YN455

EFマウントなどの互換レンズを数多く展開している中国のカメラ関連メーカー、Yongnuo(永諾撮影器材)からマイクロフォーサーズマウントの交換レンズが利用できるデジタルカメラ「YN455」が発売になりました。5インチのディスプレイを備え、バッテリーは大容量の4400mAhを内蔵。Android OSを搭載し、4Gにも対応するので、背面から見ればスマートフォンそのものです。「AQUOS R6」や「Leitz Phone 1」といったカメラが大幅に強化されたスマートフォンが登場する中、それらを超えるセンサーサイズと交換レンズが使えるYN455は注目の製品と言えます。

YN455は2019年に発売された「YN450」、2021年にマイナーチェンジされた「YN450M」に次いで3機種目の「スマートフォン内蔵型カメラ」となります。YN450は当初発売の予定がなかったと関係者が話しており、Yongnuoの実験的な製品でもありました。YN455ではYN450に大幅なアップデートが加えられており、Yongnuoも売る気満々で市場に投入したようです。

▲YN450(上)。YN455(下)。YN455はよりカメラらしい形状となりメーカーロゴも目立つ

YN455のカメラは2000万画素で、マイクロフォーサーズ=4/3、すなわち約1.33インチのセンサーを搭載します。AQUOS R6が1インチセンサーで騒がれている中、あっさりとそれを上回るセンサーを搭載しています。まあ、その代わりYN455の本体デザイン・サイズはカメラそのもの。スマートフォンのように薄くポケットへ楽に入る大きさではありません。YN455を普段はスマートフォンとして使うというのは現実的ではないでしょう。

▲Androidアプリは動くが、スマホとして使う形状ではない

一方でソニーの「Xperia 1 III」が世界初の75mmと105mmの可変式望遠レンズを搭載したり、OPPOの「Find X3 Pro」が広角と超広角のどちらのカメラにもソニーIMX766・5000万画素センサーを搭載し画角を変えても同じ条件で写真が撮れるようにしたりと、最新のスマートフォンのカメラは一眼タイプのカメラのように、あたかもレンズ交換できるがごとく、同じセンサーで焦点距離を変えて撮影できるような進化が見られます。

そしてLeitz Phone 1のように、カメラメーカーが自社ブランドでスマートフォンを出す時代になりました。Leitz Phone 1はカメラユーザーからみると物足りない部分が多いかもしれませんが、スマートフォンユーザーからみると1インチセンサーの搭載は魅力的です。

▲ライカ初のスマートフォン「Leitz Phone 1」

YN455を見てみると、1インチを超える大型センサーを搭載し、レンズは自由に交換可能。そして単体で4G通信が可能で、アプリのインストールもできます。それに加えてUSBケーブルでPCと接続しWEBカメラになる機能も備えています。

つまりYN455はデジタル一眼カメラの不満点である「本体内でのアプリ(写真加工など)利用」「撮影後の写真のダイレクトアップロード(クラウドやSNS)」「単体通信」をすべて解消。また高性能カメラを搭載したスマートフォンの「センサーサイズの限界」「レンズ(カメラ)を後から交換不可」「超高倍率望遠撮影の実用性はまだまだ」「画面がチルトしないためアングルによっては撮影しにくい」というデメリットもクリアした製品なのです。

▲WEBカメラ機能も持つ

もちろん「スマートフォンとして使える形状・サイズではない」「フルサイズカメラの高性能・豊富なレンズ資産が使えない」といったデメリットもありますが、普段使っているデジタルカメラやスマートフォンに不満がある人にはうってつけの製品と言えるでしょう。

さらには「人と違うスマートフォンが欲しい」というマニアにも向いた端末です。マイクロフォーサーズのレンズは中古で安いものもありますから、スマートフォンでは撮影できない200mmなどの超望遠撮影でYN455を使うのもいいかもしれません。

▲カメラの操作体系もスマートフォンではなくカメラ寄り

Y455の価格は3888元、約6万6000円です。チップセットはSnapdragonのオクタコアで型番は非公開、おそらく600番台でしょうか。メモリは容量6GB、ストレージは容量64GBでマイクロSDカードにも対応。外部端子はUSB Type-C、ヘッドフォン、マイク。5インチ1920x1080ピクセルディスプレイを搭載し、4400mAhのバッテリーは18W充電に対応します。本体サイズは85x162x56mm、670g。4GはLTEのB1 / B3 / B5 / B8 / B34 / B39 / B40 / B41対応。対応バンドからわかるように中国向けを意識した製品で、グローバル展開の予定は不明です。

Android OSを搭載していることからアップデートへの対応も必要ですし、アプリの互換性もある程度保証が必要になります。ということからグーグルサービス(GMS)を搭載した海外モデルの発売は難しいのかもしれません。

Yongnuoは今のところ互換レンズも自社ブランドで販売しており、ODM(相手先ブランド展開)は行っていないようです。スマートフォンとデジタルカメラの長所を兼ね備えたYN455だけに、グローバル展開しているどこかの企業がYN455を自社ブランド品として、GMSを搭載し販売してくれないでしょうか。