Xperia PRO

思い起こせば2020年2月の終わり、5G ミリ波に対応した映像制作などプロフェッショナル向けモデルを開発中として「Xperia PRO」がその姿を現しました。

HDMIの入力端子を搭載して、デジタル一眼カメラやカムコーダーのモニターとして利用できるぞ!とテンションMAXになりまだかまだかと待ちわびることおよそ1年。いつまでたっても発売される気配もなく、すっかり忘れかけたこのタイミングで発売されました。

遅い、遅すぎるよ!と突っ込まずにいられませんでしたが、プロフェッショナル向けだからこそ5Gを含めた安定性を重視した結果なのでしょう。

他のスマホにはない魅力的すぎる機能があるのだと言い聞かせて、25万円というXperia 1 IIの2台分に相当する「Xperia PRO」を買ってみました。

Xperia PRO

さて、真っ先に試したかったHDMI端子による外部入力。「Xperia PRO」の本体の底面に、HDMI入力端子を装備。キャップレスではなく蓋付き。その隣にみえるUSB C端子はそのまま露出。蓋のツメをひっかけてはずすと、Micro HDMI端子が現れます。カメラに備わるHDMI出力から「Xperia PRO」へ、HDMIケーブル1本で接続できるというシンプルさがいいですね。

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実は「Xperia 1 II / Xperia 5 II」のアップデートによりUVC変換アダプターを介することで、外部入力が実現。なんと、「Xperia PRO」を手にするよりも前にひと足お先に外部モニター化を「Xperia 1 II / Xperia 5 II」が果たしてしまうというまさかの事態。これはこれで嬉しい事なのですが、外部モニター化は「Xperia PRO」唯一の機能ではなくなってしまいました。

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とは言いつつも、実際に試してみたところUVCアダプターがあることで、配線は複雑化することもあり、屋外で撮影する過酷なシチュエーションを考えると、HDMIケーブル一本で接続できる「Xperia PRO」は実用耐性が強いとも言えます。

カメラにリグを装着してホルダーに固定するしても、音量ボタンや電源ボタン、シャッターボタンなど物理キーの多いXperiaシリーズにあって、「Xperia PRO」はその無骨な外装からして接地面積を確保してホールドしやすいといった違いにも気づきました。

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早速「Xperia PRO」の「外部モニター」アプリを起動。はじめて立ち上げると、簡単なチュートリアルを確認できます

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アプリ起動後にカメラの電源を投入すると、レンズを通したカメラの映像を自動で認識し「Xperia PRO」のディスプレイにそのまま映しだされます。

さて、「外部モニター」アプリのディスプレイの構成は、左側に入力されている情報を表示、右に操作できるメニューを表示といったとてもシンプルなものです。

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「Xperia PRO」での入力対応最大解像度は、4K(3840x2160)

「Xperia 1 II / Xperia 5 II」ではフルHD(1920x1080)が最大解像度となることを思うと、圧倒的4Kの超高解像度を堪能できます。

ここで一つだけ注意というかトラップというか、もともと「Xperia PRO」のディスプレイは、21:9アスペクト比であり解像度は3840x1644。厳密には4K(3840x2160)の縦方向の解像度が足りていません。

それよりも実際に映し出される映像は、左右に黒帯を表示して中央16:9で表示されているため、ドットバイドットで4K表示されているわけではありません。

ここは正直ややこしいところです。

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仕様としては、HDR、60p、10bitカラーまでの入力をサポート

また、仕様としては、HDR、60p、10bitカラーまでの入力をサポートします。「色空間とHDRモード」という設定を開くと、BT.2020やHLG。HDR10などを選べるなど、入力信号を本来の発色で表示するといった使い方にも対応しています。

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設定メニューからは、明るさの変更や、「3分割」、「方眼」、「対角x方眼」といったグリッドラインを選択できます。表示ディスプレイ上に、7種類の白いフレームのラインを選んで表示させることができます。

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また映し出された映像は、ピンチアウトして最大拡大倍率は4.0倍まで拡大でききるため、どこからどこまでフォーカスがあっているかなどを隅々まで細かくチェックできます。

カメラに備わる液晶モニターでは、サイズの小ささや解像度不足もあり、視認しきれない事がありますがそこを補い余る高精細さのおかげで圧倒的に見やすさを感じます。

これは撮影現場では非常に有用と言えるでしょう。

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それからもうひとつ。

HDMIで入力した映像は、外部モニターとして表示するにとどまらず、ライブ配信用の映像としても利用可能です。対応しているアプリは、「YouTube」、「Streamlabs:Live」、「Streamyard」あたり。筆者は一番メジャーであろう「YouTube」アプリでテストしてみました。

配信時に利用できるカメラとして、「Xperia PRO」のメインカメラ、フロントカメラについで、第3のカメラとしてHDMIで接続した外部カメラの映像が加わります。

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これで、大きなレンズのボケ味や望遠レンズや広角レンズの特性を活かしたり、それこそデジタル一眼カメラの超高速AFを存分に活かし、スマホのカメラでは味わうことのできない本格的な配信ができるようになります。

留意すべきは、「YouTube」アプリでは720pで配信されるということ。もっと高解像度にと思えば、「Streamlabs:Live」や「Streamyard」アプリを利用することで、1080pでの配信が可能になるようです。

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カメラ専用機材として定番の「ATMOS NINJA V」など専用のモニターを用意すれば、より細かな設定を施したモニタリングに加えてハイクオリティな録画などが可能です。

ですが、それはそれとして機材の大きさや物量、そして重量からバッテリーの持続時間など、準備を含めて移動するに至るまで、なかなかに大変な事が多いのも事実。また、ライブ配信を屋内で行うならともかく、屋外でのライブ配信が今までどれだけ大変だったことか……。

一方で、「Xperia PRO」というスマートフォンを取り付けるだけで、バッテリー込みで高精細な外部モニターとして使えるといった敷居の低さはとても魅力です。それなりのクオリティを保つには、たくさんの機材の用意が必要であり、一筋縄にいかないトラブルと隣合わせだった事を考えると、カメラとスマホだけでライブ配信までできてしまう便利さはわりと衝撃的。

余談ですが、「Xperia PRO」の到着一日前に、ソニーVLOGCAM ZV-1がアップデートによりUSBケーブル1本でスマホとつないでライブ配信できるようになるというハプニング?がなければもっと喜んでいたはずです。

HDMI入力端子搭載という、なんともニッチな需要ですが、今までのスマホにない新しい遊び方や活用方法が見つかりそうな予感がします。HDMI入力端子搭載だけでなく、入力映像を録画できる機能などが備われば、外部モニター兼録画機としての魅力がもう1段上がりそうな気がします。