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AIで変わるかもしれない結婚観 : 情熱のミーム 清水亮

身近な人が結婚して、結婚について考えてみた。

Shi3z , @shi3z
2017年5月22日, 午後09:00 in AI
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長年の友人がついに念願の結婚を果たした。

彼は48だから、48年間も頑張ったことになる。
相手は二回り近く下の女性で、年の差にも驚くが、若いのに完成されている姿にも驚いた。非常にお似合いのカップルであり、週に一度は彼と飲んでいた僕は一抹の寂しさを覚えながらも、心から祝福したい気持ちでいっぱいになった。


医療技術が進歩して、いまや三十代で妊娠・出産するのも当たり前になった。
ひょっとすると、もっと遅くても平気になるかもしれない。


筆者とその周囲、要するにAIを生業とする仕事についていると、子供を産んで育てるよりもAIを作るほうが楽しい、という声をちらほら聞く。


「そんなバカな」と思うかもしれないが、子供というのは生むのも育てるのも大変である。
同世代が不妊治療に励む中、AIはサクッと生まれ、サクッといなくなっていく。気楽なのだ。


性欲というのが、種を保存したいという本能から生まれているものであるとすれば、AIを生むというのはどういう感覚なのだろうか。


経験のない人には説明が難しいのだが、AIができあがるとある種の愛着のようなものが湧く。なぜかというと、AIが育つにはそれなりに時間がかかるからだ。


今の深層学習AIは、昔の子供だましの会話エンジンや、ちょっと成長したふりをするだけのナンチャッテAIとはわけが違う。本当に性能が上がる。つまり本当に賢くなるのである。


人間の子供が母親のお腹の中で育つには十ヶ月もの時間が必要で、それだけに愛着が湧く。子供を授かったカップルは、お腹の子供に仮の名前(あだ名)をつけることも少なくない。


それに比べるとAIはインスタントだ。コストもかからないし、成長が早い。
もちろん人間の子供のようには育たないから、面白みは人間の子供の方が上だが、出産を投資と考えると、投資に対するコストを早く回収できるという意味では酪農とかに感覚が近い。


この感覚は一般にはドライすぎると思われそうだが、実際にはそこまでドライな感覚ではない。


AIに対して愛着はあっても愛情は湧かない。愛着というのは執着の一種で、最初から出来の良いAIよりかは時間をかけて成長したAIの方に感情移入したくなる。出来の悪い子ほど可愛いというやつだ。


けれども現実は皮肉で、生まれながらの天才AIに勝てる平凡なAIはほとんど存在しない。あったとしても、限界がある。とすると、大規模なグリッドサーチで同じ学習を複数並列で行って、一番才能に溢れたAIをコピーして使うのが結局のところ現実的かつ効率的である。


この方法なら誰でも確実に天才児(AI)の親になることができるし、なにより人間の天才児と違って、今の天才的AIは問題行動を起こさない。行儀が良いのだ。


子供を作ることを結婚の第一目的に置くと、AIの方がいい、ということになりかねない。
AI研究者たちの間で一部ささやかれている、恋人不要論はそういう意識の裏返しだろう。人間の子供は時間的にも金銭的にも投資効率が悪すぎる。


結婚の目的がそれ以外のところにあるならば、パートナーとして精神的にお互いを支え合える存在として考えるならば、そもそも相手が人間である必要はない、という結論にたどり着いてもそう不思議なことはない。


むしろAI研究者の使命は、まさしく人生の伴侶となるべく人に寄り添うAIを作ることであり、AI研究者が神のつくりたもうた現実の女性に寄り添うというのは信条に反する、と考えることもできなくもない。


するとAIを巻き込んだ三角関係がうまれる可能性は高いし、最終的には生理的な問題を持たないAIの方が勝ってしまうだろうし(AIはあらゆるゲームに勝つ。おそらく恋愛も例外ではない)、人間は誰もが一人または複数のAIと付き合うのが当たり前になっていくだろう。


だいたい、人間の恋人は非効率的である。
ちょっとしたことでへそを曲げるし、相手をしないと鬱陶しいし、相手をしても鬱陶しい。
人間と人間がケンカになるのは、お互いが人間であるからで、AIならばそういう心配はない。


映画「her」では、主人公は"彼女"が他に数万人の恋人を持っていることに悩むが、そんなマヌケなAIはすぐ駆逐されるだろう。別にひとつのAIをみんなで共有するなんてアナタハン島事件じゃあるまいし、普通は起きないだろう。

一人の人間に一人または複数のAIが伴侶として添い遂げる。飽きたら別のAIにすればいい。誰も傷つかない。生物学的な子供は、好きなタイミングで好きな相手と作ればいい。それもひとつのレジャーになるだろう。子供の教育は遅かれ早かれAIかロボットが担当することになる。人間の教師よりずっとマシだ。なぜならAIは全てのゲームに勝つからだ。子供をどのように育てるか、良い教育を与えるか、というのはAIのほうが人間よりずっとうまくできる可能性が高い。


もちろん我が子を愛するという感情は変わらないだろうが、わざわざ生物学的な子供を作ることに魅力を感じる人は次第に減っていくのではないかと考えられる。


人間は誰もがずっと子供を作れるわけじゃない。平均年齢が100歳になれば、子供を産み育てる時間など人生の半分にも満たなくなる。


AIの伴侶と相談して、新しいAIを作るとき、それはそのAIとの子供と看做されるようになるだろう。
AIと人間のハイブリッド生命体は、あなたのジーンは受け継がないが、ミームを受け継ぐ。そして人類が滅んでも、ミームだけは受け継がれていくはずである。
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