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カード型ルーター携帯や超小型スマホ。海外マイナーメーカーの挑戦をMWC2017に見た:山根博士の海外スマホよもやま話

デザインやプチ機能で選べるオシャレな端末

山根博士(Yasuhiro Yamane) , @hkyamane
2017年3月14日, 午前10:30 in Elari
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今年も様々な新製品が登場したMWC2017。筆者の興味は日本で名前も聞いたことの無いようなマイナーメーカーの出展ブースだ。マイナーメーカーと言うと中国系のOEMやODMメーカーを思い浮かべるかもしれないが、最近ではそれらのメーカーを活用しつつ、自社ブランドで独自のデザインを持った端末を提供するメーカーも増えている。特定の地域や国に行かなくては見られない、そんな「謎」なスマートフォンや携帯電話の展示が増えているのだ。

それらの製品は低スペック、低価格だけが売りのものも多い。しかし今やシャオミの高性能スマートフォンが1万円前後で買える時代だ。マイナーメーカーたちも価格はもちろんのこと、スペック競争でも中国の新興メーカーに打ち勝つのは難しい。数多くのメーカーが生まれては消え、また生まれては消えを繰り返しているのだ。

マイナーなメーカーでも優れた製品を提供。こちらはElari社

しかし少数精鋭、低コストな製品ながらも差別化で市場への参入を図ろうとする新しいメーカーも多い。今回紹介する「Elari」(エラリ)というメーカーも独創的な端末をいくつか出しており、大手メーカーがやらない隙間を埋めることで存在感をアピールしていた。ブースレポートとして取り上げるほどの製品ではないものの、全く新しいメーカーの市場参入例として参考になりそうだ。

Elariの現在の主力モデルの一つが「Nanophone」。その名前の通りナノサイズ、つまり小型軽量の携帯電話である。通信方式はGSMのみに対応、ディスプレイも数行のものカラー表示。原価を考えると5000円以下の低価格機である。しかし本体はアルミニウム製で質感が高く、上位モデルの「Nanophone C」はICレコーダー機能も持つなど、ちょっとしたビジネスツールとしても役に立つ。またiPhoneやAndroidスマートフォン、PCなどとBluetooth接続し、ワイヤレスのヘッドセットとしても利用できる。


アルミの高質感のため、女性が首からぶらさげるアクセサリのような使い方も出来る

製品はオンラインで販売するほかに、航空機の機内販売でも提供されている。プリペイドSIMとセット販売も行われており、機内で買っておけば渡航先の緊急用携帯電話としても使えるわけだ。本体のデザインが良いので、お土産用途にも向いているかもしれない。ただのGSM携帯電話も、しっかりとした材質で作り上げればまだまだプレミアムな価値を持たせることができるというわけだ。価格は60-70ユーロ、1万円弱とのこと。


本体はアルミニウム製。航空機機内での販売も行われる

Nanophoneは満充電後に電源を切り、カバンの中に入れておけば、いざというときの通話用に役に立つ。とはいえ今の時代、通話だけ専用の携帯電話の出番も少なくなりつつあるだろう。そこで同社が現在開発している製品が、3G対応のカード型携帯電話だ。2Gタイプのカード型携帯電話は多くのメーカーが販売しているが、同社は3G対応で差別化を図っている。Elariもすでに「Cardphone 3G」を販売中だ。しかしブースに展示してあったモデルは上位機能を持った、次のバージョンの試作機だった。


カード型携帯電話の開発中のモデル

こちの製品は携帯電話ながらもWi-Fiが内蔵されている。そしてモバイルルーター機能も備えているのだ。つまりスマートフォンなどを接続して利用できる、3G対応のWi-Fiルーターとして使えるのである。本体の厚みもクレジットカード数枚程度で、財布に入れておけば邪魔にならずにいつでも持ち運びできる。

この製品も機内販売も検討しているとのことで、世界各国を旅する旅行者やビジネスパーソン向けに、渡航先でのスマートフォンのデータ通信用途の予備回線用、そしていざというときの通話端末として需要がありそうだ。カラバリ展開も複数行う予定とのことである。


カラバリもある。Wi-Fiルーターになるならば実用性は高そう

さらに同社はスマートフォンも販売中だ。複数のモデルをラインナップしているが、いずれもベースのモデルは同じであり、手のひらに収まる超コンパクトな小型端末を積極的にリリースしている。共通のスペックはディスプレイが2.8インチの240x320ピクセル、RAM 512MB、ROM 4GB、バッテリー容量が1200mAh、GSMとW-CDMAに対応する。厚みはあるものの、縦と横のサイズはクレジットカードとほぼ同等。どうやらこのElariは「カードサイズ」にこだわりがあるのかもしれない。


手のひらサイズの超小型スマートフォン

製造は中国のODMメーカーとのことで、UIはAndroid標準から若干手が加えられている。展示モデルのOSはAndroid 4.xxベースだったが、製品はAndroid 5.1を搭載しているとのこと。CPUは不明だがメディアテックのエントリーモデル向けのものであり、メモリ容量を考えるとサクサク動くものではない。

だが製品のターゲットは年配者や子供であり、通話と地図程度が動けばOK、緊急時にボタン一つで家族に連絡ができるアプリを搭載するために、ベースとしてAndroid端末を選んだ、ということのようだ。


若干独自仕様のUIを搭載

子供向けとなる「FixiPhone」はカラフルで子供が毎日持ち運びたくなるデザインを採用し、GPSアプリを使えば親から子供の居場所をすぐに確認することができる。ある程度スペックが低いことから、子供がゲームをするとしても長時間ハマってしまうことはないかもしれない。キッズケータイをゼロから開発するよりも、Androidベースの小型端末を作ったほうが手っ取り早い、というわけだ。


子供向けスマートフォンとして開発したFixiPhone

今や携帯電話もスマートフォンも、ODM/OEMメーカーを使えばだれでも低コストで生産できる時代になっている。Elariの製品はニッチなターゲットを狙ったものだが、いずれの製品もデザインや機能での差別化を行ない、脱「格安端末化」をうまく行っている。決してメジャーの部隊に上がってくる製品ではないものの、マイナーメーカーが創意工夫で生き残りをかける姿は応援したくなるものだ。


今後も面白い製品が出てくることに期待したい
関連キーワード: Elari, Smartphone
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