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世界初のゲーム電卓「MG-880」が遊べる! カシオの記念館はガジェットマニア垂涎のお勧めスポットでした

歴史的ガジェットマニアの究極の行き先かも。

大和哲(Yamato Satoshi) , @deyamato
2017年3月23日, 午後01:40 in Casio
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5月10日まで、世田谷の住宅街にある 樫尾俊雄発明記念館 にて世界初のゲーム電卓「MG-880」を触って実際にプレイできる。今回、報道関係社向けに事前に展示デモを見せていただいたのだが、これはかなり感動できる。

当時の開発陣の血のにじむような努力と工夫のあとを感じながら、ゲーム電卓をアツくプレイできるのだ。アツくなりすぎて壊したりしないように注意されたい。古い機械であり、大事な文化遺産なのだ。

3月20日は、JBMIA(ビジネス機械・情報システム産業協会)が「電卓の日」に制定している。この「電卓の日」に合わせて樫尾俊雄発明記念館で「遊びと学びの電卓・電子辞書展」という特別展を開催中だ。期間は3月20日〜5月10日。

樫尾俊雄発明記念館は、カシオ計算機の会長であった故 樫尾俊雄氏の邸宅で、同社製品のメインであった電気式計算機・電卓・腕時計などを展示するミニ博物館化したものだ。


ここは世田谷の大邸宅。建物は現代風の建築だが、内部の調度品も明治後期から大正時代をイメージしたシックな造りとなっている。まるで、女中や書生が出てきそう。個人的にはここでコスプレ写真を撮りたい!



電卓の発売後、低格化と小型化、高機能化が怒濤の勢いで進み、当初数百社が参入していた電卓メーカーは、昭和末期にはほぼ「シャープ」「カシオ」の二社程度となっている
(で、さらにいうと単純な電卓に関しては、平成の世では中国メーカー製品がその製造の大半をしめ100円ショップで売られるような状態になるのだが)

樫尾俊雄発明記念館では、低価格化と小型化の成功で大ヒット商品となり、一般商店や家庭への電卓進出のキッカケとなった「カシオミニ」がその目で見られる。さらに、世界初のパーソナル関数電卓、パーソナル電子辞書といった電卓やその派生製品の歴史も知れるのだ。

この展示のメインテーマは「関数電卓と電子辞書の歴史からたどる教育への貢献」。歴代の関数電卓、ゲーム電卓、電子辞書、デジタル英会話学習機などだが、我々Engadget民に興味深いのは、やはりゲーム電卓だろう。


「遊びと学びの電卓」ということで電子辞書などの展示もある。しかし多くのユーザーにとって(そして筆者にとっても)大興奮だったのは「遊べる電卓」が今回多数展示されること。世界最初のゲーム電卓「MG-880」が実際に電源を入れて遊ぶことができたりするのだ。



これは、感動だ。

筆者が小学生だった当時、アノ頃の記憶が溢れてくる。電卓が液晶に注目しよう。画面右から攻めてくる数字を小数点ボタンで合わせ、必死に打つ。「ビビッ、ビビッ!」という音を聞いていると当時の興奮が蘇ってくる。


説明で聞く、ゲーム電卓の栄枯盛衰


また今回の展示で、説明員から非常に丁寧なゲーム電卓開発の経緯やその苦労も聞けた。

小型化・低価格化で電卓市場で生き残ったカシオだが、その方向での進化は際限がなくなる。実際、1980年代後半にはカード電卓といって、クレジットカードサイズの電卓が、パソコンを買うとオマケに付いてくる事態になった。カシオは電卓の高付加価値化も進めることにしたという。

カシオはまた、電卓にプラスアルファの機能を追加する商品も販売した。

1975年12月、電卓に誕生日を入力すると、その日の体調の波「バイオリズム」を調べられる「バイオレーター」を発売。ほかにも、時計機能を搭載した「でんクロ CQ-1」、電卓のボタンを押すと演奏できる「カシオ メロディー」といった特色ある製品が登場した。それらも樫尾俊雄発明記念館で展示されている。

カシオ メロディーに関して言えば、当時の電卓が発する音は1、あるいはせいぜい2段階のビープ音だった。それも音を出す(ON)と、消す(OFF)で音程を変えるような原始的な仕組みだ。カシオはこれを「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド」と音が鳴るようにして、エンタテイメント性を出したわけだ。



1980年8月、カシオは世界初のゲーム電卓「MG-880」を発売する。当時はLSIを使ったゲーム専用機が子供達の間で人気を集めていた。

たとえば、1970年代後半(昭和50年代前半)だと「ミサイルベーダー」「LSIベースボール」といった電子ゲームだ。アーケードゲームやスポーツの表示・ルールを極限まで簡略化して電子ゲーム化したものが流行していたのだ。

