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2度目の緊急事態宣言により、テレワークを推進して出勤を7割減にすることが目標とされています。出勤を7割にするんじゃなくて、出勤を3割にするわけですから、これはもう大変な話です。首都圏に限らず、会社の方針で急遽テレワークということになった、という方も多いのではないでしょうか。

テレワークにつきものなのが、パソコンでのZOOMやGoogleのMeetといったツールを使ったリモート会議(Web会議)です。すでに実践している方も多いと思いますが、意外に皆さん困っているのが、「マイクどうするの?」って事でしょう。

カラオケで歌う以外にマイクを握ったことないという方がほとんどという中、自分のしゃべり声を拾うなんて、これまで経験がないんじゃないかと思います。またマイクというのは基本的にはアナログ技術なので、デジタルネイティブな方には難しいと思います。そこで今回は、リモート会議のパターン別マイクの選び方と使い方のコツをお話してみたいと思います。

Yoga Slim 750(Amazon)

audio technica「AT9904」(Amazon)

4極-3極変換ケーブル(Amazon)

■「最小限の手間とコスト」はデメリット多し

去年の初頭、テレビで有識者がリモート出演する際に、以前iPhoneに付属していたイヤホンを使っている人が結構目につきました。当時はリモート出演も珍しく、おそらく手持ちの機材でやっつけたんでしょう。実はあのイヤホン、マイクも内蔵されており、パソコンにもそのまま直結で使えますし、マイク性能も悪くありません。

ただ、みんなあれは付属イヤホンだと知ってますので、安っぽく見えるのは否めません。身内だけでの会議でパッと使うには便利なのですが、社外の方とのリモート会議では控えた方が無難でしょう。

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▲iPhone付属イヤホンは手軽で性能は悪くないが…

気軽に使えるという点では、パソコン内蔵マイクを使う人も多いようです。ただパソコン内蔵マイクを使う場合、口元から離れているので周囲の音もガンガンに拾ってしまうことや、会議しながらパソコンでメモする場合、タイプ音が盛大に入ってしまうというデメリットがあります。また音を聞く際にスピーカーから会議音声を流してしまうと、ハウリングやエコーを起こしてしまう原因となります。実はパソコン内蔵マイクを使うのは、自分は手軽でいいかもしれませんが、相手に迷惑がかかっているパターンになりがちです。

ただ最近のビジネスノートでは、リモート会議を前提に内蔵マイクでもエコーキャンセルが付いたり、タイプ音をキャンセルする機能を標準で搭載しているものが出てきました。昨年レビューしたレノボの「Yoga Slim 750には、そうした機能が搭載されています。

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▲コロナ禍以降のビジネスPCではマイク性能も良くなっている

関連記事:Ryzen派大歓喜なノートPC「Yoga Slim 750」レビュー

手持ちのワイヤレスイヤホンを会議に流用するという方法もあります。特に完全ワイヤレスイヤホンは、聴くだけではなく通話も可能になっているものが多くなっています。イヤホンをBluetoothでパソコンと接続し、会議ツールの音声設定でスピーカーとマイクの両方をワイヤレスイヤホンに指定すればOKです。

完全ワイヤレスイヤホンのメリットは、ケーブルがありませんので、見た目が非常にすっきりした印象になるというところです。自分はあまり発言する機会がない、若干硬めの会議にはいいでしょう。

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▲普段使いの完全ワイヤレスでも会議はできるが…

一方デメリットとしては、かなり遅延が大きくなるという事です。aptXでの遅延は大体180msぐらいと言われています。これってどれぐらいの時間なのかピンとこないと思いますが、1000msが1秒ですので、0.18秒ということになります。音が聞こえるまでで0.18秒、そこからすぐ反応してしゃべり出しても、今度は声がパソコンに届くまでまた0.18秒かかりますから、合計で0.36秒になります。そもそもネット会議システム上でも遅延があり、さらに相手も同じくBluetoothイヤホンを使ってたりするとさらに遅れますので、微妙に会話が噛み合わない遅延量に積算されます。

相手とディスカッションしながら細かい話を詰めていく、みたいな会議の場合は、Bluetoothイヤホンは使わない方がいいでしょう。極力遅延を抑えるには、マイクもイヤホンもワイヤードで接続する必要があります。

■マイクを購入するなら

それなら会議用にマイクを買うよ、という方もいらっしゃるでしょう。今マイクは多くのメーカーが参入してすごく価格が下がっていて、5000〜6000円以上出せばそんなに変なものには当たらなくなりました。価格は一つの目安になるでしょう。

