ソニーのハイエンドコンパクトデジカメ「RX100Ⅶ」と同じ1インチセンサーを搭載!ということで何かと話題の「Xperia PRO-I」。12月15日の発売に先立ち、短期間ではあったが試用するチャンスに恵まれたので、気になる1インチセンサーカメラの画質をチェックしてみた。

なお発売前ということもあり、実際の製品には更なる改良が施される可能性もある。あくまでも現時点のインプレッションになることをご了承ください。

▲真ん中の大きなレンズが1インチセンサーのカメラ。加えて16㎜相当1/2.5インチ(上部)と50㎜相当1.2.9インチ(下部)も搭載しているのが何気にスゴイ!

1インチセンサーカメラのレンズは24㎜相当、実際に撮影した画像のExifを見ると実焦点距離は6.6㎜で解像度は4032×3024ドット(1200万画素)となっている。既報のとおり1インチセンサーといっても、すべての画素を使うわけではなく、一部をクロップ(切り取り)する仕様だ。ちなみに「RX100Ⅶ」の広角側24㎜相当では実焦点距9㎜で解像度は5472×3648ドット(2010万画素)。

まずは順光の遠景で画質をチェック。キレのあるシャープ感で、像の歪みや周辺光量低下もしっかり補正されている。

▲雲ひとつ無い青空で撮影しても周辺光量低下まったく感じない。絞りF2・シャッタースピード1/2500秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

中遠景や近景で撮ってみても同様で、画像処理に加えレンズ性能もなかなか優秀と言える。

▲歪みが補正されているのでシンメトリーの景色を撮るのが気持ちいい。ただ少しセンターがズレているは撮影者のミス・絞りF2・シャッタースピード1/160秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲ほぼ最短撮影距離(12㎝前後)で撮影。さすがに周辺の像が少し乱れているが、歪みは気にならない。絞りF2・シャッタースピード1/500秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

ただ個人的には少しシャープネスが強すぎるようにも感じる。試しにRAWデータ(※)からシャープを調整して現像してみたが、そのほうが自分好みに仕上げることができた。もっともあくまでも好みであって、拡大した細部を確認するわけでなければ気になるほどではない。また、画像処理は発売前まで調整を続けるはずなので、製品版では変更されている可能性もある。

※BASIC(フルオートのようなもの)以外の撮影モードでは、RAWでの撮影が可能。ただし連写やHDRでは不可になる。ファイル形式はソニー独自のARWではなく汎用性の高いDNGを採用。

▲JPEG(写真左)とRAW(写真右)から現像した写真の一部を等倍に切り出して比較。JPEGはシャープだが、RAWのほうが自然に感じる。

1インチセンサーと並んで特徴的なのが、F値をF2とF4に切り替えられる可変絞りの採用。かつて某スマホで採用していたときも思ったが、この小さなレンズの中でカチャカチャ(耳を近づけると微かに音が聞こえる)と動く様子が妙に可愛らしい。

▲絞りF2・シャッタースピード1/500秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

もちろん画質面でも効果はあり、被写体に近寄って撮影すれば背景のボケ感の違いを実感できる。

▲絞りF4・シャッタースピード1/125秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

意外と違いがあるのが逆光での撮影。F4に絞ったほうがゴーストやフレアの発生が少なめ。スマホカメラは構造上逆光に弱いため、多少なりでも解消できるのはありがたい。

▲絞りF2・シャッタースピード1/8000秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲絞りF4・シャッタースピード1/2000秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

「Xperia PRO-I」以外にも1インチセンサーを搭載したスマホはあるが、それらの機種との大きな違いは、ピント合わせが素早い像面位相差AFを採用し、さらに高速処理が可能な積層型という点だ。AFに関してはシャッターボタン半押し(物理的シャッターボタンがあるのも良い!)で瞬時にピントが合い、さらに最高秒20コマの高速連写でもAFはしっかり追随してくれる。

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▲高速連写で撮影した1秒分(20コマ)の写真を並べてみた。向かってくる電車にAFはしっかりと追随し続けてくれた。

またスマホのカメラは電子シャッターなので、動いている被写体が歪んで写ることがある。しかし処理が高速な積層型のおがけで、この動体歪みも改善されている。

▲一般的なスマホカメラで撮影。車両の左右が斜めに歪んでいる。

▲「Xperia PRO-I」で撮影。電子シャッターによる歪みが改善されている。

センサーサイズが大きいメリットとして挙げられるのが高感度の画質。1インチセンサーでは最高ISO12800まで設定できる。

実際に定点撮影で感度を変えて撮ってみたところ、ISO800を超えると画質劣化がわかるがISO1600程度までは安心して使用できる画質といえる。ISO3200を超えるとノイズ処理で階調が塗り潰されるが、拡大して細部をみなければISO6400までは許容範囲だろう。

▲ISO感度を変えて撮影した写真の一部を、等倍に切り出して比較してみた。上段左からISO400・ISO800・ISO1600、下段左からISO3200・ISO6400・ISO12800。

ただ実際に夜の街を撮り歩いてみると(露出モードはプログラムでISO感度はオートに設定)、相当暗い場所でなければISO800以上の高感度なることはあまりなく、その分シャッタースピードが遅くする傾向だった。となるとブレが心配になるが、意外と大丈夫なのはソニーが謳う“FlawlessEye™対応のハイブリッド手ブレ補正”の効果かもしれない。

▲街中の夜景なら絞りF4でも、ISO640で撮影できた。絞りF4・シャッタースピード1/15秒・ホワイトバランスオート・ISO640・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲どのくらいのスローシャッターならブレないかテスト。しっかり構えて場1/2秒でも大丈夫な場合も・・ただ確率は低め。

▲夜中徘徊していたら雰囲気のある景色に遭遇。あえて感度上げて荒れた写真にすると面白いかも、と思いISO12800で撮影。狙いが当たったか微妙。絞りF2・シャッタースピード1/200秒・ホワイトバランスオート・ISO12800・DレンジオプティマイザーAUTO。

以上駆け足でレビューを行ってきた「Xperia PRO-I」の1インチセンサーカメラ。純粋なカメラ(例えばRXシリーズ)を超える存在かと言えば、インターフェースや細かい画質調整ができない点など、まだ発展途上の部分もある。しかしかなり肉薄してきているのは確かだ。

そう考えると今後スマホカメラが進化していくうえで、「Xperia PRO-I」がターニングポイントになったと語り継がれる一台になる可能性もあるかもしれない。

以下おまけ作例データ

▲絞りF2・シャッタースピード1/320秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲絞りF4・シャッタースピード1/640秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲絞りF2・シャッタースピード1/2500秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲絞りF2・シャッタースピード1/1600秒・ホワイトバランスオート・ISO100・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲絞りF2・シャッタースピード1/15秒・ホワイトバランスオート・ISO400・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲絞りF2・シャッタースピード1/10秒・ホワイトバランスオート・ISO800・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲絞りF2・シャッタースピード1/10秒・ホワイトバランスオート・ISO1600・DレンジオプティマイザーAUTO。

▲絞りF2・シャッタースピード1/50秒・ホワイトバランスオート・ISO6400・DレンジオプティマイザーAUTO。

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