[名称] Zip 250、Zip U250
[種類] 磁気ディスク
[記録方法] 磁気記録
[サイズ] 約93mm(実測)
[容量] 250MB
[登場年] 1998年頃~、2000年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「Zip 250」「Zip U250」は、Iomega社(アイオメガ社)が開発した磁気ディスク。1994年頃に登場した初代Zipの容量は100MBでしたが、これを2.5倍となる250MBへと大容量化したものです。

この250MBのZipカートリッジは、2つの種類があります。ひとつは100MBと同じデザインを採用した「Zip 250」で、1998年頃に登場し、最初の250MB対応Zipとなったもの。もうひとつは、カートリッジの手前側を丸めてU字型にした「Zip U250」で、2000年頃に登場したものです。形状は違うものの基本的にはZip 250と変わらず、どちらも同じドライブで利用可能でした。

左がZip U250で、右がZip 250。形状だけでなく、カートリッジの色も違います。ちょっと珍しかったのでZip 250は三菱化学のものを選んでみました……が、たぶん富士フイルムのOEMだと思います。

このデザイン変更の理由を探してみたのですが、いくつかのリリースや製品紹介記事を漁ってみても、これといったものが見つかりません。ちょっと考えて思いついたのは、海賊版防止のために形状を変更したのではないか、というものです。

とはいえ、基本的にカートリッジを販売していたのはIomega、もしくは製造担当の富士フイルム(とそのOEM)くらいしかなく、その他のメーカーが廉価な互換カートリッジを作っていたわけではありません。また、後継のZip 750では四角いものに戻っていますし、日本ではZip U250が販売されていた形跡がありませんから、海賊版防止というのは説得力がいまひとつです。

性能面で見比べてみると、Zip U250はチタン金属粒子採用による品質と耐久性向上、セルフクリーニングによる信頼性向上といった説明がパッケージにありました。この目に見えない付加価値をアピールするため、わかりやすく形状を変更した……というのが一番ありそうな話ですね。本当に品質差があったかどうかはともかくとして。

アップで見てみましょう。

Zip U250はロゴの上に「TITANIUM」の文字があり、さらにカートリッジに少し金属っぽい光沢があるなど、若干高級感があります。

金属製のシャッターは四角い従来タイプと共通で、とくに変更なし。従来のドライブに入れてもそのまま使えるというだけあって、上半分はほぼ同じです。

裏面も見てみましょう。

ぱっと見大きく違うように感じますが、あくまで下半分だけ。中央のハブ部分から上は全くと言っていいほど同じということが分かります。

左上にある黄緑色の部分は、カートリッジの容量を識別する部分なのでしょうか。従来の100MBカートリッジと比べるとこの部分が変更されています。

比較してみたのがこちらの写真。下が100MBのカートリッジで、上が250MBのカートリッジです。プリズムっぽい感じになっていたのが、夜光塗料を塗ったような黄緑色のものへと変更されているのが分かります。

見比べていてもうひとつ気づいたのは、250MBからカートリッジがネジ止めではなくなっていたことです。これは結構なコストダウンになったのではないでしょうか。

低価格ながらソコソコの速度、それなりの容量が使えることで100MBのZipが成功していたこと、そして、100MBのカートリッジをそのまま利用できる形で250MB化できたことから、Zip 250は意外といいアップグレード先でした。とくに、Zip U250とほぼ同時となる2000年末に登場したバスパワー動作可能なドライブは、使い勝手を大きく改善してくれました。

ただし、日本では1996年に640MBのMOが登場しており、Zip 250が出た頃には競合となる230MBのMOがかなり低価格になっていたこともあって、あまり注目されませんでしたが……。

連載:スイートメモリーズ

参考:

IOMEGA ANNOUNCES NEXT GENERATION ZIP 250MB DRIVES AND DISKS, iomega, WayBack Machine
Zip drive, Wikipedia