最近マイクで人気が高いのが、いわゆる「USBマイク」と呼ばれるタイプの製品です。Amazonで「USB マイク」と検索すればズラズラっと出てきます。マイクというのはアナログ機器なので、パソコンに繋ぐにはマイク入力端子を使うか、A/Dコンバータを使ってUSBで入れるかということになりますが、USBマイクはA/Dコンバータを内蔵しているので、直接USBに接続できるのが魅力です。

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▲USBマイクは種類が豊富

ただほとんどのUSBマイクは、リモート会議には向きません。 もともとUSBマイクは、自分でライブ配信などをする人が、ラジオDJっぽい見た目になるように作られたものが大半なので、マイクスタンドも必須だったりと、かなり大仰になります。上司との会議で、「おっ、今日は何かすごいことやってくれるのかな?」などといじってもらうのが目的ならOKなんですが、クライアント相手のフォーマルなビジネスでは、ドン引きされる可能性が高いです。

カメラに映らない位置にセッティングするという手もありますが、そうなると口元から距離が離れてしまいますので、マイク特性としては「単一指向性」というものを選んでください。単一指向性は音を拾う方向が1つに集中していますので、ある程度離れても周りの音を拾う可能性は低くなります。

個人的にお勧めしたいのが、「ラベリアマイク」です。以前はピンマイクなどと言っていたのですが、いつの間にかラベリアマイクという呼び方の方が一般的になってしまいました。胸元に着けるので口元に近くなり、マイクレベルを上げなくて済むので、結果的に周囲のノイズが聞こえにくくなります。

元々は放送用のマイクなので、SHUREやAKG、SENNHEISER、SONY、RODEといったガチ勢の数万円モデルがひしめき合う激戦区なんですが、アナログマイク端子に繋ぐだけみたいなシンプルなものは、数千円で手に入ります。audio technicaあたりなら廉価でも信頼性は高いと思います。

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▲筆者愛用のラベリアマイクaudio technica「AT9904」

筆者が普段使っているのはAT9904という実売3000円ぐらいのマイクなんですが、これがなんと2008年発売でいまだに売れ続けているというベストセラーモデルです。ウインドスクリーンが外れやすいという弱点があるんですが、マイククリップでウインドスクリーンの端っこもちょびっと挟み込んでやると外れないです。

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▲ウインドスクリーンが外れやすいので、クリップの端っこでちょっと挟んでやるとGood

ただ、パソコンやスマートフォンのイヤホン/マイク混合端子にそのまま繋いでも、ピンアサインが違うので使えないと思います。Amazonあたりでマイクとイヤホンの分岐ケーブルを購入してください。「4極-3極変換」とかで検索すると、1000円以内でいっぱい出てくると思います。

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▲パソコンやスマートフォンで使うには4極-3極変換ケーブルが必要

ラベリアマイクは、装着の仕方にコツがあります。シャツでいうと第2ボタンの下あたりに挟むぐらいがちょうどいいわけですが、ケーブルはシャツの中を通してください。シャツの下から引っ張り出して、4極-3極変換ケーブルのマイク側端子に繋ぎます。反対側の4極端子はパソコンのイヤホン/マイク混合端子に繋ぎます。

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▲ラベリアマイクで見た目もスッキリ

ピンで止める際は、ケーブルをくるっと1回転させて、ケーブルごとクリップで止めてください。そうすることで、マイク付けてるの忘れて立ち上がったといった際に、ケーブルが引っ張られて根元から断線するのを防いでくれます。

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▲ケーブルは1回転させて付けるのがセオリー

最近ヨーロッパあたりのテレビ局では、ラベリアマイクを上下反対に付けるというやり方も見られるところです。ラベリアマイクは大体無指向性なので、上下逆に付けても関係ないわけです。こうするとケーブルが「の」の字ではなく「U」字で済みますから、見た目が綺麗というメリットがあります。

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▲上下逆に付けるのもアリ

まとめます。

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USBマイクやラベリアマイクは、普段からセットしておくわけにいきませんから、セッティングに手間がかかります。頻繁に発生する仲間内の会議は簡単にセットアップできるiPhone付属マイクで済ませるなど、2つ3つの方法をパターンに合わせて使い分けるといいでしょう。

皆様のより良いリモート会議ライフの参考になれば。

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