新素材 IGZO 採用の次世代液晶ディスプレイを大量出品するシャープの CEATEC 2012 ブースでは、もうひとつのディスプレイ関連技術「MOTH EYE」のデモにも力を入れています。モスアイは名前のとおり、「蛾の眼」に学んで映り込みを押さえる表面加工技術。

蛾の眼は光の波長に近いナノスケールの凹凸構造により、夜間の光をできるかぎり集め反射しない (捕食者に見つからない) 性質を備えています。「モスアイ」はこの微細な凹凸をディスプレイパネルの表面などに施すことで、映像の光はそのまま、外光は反射しにくい (部屋や視聴者が映り込みにくい) ようにする技術。

上に掲載したのは展示ケースに用いた例。一見すると上下にだけクリアなケースがあって中間には手を入れられそうですが、「モスアイ」加工で反射が少ないだけでちゃんとケースは存在しています。

こちらはAQUOS 液晶画面の前にモスアイなし・あり・従来の低反射フィルムを貼った比較用。明暗のコントラストを示す映像とあって写真にはあまり効果が捉えられていませんが、「なし」は暗部がまさに鏡のような状態、「一般的な低反射」ではくっきり反射でないものの全体にぼやけた状態。一方「モスアイあり」では、暗い部分の映り込みがなくなったわけではないものの、左右に比べてかなり分かりにくくなっています。

シャープはモスアイの技術(と商標)を持つ大日本印刷との協力により液晶ディスプレイ向けのチューニングを施したフィルムを開発し、大画面AQUOSの上位機種から採用してゆく予定。具体的な発売時期は示されなかったものの、すでに60・70・80型向けのフィルムは生産しており、採用製品の発表もかなり近いと考えて良いようです。

だめ押しに展示ケースデモの例。中央から左がモスアイあり、右がなし。撮影者の白いシャツやカメラを持つ手、背景などが右側にだけくっきり映っていることが分かります。画面が暗転するたびに絶世の美女やイケメンに見つめられて困るというかたのためにはやく普及してほしい技術です。CEATEC JAPAN 2012 は今週6日(土)まで幕張メッセで開催中。