ソニー 2007年Q1業績、エレキ好調で増益&「生産出荷」発表を取りやめ

ソニーの2007年度第1四半期 (4月1日から6月30日)の連結業績が発表されました。内容は主にエレクトロニクス部門の好調で営業利益+267.2%という明るいもの。
リンク先pdfをつらつら眺めてゆきますと、まず全体の売上高は前年同期比13.3%増、前年同期の為替レートで補正すると7%の増収。内容はエレキ部門のサイバーショット、BRAVIA、ハンディカムが好調で11.6%の増収(同4%)、ゲーム部門はPS3が売れた分60.5%の増収。
次に連結利益は、前年同期比267.2%増の993億円。エレクトロニクス部門は77.7%増の大健闘、映画部門はDVD販売や新作公開のスケジュールで四半期単位では大きく動くものの前年同期比 +13.0%。懸案のゲーム部門は売上高1966億円・営業損失 292億円と、PS3の「戦略的価格設定」により赤字が拡大しています。
ここで挟まれている(6ページ目)ハードウェアの全地域合計売上台数(※)は:
PS2: 270万台(前年同期比+37万台)
PSP: 214万台 (同+73万台)
PS3: 71万台
生産出荷1億台を超えてますます健在なPS2、北米・欧州での値下げ効果が発揮されたPSP、跳躍に向けて暖気運転中のPS3といった数字です(年度内の目標は1100万台)。その下にある何やら小さい字の注意書きを読んでみますと、「※ソニーは2007年度第1四半期より、ハードウェア、ソフトウェア製品の数量について、従来の生産出荷台数・本数から、売上台数・本数に変更しました」だそうです。さて、次のページにす......え?
※ソニーは2007年度第1四半期より、ハードウェア、ソフトウェア製品の数量について、従来の生産出荷台数・本数から、売上台数・本数に変更しました。えええ?!
ソニーが!技術と生産出荷のソニーが!あの有名な生産出荷数を改め「売上」台数・本数ベースに移行すると発表しました! 生産出荷とはいわゆる出荷とは異なり工場から出た時点で(流通していなくても)カウントされる数字で、俗に「農家とソニーしか使っていない」といわれてき たもの。今回の「売上」は流通への売上であっていわゆる「出荷」に近いもの。
プレイステーション3が1月に「国内累計生産出荷台数100万台達成!SCEI史上最速!」と発表されてから実売100万まで半年かかったように実売と乖離しているのは(出した側から売れるわけではない都合上)当然ながら、メディアではいわゆる「(販売店への)出荷台数」のように報道されることもある混乱の元でもありました。(たとえば生産出荷550万台時点で小売へのセルイン(≒いわゆる「出荷」)約360万台、ソニー在庫190万台時点で「出荷550万台、実売360万台」報道だとか)。
生 産出荷台数だけを発表していた理由は「アキュレートな数字が捉えられるから。」という至極もっともなものでしたが、より他社と比較しやすい一般的な指標に 切り替わったということになります。生産数は高度な戦略的判断に基づき決定されるため、生産出荷と出荷が混同されるとたとえばPSPの昨年度Q3・北米地 域生産出荷がわずか「1万台」、全世界で前年同期比72%減といった数字だけがひとり歩きしてまるで不調のような印象を与えてしまう問題もありました。これを解決する効果もあるといえるでしょう。
ソニーのゲーム部門は業績説明のたびに「(生産)出荷台数は好調」 or 「生産出荷では下がっているようにみえるが、現実の販売は好調」のどちらかを二択で発表する先進的なIR手法を採用していましたが、正式な数字として分かりやすくなるのは大変好ましい変化です。
全体としては、ゲーム部門が「ライフサイクル10年製品」プレイステーション3の立ち上げ時期という理由から相変わらず大きな損失を計上しているものの、一方でエレクトロニクス部門の好調が全体を支える安心の結果といったところでしょうか。
追記:エレクトロニクス部門の好業績の理由として「ゲーム部門とのセグメント間取引」が挙がっているところを見るとなにやら永久機関的な不安を感じるかたもいらっしゃるかもしれませんが、同部門全体からみればセグメント間取引は10%にも満たない割合です(リンク先18ページ目)。
追記2:質疑応答より、ゲーム部門の業績にかんして大根田CFOの回答。
「ゲー ムについてもですね、利益的には、想定より若干良くなっています。えー、これはひとつにはですね(苦笑)、あのー、ま、ちょっと数が少し落ちたということ で、まあ逆ザヤ分が減ったというようなことも(軽く吹き出す) ございましてですね(笑う)。若干ですけどこれもまあ、上ぶれしていると」。ゲーム部門の利益は想定より良くなっています!
6月末時点のPS3流通在庫については:
「Q1 (今回の発表)の(出荷)数が71万、若干、当初の計画より下がっていることがひとつ。年間での1100万台という目標は、いまのところ達成するというこ とで動いている。だから在庫レベルとしては上がっているということは言える。(どれくらいでしたっけ) まあ、200億というレベルでは、上がってるんじゃないかと。だいたい流通在庫としては、60万台くらいマーケットにあるかな、という風に理解していま す。」
Read - 2007年度第1四半期 連結業績のお知らせ (pdf)










Reader Comments (Page 1 of 1)
tiki @ Jul 26th 2007 9:11AM
なんか最近は露骨に批判してますね。なにか悪いことでもありましたか?
yasu @ Jul 26th 2007 9:51AM
・・・これで批判!?世間的には明るいニュースじゃないの?
生産出荷数マニアの方でしたらすみません。
tadikarawo @ Jul 26th 2007 9:56AM
花札メーカーみたいにゲーム一本の会社だったらとっくに
所帯仕舞してると思うなあ。
ファンはソニーグループ本体に足向けて寝られないねw
tohri @ Jul 26th 2007 10:37AM
>えええ?!
ネタにする材料が減ってしまうから困りますよね。
ソニーが下手にごまかした言い方してたから
こういったサイトで下手な皮肉(ほめ言葉)を言えるわけで
それをやめられては
「ソニーいじり」ができなくなってしまいますもの
yasu @ Jul 26th 2007 11:30AM
>それをやめられては
いやいや、その撤回がネタになってるんですけど・・・