Zuckerberg
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FacebookはiOS 14でプライバシー方針が大幅に変更されることにつき、アップルに対して抗議し続けていました。ついには独禁法訴訟を準備中とまで噂されていましたが、マーク・ザッカーバーグCEOが「良いポジションにいる」と考え直していると報じられています。

ザッカーバーグ氏は2018年のCambridge Analyticaスキャンダルの際に、アップルのティム・クックCEOが語ったFacebookのプライバシーポリシーに関する批判に腹を立て「痛い目に遭わせてやる」と社内で漏らしたとの証言もあります。両社のトップ2人の対立は個人的な嫌悪感を含み、それだけ修復は難しいと思われました。

そしてアップルがiOS 14.5で導入予定のアプリトラッキング透明性(App Tracking Transparency/ATT)は、広告主がWebや異なるアプリをまたいで追跡するための識別子IFDAを、ユーザーの明示的な同意なしには取得できなくするしくみです。Facebookの広告追跡ツールAudience NetworkはIFDAを用いており、ATTはアプリ開発者やFacebook自身の広告収入にとって大打撃となる恐れがあるため、アップルとの全面対決に至っていたわけです。

では、なぜザッカーバーグ氏は考えをポジティブに切り替えたのか。米CNBCによれば、アップルが広告のしくみを制限すれば、より多くの企業がFacebookやInstagram上で直に製品を販売することを検討すると予想され、自社は恩恵を受けるかもしれないと考えているためと伝えられています

じっさいFacebookは、2020年に自社アプリ上で中小企業がオンライン通販できる「Facebookショップ」と「Instagramショップ」を開設しています。ザッカーバーグ氏は「アップルの変更によって、より多くの企業が我々のプラットフォーム上でさらに多くの商取引を行うようになれば、我々はより強い立場になる可能性さえある」と述べたとのことです。

しかしFacebookは先日も「よりよい広告体験のために」ユーザー追跡の許可を求めるテストを行っており、やはり今後もターゲティング広告は重視され、今回の発言はザッカーバーグ氏のやせ我慢に過ぎない可能性もあります。

Facebookは特に関係のないEpicの反アップル運動を支持する姿勢を見せていました。が、Epicの主な収入源がゲームアプリ内課金であり、App Storeでの30%手数料の徴収を譲らないアップルと妥協が難しかったのに対して、Facebookはそうした根本的な利害の対立がない上に、iOSアプリが削除されれば致命傷にもなりかねないはず。ザッカーバーグ氏も振り上げた拳を下ろし、結局はアップルの定めたルールに従うほかないのかもしれません。

 

Source:CNBC

via:9to5Mac