[名称] Zip 750
[種類] 磁気ディスク
[記録方法] 磁気記録
[サイズ] 約93mm
[容量] 750MB
[登場年] 2002年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「Zip 750」は、Iomega社(アイオメガ社)が開発した磁気ディスク。1994年頃に登場した初代Zip(100MB)、1998年頃に登場したZip 250(250MB)に続く3世代目となるもので、CD-R/RWを超える750MBという容量を実現しました。

ただし、同時代のライバルとなる3.5インチMOは、1996年頃に640MB、1999年頃には1.3GBを実現していたことを考えると、大容量化はだいぶ遅れていたと言えます。

また、CD-R/RWクラスの容量に追いつきましたが、2001年にはコンシューマー向けのDVD-R/RWドライブ、2002年にはDVD+R/RWドライブが登場していますから、ある意味周回遅れ。遅きに失した感が否めません。

とはいえ、Zip 750のドライブで初代Zipの読み出し、Zip 250の読み書きが可能という互換性はありがたく、長くZipを愛用していた人にとっては待望だったともいえるでしょう。

Zip 750は容量こそ増えましたが、カートリッジの形状は従来と変わっていません。

色は濃紺というかダークブルーというか、初代Zipドライブの本体色。色違いはないようで、伝統的なグレーのカートリッジではなくなりました。

ちなみに、初代Zipはグレーだけでなく、レッド、グリーン、イエロー、ブルーなどがラインナップされていました。また、Zip 250は色違いこそ見当たりませんが、Zip U250という、形状からして違うバリエーションがありました(性能や容量は同じです)。

裏面も初代Zip、Zip 250と変わりません。何用なのかよくわからない左上の窓部分は、蛍光塗料っぽいものが塗られたZip 250に近いものとなっています。せっかくなので3世代並べて比較してみましょう

一番上のカートリッジがZip 750のもの。なんか茶色にくすんで汚いですが、これでも未開封パッケージを新しくおろした状態です……。経年劣化って嫌ですね。

カートリッジにこれといった特徴はないですが、ケースの紙ラベルは結構凝っており、銀色の紙に印刷してある高級感のあるものです。ただしこれが災いし、インクが一部剥がれてしまって残念なことに……。ホント、経年劣化ってつくづく嫌になりますね。

容量がZip 250の3倍になり、転送速度も2.5倍となる最大7.5MB/sと高速化。速度面ではMOやCD-R/RWを大きく上回ります。また、ランダムアクセスに強いこと、ライティングソフトなしに書き込めるといった特徴から、リムーバブルメディアとしてはかなり優秀な部類といえるでしょう。カートリッジも1枚あたり約2000円と頑張っており、バックアップ用途など、自己完結できる環境で使うのであれば向いていました。

ただ、リムーバブルメディアの特徴として忘れてはならないのが、大容量データを手軽に交換できるという部分。相手側にもドライブが必要となるZip 750は、この点でどうしても苦戦してしまいます。

CD-R/RWは、大抵の光学ドライブで読めるのが強み。しかもほとんどのPCに標準で光学ドライブが装備されていましたから、相手の環境を気にすることなくデータを渡せます。また、2002年当時のCD-R/RWの価格は1枚あたり数十円~数百円と安く、返却不要にできたのも扱いやすい点でした。

速度や容量を考えればUSB外付けHDDでいいですし、コストや汎用性であればCD-R/RWのほうが優秀。さらに、より大容量なDVD±R/RWと登場時期が重なってしまったこともあり、Zip 750はあまり注目されることなく消えていきました。

連載:スイートメモリーズ

参考:

Zip 750MB ドライブシリーズ, Iomega, WayBack Machine
アイオメガ、記録容量750MBの「Zip 750」を発表, Impress
Zip drive, Wikipedia