Google I/O イベントより。Google がウェブ向けのオープン動画規格 WebMを発表しました。WebMは Googleが2月に買収したOn2 のビデオコーデック VP8 をオープンソース化して採用することで、だれでも利用料なしで使えるオープンかつ先進的なウェブ動画規格、およびそれを推進するプロジェクトの名称。具体的にはビデオにVP8、音声にオープン&ロイヤルティフリーの既存コーデック Vorbisを使い、それらを収めるMatroskaベースのコンテナ規格 が WebM となります。ファイル拡張子は .webm。

わざわざ新規のウェブメディア向けコンテナ規格を策定する理由は、ビデオをHTMLやHTTP、TCP / IP と同様のオープン技術にすること。次世代のウェブ規格 HTML5ではFlash などの非オープン技術に依存せずビデオやオーディオを扱えることを目指していますが、音声はともかくビデオコーデックをどうするかが問題でした。アップルのジョブズCEOも連呼する「未来はHTML5 + H.264」のかけ声はあるものの、H.264は当のアップルほかマイクロソフト・ソニー・パナソニック・東芝・サムスンなど多数の企業が関連特許を保有しており、利用にはMPEG LAなる管理団体から有料でライセンスを受ける必要があります (現在は用途限定・期限付きで無料)。一方でOgg Vorbis のビデオ版ことTheora はフリーではあるものの、On2のVP3を元にしており、圧縮率など技術的な理由で先進的なフォーマットには及ばないと評価されています (少なくともH.264支持企業およびGoogleには)。

WebMはこの現状に対して、フリーなVP8とVorbisを組み合わせてBSDスタイルのライセンスで提供することにより、誰でも制限なく動画を扱えることを目的としています。また技術的な優位としては:
  • ネットブックや携帯端末、タブレットでも扱えるほど再生が軽い。
  • コンテナ規格 .webm は VP8+Vorbisだけでシンプル。( おなじ「.AVIファイル」だけれど中身はビデオが xxで音声がxx だからプレーヤによって再生不可、といった問題がない)。
  • リアルタイムストリーミングでの高い品質。
  • エンコードがシンプル。コーデックのプロファイルは最小限に抑えられており、手動でパラメータやプロファイルを調節することなくベストの結果が得られる。
といった点が挙げられています。

WebMを支持するパートナーは、ソフトウェアがMozilla (Firefoxのナイトリーでは本日よりサポート。Firefox はフリーなのでH.264にデフォルト対応せず)、Opera (Opera Labsビルドで本日よりサポート)、Adobe (FlashでVP8サポート)、Skype、OracleやCollaboraなど。ハードウェアパートナーはAMD、NVIDIA、ARM、Broadcom、freescale、Imagination、Qualcomm、TI、Marvell、MIPS、Logitech、ViewCast、VeriSilicon。Googleでは Chrome (Chromium) ブラウザの最新ベータが本日よりサポートするほか、Android では今年Q4リリースの"Gingerbread" からサポート予定。YouTubeでも、HTML5実験ページで採用されます。ブラウザ上の動画サポートという意味で重要なマイクロソフト IEについては、IE9ではデフォルト対応せず、別にVP8コーデックのインストールが必要になる予定。

リンク先 WebMプロジェクトサイトでは技術的な詳細とBSDスタイルライセンス、WebM規格のほか、VP8コーデックのSDKやソースコードが開発者プレビューのかたちで提供されています。

Google、オープンウェブ動画規格 WebM を発表
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