmオーディオジャックを搭載しており、有線ヘッドホンを変換ケーブルいらずの直接接続ができます。
そこで用意したのがスタジオモニターヘッドホン「MDR-M1ST」(税別3万1500円)。
おそらく誰もが一度は目にしたことがあるはずのプロ用スタジオモニターヘッドホン「MDR-CD900ST」の後継機種にあたるオーバーヘッドタイプのヘッドホン。
1995年からプロ用として使われ続けた「MDR-CD900ST」がハイレゾ対応したのが「MDR-M1ST」となります。
特徴としては、5Hzの低域から80,000Hzの超高域まで再現するハイレゾ音源に対応する密閉ダイナミック型ヘッドホンとして、広帯域の再生と広いダイナミックレンジと解像度の高い音を再現する直径40mmのドライバーユニットを搭載。
ハウジングは密閉型で、制振性に優れた樹脂を採用。
硬くて薄いイヤーパッドだった「MDR-CD900ST」から大きく改善され、低反発ウレタンフォームを立体的に縫製していて耳の周辺へのつけ心地は優しく、長時間の装着していても苦痛になりません。
このスタジオモニターヘッドホン「MDR-M1ST」は、ケーブルは片方出しタイプの脱着式。
付属のケーブルは約2.5mという長さがあり、接続する先は標準プラグとなっています。
もともと基本的な使いみちとして、スタジオの機材からの再生を目的として作られており、ポータブル機器との接続は想定されていません。
標準プラグを、ステレオミニプラグに変換することもできますが、ご覧の通りプラグ部分だけでこんなにも長くなってしまい。
これはどう考えても破損する未来しか見えません。
幸いなことに「MDR-M1ST」の着脱式の端子は4極の3.5mmプラグを採用しているので、別途3.5mmステレオミニプラグのヘッドホンケーブルを用意さえすれば、シンプルにXperia PROのヘッドホンジャックとつがぐことができます。
※ただし抜け防止のスクリューロックは効きません。
CDからリッピングしたり、ハイレゾ音源をダウンロード購入した音楽データなど、さすが512GBもあるストレージ容量のおかげでXperia PROのなかにたくさん保存できます。
また、いまや当たり前の音楽聴き放題サービスについても、「Amazon Music HD」や「mora qualitas」などでは、ハイレゾ音源を用意するなど高音質ストリーミングとして聴けてしまう世の中。
高音質で楽しめる音源がそこいらじゅうにあります。
「MDR-M1ST」とXperia PROへ有線接続することで、左右の音の混ざりのより少ないステレオ感の鮮明度や、高域のキレといい低域の持ち上がりなど、間近に迫るボーカルや楽器がの全体像を感じながら音楽を楽しめます。
しかも、装着したヘッドホンのアタリと遮音性、ドライバーからの適度な耳の距離感で音に包まれた感もあって、リスニング用のヘッドホンとしても快適。
あえてワイヤレスヘッドセットを使わず、行動の制限がかかる有線接続のヘッドホンを使うことこそ味わえる醍醐味もあるというもの。
ただし、さんざん持ち上げておきながら言うのもアレですが、プロフェッショナル仕様だからこそのハマる罠(注意点)もあります。
Xperia PROは、筐体サイズが大きいうえに本体を守るべきケースというものが世の中にまず存在していません。
裸運用がデフォルト。
しかもメーカー保証1年はあるものの、故障や水濡れ、全損に対応するソニーストアの「Xperia ケアプラン」はプロ機ということで対象外。
「MDR-M1ST」にいたっては、無償修理期間すらなく、すべて有償での修理対応となります。
なんとも外出して使うには勇気のいるスマホとヘッドホンの組み合わせ。
この有線接続かつ万が一あった場合はすべて自己責任となるという、今の時代と逆行した万人向けしなさすぎる使い方ですが、こうしたキワモノな使い方をするのも一興ではないかなと思います。