ネスレの「カプセル式ティー専用マシン」SPECIAL.T が日本でも発売を迎えました。聞きなれない「ティーマシン」とは、要はカプセル式エスプレッソマシン / コーヒーメーカーのお茶専用版。アルミと樹脂製の半球状カプセルに茶葉が封入されており、ボタンひとつでタンクの水を最適温度に加熱して自動的に一杯分を抽出します。

ネスレが販売する専用カプセルは、ダージリンやセイロンといったオーセンティックな紅茶のほか、アールグレイやさまざまな果実などのフレーバーティー、霧島煎茶や玄米茶、福建省烏龍茶、ジャスミンティーなど緑茶や青茶(中国の半発酵茶)、さらにはルイボスや各種ハーブティーなど広義のお茶まで25種以上。

機械としてのキモは、マシンがカプセルを読み取って、それぞれの茶葉にについて最適な湯温と蒸らし時間で抽出すること。原理的には手作業と同じ入れ方で毎回茶葉から抽出するにもかかわらず、機械なだけに失敗することがありません。ネスレではこの点を「完璧な一杯」なる言葉でアピールしています。

お茶いれ専用機に1万4800円(10種 x2の20カプセルとカップ&ソーサー同梱)とランニングコストの価値はあるのか気になる人、ネスプレッソですでにカプセル式を愛飲する両刀(?)使い、あるいは新奇な「ボタンひとつで全自動」機械ならだいたい好きだというかたは、続きの概要と実機インプレをどうぞ。

「完璧」な一杯。「完璧」?


さて、SPECIAL.T の機械としての概要やセットアップ(というほどもない)、メンテナンス(至楽)、個々のカプセルの評価(お好みでそれぞれ。平均点は高い)、本体とカプセル価格の考量 etc は後まわしにして、まずは「完璧な一杯」なるうたい文句から片付けます。

実機を一週間ほど、カプセル数種類を試飲してみた範囲の印象から判断すれば、「『完璧』もあながち嘘ではない。ただし茶葉の質が絶対値として最高という意味ではなく、それぞれのポテンシャルを十全に引き出し、かつ常に安定して抽出できるという意味において」。

もう少し平らに言うと、「どれを選んでも平均点は高い茶を、カプセルのセットと1ボタンで簡単に入れてくれて、結果は薄くすぎも渋過ぎもせず安定してる」。もっと短く言えば「失敗しない。あとすごく楽」。


カプセルはこんな感じ。

機械の安定感




カプセルの価格は10個で735円が基本。これを何と比べて高い安いと評価するかは、実はかなり難しいところです。手で淹れる時間と手間と片付けは無視してグラム数で市販茶葉と比べるのか、ペットボトル飲料か、あるいはティーサロンか etc。

茶葉そのものの「実力」についていえば、単純に価格から考えても、目の玉が飛び出るほど高い最上級の茶葉におよばないことは事実です。(ただし、海外のネスレは欧州発売当時の広告などで、「世界の茶葉の収穫のうち上位1%を使用」とアピールしていました。現在この宣伝文句は採用されていないようですが、試飲した範囲では平均点は高く、" Fine " 以上をつけられる印象です)。

とはいえ、自分で水に凝り湯温を測り茶器を予熱して儀式めいた茶事を執り行う人であればなおさら実感するように、失敗した高い茶葉は、上手にいれたそこそこの茶葉に及びません。とっておきのお茶を「薄いよりは濃いほうが」と思ってやたらと渋く苦くしてしまったり、その逆で微妙なお湯割りを作ってしまう経験は誰にでもあります。

SPECIAL.T は機械だけあって、平均点の高いお茶を香り高く(※モノによる)、しっかりとその場で抽出しつつ、過剰なえぐみや苦味を出してしまうことがない安定感に嘘はありません。


(箱はソーサーとカップも入ってるため結構巨大。本体は意外と小さいが、奥行きがわりとある。)

茶葉のバリエーション



さて、お茶の淹れ方がとても上手な方はこのあたりで「いやそうそう失敗しないし」と思われることでしょうが、SPECIAL.T のもう一つの売りは全28種のさまざまなお茶を用意する点、そのどれでも「完璧」あるいは失敗しない点にあります。

新しい種類の茶を試し飲みするときは、ちゃんと実力を発揮させられたかどうか、湯温や抽出時間はこれで良かったのかと気になるところですが、SPECIAL.T ではとりあえず、ネスレが想定した範囲では「完璧な」結果だと分かって飲むことができます。