カシオはゲーム電卓を電子ゲームの流行を受けて販売開始した。最初に発売したのは、画面右から進んでくる標的の数字を同じ数字を表示させて消す、という単純なもの。このゲーム性はミサイルベーダーなどのLSIゲームを想起させるものとなっている。そのため、ユーザーにとても親しみやすかった。電卓をメインで購入するビジネスユーザー層にはどうだったかわからないが、これは若いユーザーに受け入れられ、売れた。



MG-880のゲームは基本、電卓の液晶8セグ表示をそのまま利用したもの。好評を得たカシオは、ゲームキャラクター表示も画面に専用表示領域を作って再現したより本格的なゲーム電卓も発売した。

それが1981年10月発売のBG-15「ボクシングゲーム」電卓だ。ボクサーのキャラクターを造りこみ、ボクシングゲームをリアルに再現した。当時、カシオはLSIの製造やディスプレイの製造は外部に委託。企画やアセンブリ(ケースや基板、ディスプレイを組み立てて電卓という製品にすること)と、販売を自社で行っていた。

その後、ゲーム電卓には占いや囲碁パチンコといった遊び要素が付加され、月産30万台という、大ヒット商品となった。1台で3種類のゲームが遊べる「トライスリー」などは、当時テレビ番組などで活躍していた学習院大学・篠沢教授の「篠沢教授に全部!」のCMで記憶しているユーザーも多いのではないだろうか。

このころの電卓に使われているLSIは、現在のコンピューターとほぼ同じストアドプログラム方式を採用している。CPU、ストレージ、RAMという構成に近いものだ。

簡単に言うと、ゲーム電卓で採用されているチップはほぼ一般の電卓と同じチップが使われた。計算を行ういわば「電卓アプリ」に、ゲームのルールの追加や、効果音や改修を加えることで実現できた。


当時、電卓は低価格化なうえに、高付加価値化を載せなければならなかった。そのため、ものすごい制約の中で開発者が知恵をしぼり作られたという。

そのゲームは、プレイすると、今でも「アツい」。

機会があれば、今回プレイアブル展示されているゲーム電卓を是非体験して欲しい。ボタンの反応が少し悪くなっているなど、経年劣化による問題も見られるものの、Engadget読者には楽しめるはずだ。

特別展示以外も、勉強になる「樫尾俊雄記念館」

なお、展示会場となった樫尾俊雄記念館についても少し触れておこう。

電卓は、電子式卓上計算機、つまりそれまで机と一体化していた。モノによってはラックに入っていた業務用の計算機だった。それをIC・LSIといった集積化された電子デバイスを使用することで卓上で使えるようにしたものだ。

この樫尾俊雄発明記念館では電卓以降だけでなく、リレーを使った純電気式計算機「14-A」などから、大ヒット電卓のご先祖様「カシオミニ」、そして前述のG-SHOCKなどの腕時計、カシオトーン電子辞書ex-wordなどにいたるまで展示されている。


いわば、電気計算機や電卓から派生したカシオの電子製品の歴史ひも解くすばらしい小型博物館なのだ。残念なのは、QV・EXILIMシリーズといったデジタルカメラは、腕時計内蔵型のWQV-10・WQV-100の二機種しかなかった点。説明員も非常に詳しく対応も柔軟で、知識欲を満たしてくれる。

たとえば、世界初の電気計算機14-Aではなぜコンソールが左に偏っているのか。数字ボタンが既に今の電卓と同じ

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になっている(博物館などで調べるとわかるが、同時の他社の計算機ではこの形式ではない)かなども教えてくれる。なぜかは是非、現地で教えてもらって欲しい。



今回は普段電源OFFで展示されている14-Aに関しても、報道陣向けに特別に電源を入れ、実際に計算をしてみせてくれた。(といっても、結局それを見ていたのは筆者だけだったようにも思ったが。

トランジスタやIC、LSIではなくリレーを搭載して計算しているので、二桁割る一桁の計算に15秒ほどかかる。その間、電話局の建物の中のようなリレー音がバチバチと響き渡る様子も確認できた。


頭の中では理解していてもその様子を目の当たりすると、何か違う世界の入り口を垣間見たような不思議な気分になってくる。この他にもガジェットマニアの目のうろこを落とす展示がいくつもある。

入場は1時間当たり上限10名程度を目安とした完全予約制。休館日が土日祝日と、訪問するには敷居が高い場所ではあるが、コンピュータや電子ガジェットに興味があるユーザーにはお勧めしたい場所だった。

関連キーワード: casio, MG-880
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