製造・加工のプロが優勝者総取りルールのもと戦うエクストリーム級喧嘩ごまトーナメント全日本製造業コマ大戦が本日開催されました。個性的なコマの登場や回し手の技量が問われる試合を制して、優勝と出場コマすべてをもぎ取ったのは株式会社 由紀精密。使用されたコマは写真右上のもの。直球ど真ん中の男らしいフォルムが印象的です。材質は「秘密兵器」(左上は真鍮、下はステンレス)。

決勝戦は、群馬県の株式会社シンコウギヤー有限会社カキタ製作所の連合チーム 対 由紀精密の取組でした。圧倒的な強さから絶対王者とまで呼ばれた由紀精密ながらあっさり連勝で2本先取とはならず、4回戦までもつれこむ展開に。最終戦はほぼ同体で、両国国技館ならば物言い再試合レベルの白熱した内容でした。コマが止まって見える決勝戦の様子は続きに掲載した動画でチェックできます。

さて優勝した神奈川の「研究開発型町工場」こと株式会社 由紀精密ですが、一般的な認知度はそれほど高くないものと思われます。主たる業務は「あらゆる産業の部品加工」、従業員数は17名(2009 年段階)、実況いわく切削加工一筋。どうやら知名度を稼ぎづらい企業のようです。しかしながら公式サイトを覗いてみると、精密切削加工の 項の下には「航空・宇宙・防衛」「医療機器」「ロボット」「難削材」など迫力のあるフレーズがずらり。主要取引先には JAXA や小松製作所など名だたる企業が並んでおり、さらに今夏打ち上げ予定の超小型衛星の部品製作にたずさわるなど、実績も十分。なるほど強いわけです。ちなみに由紀精密製コマは一般販売されており、価格は840円。形状も材質も違いますが、ステンレス削り出しで3分以上回るというスペックは大会にでも出場しなければ必要十分でしょう。

表彰式で「来年があれば研究開発の材料に」と他社のコマを総取りした由紀精密。王者がさらに強くなることの是非はともかく、社内でコマ遊びが業務になるか、もしくは成果物が最先端の切削技術に反映されるかが気になります。また来年かどうかはさておき、次回の開催は今回会場の異様な盛り上がりからすると問題なさそうです。

惜しくも優勝は逃したものの、社内大会で強さを追い求めるくらいには執念を見せた各社のコマが気になる方は下のリンクからFacebook 全日本製造業コマ大戦ページへどうぞ。コマは基本的に慣性で回るはずですが、「慣性コマ」と銘打たれたユニークなものもあります。

続きには動画を掲載。3位決定戦が9分20秒あたりから、決勝戦が17分あたりから。


追記:

関係者のツイートから、秘密兵器の正体が銅タングステン合金だったことがあきらかになりました。「バランス」のためあえて純タングステンを採用せず、やや軽めの素材を選択したとあります。胴体部以外にも中心部は一部樹脂製、足元はテフロン加工とさまざまな工夫をこらしていた模様。さらに対戦相手にあわせられるよう、右利きと左利きの回し手を用意してきたあたりからは、大人気ない大人の本気が垣間見えます。



全日本製造業コマ大戦、優勝は「材質:秘密兵器」の由紀精密(追記:正体は銅タングステン)
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