(逆にいえば、好みや気分に応じて入れ方を変えたり、濃くして何かで割って、といった楽しみ方はできない(マニュアル設定モードがない)ため、そこはカプセルの種類を変えるか、機械を諦めて手でいれることになります)。

バリエーションは紅茶だけでなく日本茶や中国茶(といってもそんなに数はない)、やたらと多いフレーバーティー、加えてルイボスやハーブティーなどの茶外茶まで。品揃えは下の " PR " に畳んだ公式リストと発売時期表か、リンク先のネスレ特設ページをどうぞ。

特定の産地や品種に一本槍でそれ以外は茶と認めない!という人には浅すぎるリストではありますが、「世界を旅するように」という宣伝文句のとおり、さまざまなフレーバーをとっかえひっかえ楽しみたい、まだ見ぬお気に入りを探したいという向きには、コンプリートするまでは楽しめそうなラインナップです。製品版には、10種を2個ずつセットのアソートが付属します。



おまけ。あくまで調査研究のため、カプセルを破壊して茶葉を露出させたところ (真似しないでください)。これは緑茶ベースのジャスミン茶 Jasmine Flowers。ティーバッグ用の粉末のような茶葉ではなく、一般的な市販品と同様の茶葉。カプセル内部は一杯分(標準で180cc前後、調整可能)の茶葉を収めてもかなり余裕がある。

ネスレいわく、カプセルそのものがポットの役割を果たして茶葉を「ジャンピング」させることで十分な抽出が可能。お茶好きが何かと持ち出す「茶葉によって温度と時間が〜」と、「茶葉が動く余裕がないと〜」は一応これでクリアしています。

また茶葉を密閉する保存容器でありつつ、同時にポットでもフィルターでもあるこのカプセルをまるごと内部コンテナに落として溜めて捨てる仕組みのため、使用後の茶葉や茶器の後片付けが簡単なのも重要。





SPECIAL.T 実機インプレ の前半 はとりあえずここまで。 後半ではハードウェアの扱いと、試飲した範囲のお茶の印象、おそらくこの機械の最大の眼目であろう「セットアップから後片付け、メンテまですごく楽」について、および総評を掲載します。

(追記:諸般の事情により前後編の掲載予定を変更して、この記事のみでひとつのファーストインプレッションとさせていただきます。下の結論部分に変更はありません。後編をお待ちいただいたかたにはお詫び申し上げます。)

総評から結論だけ先取りすると、「この機械のライバルはティーバッグでも高級茶葉でもペットボトルでもなくロボット。家電の進化で未来を感じる人、将来メイドロボや茶匠ロボ(?)が欲しい人向き」。

もう少し真面目な話をすると、オフィスにコーヒーメーカーしかないからコーヒーを飲んでいる各位は、積極的に導入を図ってお茶の相対的な地位向上に努めていただきたいところです。同志仍須努力!

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カプセルは全部で28種類
■クラシック(4種類)  ~ 定番を味わいたい方へ ~
・通販+一部家電量販店 で販売
「アールグレイ」
・通販のみ
「イングリッシュ ブレックファスト」、「ジャスミン フラワー」、「インテンス ミント」
■クリエーション(10種類)  ~ 遊び心を楽しみたい方へ ~
・通販+一部家電量販店 で販売
「トロピカル セレクション」、「ノワール デラックス」
・通販のみ
「アールグレイ ライム」、「グッド モーニング サンシャイン」、「ノワール インペリアル」
・通販のみ(2013年11月発売予定)
「レッド フルーツ ディライト」、「ブルーベリー マフィン」、「マンダリン ピーチ」
・通販のみ(2014年1月発売予定)
「キャラメル グルメ」、「ローズ アムール」
■ピュアオリジンズ(7種類)  ~ ひとつ上の茶葉を求める方へ ~
・通販+一部家電量販店 で販売
「セイロン ヌワラ」、「スプリーム ダージリン」
・通販のみ
「ロイヤル雲南」、「玄米茶」、「霧島煎茶」、「バイムータン フィネス」、「福建省烏龍茶」
■ハーブ&ルイボス(7種類)  ~ オーガニックにこだわる方へ ~
・通販+一部家電量販店 で販売
「サニー グレープフルーツ」
・通販のみ
「バーベナ シトラス」、「アイス ミント」、「レモン ローズヒップ ソルベ」、「ルイボス オレンジ」
・通販のみ(2013年11月発売予定)
「ルイボス ブルボン バニラ」
・通販のみ(2014年1月発売予定)
「レッド ロマンス」