数年来の噂を経てついにNTTドコモが iPhone を発売したことにより、ドコモ、au、ソフトバンクの携帯電話キャリアがすべてiPhoneを取り扱うこととなりました。これまで兄弟モデルや型番の異なる同一モデルを各キャリアが発売することはありましたが、同一のスマートフォンを3キャリアが同時に発売するのは初めての事態です。

端末が同じならば利用できるアプリもほぼ同じ、料金もほぼ横並びということで、3キャリアのうちどのiPhoneを選ぶのか。大きな鍵になるのは電波やエリアの状況です。そこで今回は各キャリアのiPhone 5sを取りそろえ、時間の許す限りさまざまなエリアでスピード測定を実施しました。

追記:環境によっては表が見づらいため、手っ取り早く画像にしてそれぞれの表の下に貼り込みました。中身は同じです。

各キャリアのLTE対応状況は?

スピードチェックの前にまずは各キャリアのLTE対応状況を確認。ドコモおよびソフトバンクモバイルは4つのバンドのうち3つ、auは3つのバンドのうち2つがiPhone 5sおよびiPhone 5cに対応しています。
キャリア 帯域 iPhone 5s/5c対応 提供時期 下り速度 エリア
ドコモ 2GHz 提供中 75Mbps/37.5Mpbs 全国
800MHz 提供中 75Mbps/37.5Mpbs 山間部、少人口エリア中心
1.7GHz 試験提供中 150Mbps 東名阪
1.5GHz × 提供中 112.5Mbps/100Mbps 東名阪以外
au 2GHz 提供中 75Mbps/37.5Mpbs
※一部エリアで100Mbps/150Mbps
全国、キャパシティー用途
800MHz 提供中 75Mbps 全国
1.5GHz × 提供中 75Mbps 全国
ソフトバンク 2GHz 提供中 75Mbps/37.5Mpbs 全国
1.7GHz 提供中 75Mbps/37.5Mpbs 全国、元イー・モバイルの帯域
900MHz 2014年4月 75Mbps 全国
2.5GHz × 提供中 110Mbps/76Mbps 全国



iPhone 5s/5c対応LTEバンドの特長を各キャリアごと簡単にまとめると、


NTTドコモ

現在2GHz帯が主力であり、プラチナバンドと呼ばれる800MHz帯は山間部や人口の少ないエリアを中心に展開。どちらも下り最大速度は75Mbpsですが、iPhone 5s/5c発売と同時に展開を開始する1.7GHz帯は下り最大150Mbpsの通信が可能。ただしこちらは現状東名阪のみの展開予定です。


au

プラチナバンドである800MHz帯がiPhone 5s/5c対応となって血気盛んなau。800MHz帯の人口カバー率は97%とのことで、iPhone 5s/5cのLTEはこの800MHzが中心となります。もう1つの2GHz帯は誤記から虚偽広告が問題となったことでも知られるバンドで、一部地域では下り100Mbps超のサービスも展開しています。

なお、エリア誤記問題で当時「人口カバー率が14%」とされたのは2GHz帯のうち下り75Mbpsのエリアであり、下り37.5Mbpsのエリアは2013年3月当時の時点で63%あったことがその後公表されました。前モデルのiPhone 5が対応していたのは2GHz帯のみでしたが、iPhone 5s/5cは800MHzに対応したことで大幅にエリアが広がることになります。


ソフトバンク

iPhone日本上陸の立役者であるソフトバンクモバイルは、グループ傘下としたイー・モバイルのLTEを利用したダブルLTEを展開。これまでは競合事業者だったためLTEエリアは重なっているものの、混み合ってもより多くのユーザーを収容できるという点では優位性があります。また、2014年4月からはプラチナバンドである900MHz帯もエリアに追加されることで、今後さらなるエリア拡大も期待できます。

花金の山手線、一番速かったのは......


こうした前提を踏まえた上でドコモ、au、ソフトバンクモバイルと3キャリアのiPhone 5sを利用し、各エリアでのスピードテストを実施してゆきます。

第1弾は、エリア測定の定番である山手線の全駅。定番中の定番エリアではありますが、東京の中心部を東西南北に渡ってチェックできるという点では測定価値の高いエリアです。

測定した時間はiPhone 5s/5c発売日である9月20日18時から24時にかけて。もはや死語となりつつある花金ということもあり、山手線の各駅は非常に混雑する時間帯です。

測定は山手線全駅のホーム中央で、これまた定番の測定アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を利用。各端末で3回計測した測定結果から平均を求めています(ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba前ではドコモのみ10数回のトライアルの結果、1度しかつながらないため1回のみの計測結果)。また、一部の主要駅では駅前のエリアでも計測しました。

いずれもさすが山手線エリアというべきか、すべてのキャリアが「iPhoneの表示上は」LTEで接続できているため、回線種別は表に含んでいません。なお、測定項目の単位は上りと下りがMbps、PINGがミリ秒。アンテナ本数は目視での計測です。

測定場所 測定項目 ドコモ au ソフトバンク
ヨドバシカメラマルチメディアAkiba前
(※ドコモのみ1回計測。接続できなったため)
下り 2.44 10.68 8.98
上り 3.53 7.53 9.62
PING 28.0 35.3 30.3
アンテナ本数 3.0 3.7 4.0
神田 下り 5.36 21.29 43.76
上り 1.15 9.32 13.85
PIN下りG 33.3 30.0 29.3
アンテナ本数 4.0 4.7 5.0
東京 下り 4.17 17.68 4.37
上り 1.74 10.89 4.86
PING 29.0 21.3 33.7
アンテナ本数 3.7 4.3 3.3
東京駅構内 下り 14.36 16.85 20.80
上り 3.20 6.70 8.77
PING 27.3 30.7 27.7
アンテナ本数 5.0 5.0 4.7
有楽町 下り 0.91 27.66 8.43
上り 0.23 4.61 5.12
PING 56.0 35.7 28.0
アンテナ本数 3.0 5.0 4.7
新橋 下り 4.09 17.25 19.48
上り 1.51 10.17 5.36
PING 26.3 29.7 28.7
アンテナ本数 4.0 4.0 5.0
浜松町 下り 6.51 22.20 12.91
上り 3.91 8.66 11.51
PING 31.7 27.0 29.0
アンテナ本数 4.0 5.0 4.0
田町 下り 4.95 21.63 8.37
上り 1.24 6.17 10.11
PING 55.7 31.0 29.3
アンテナ本数 3.7 3.7 3.7
品川 下り 2.76 27.57 10.90
上り 2.32 6.58 5.72
PING 28.0 25.0 29.3
アンテナ本数 4.0 5.0 5.0
品川駅構内 下り 1.73 35.55 4.01
上り 0.86 11.70 5.08
PING 77.0 33.0 27.7
アンテナ本数 2.0 5.0 2.0
大崎 下り 2.86 18.57 5.39
上り 0.44 10.88 5.77
PING 34.7 30.0 28.7
アンテナ本数 4.0 5.0 4.0
五反田 下り 0.50 8.04 27.53
上り 0.48 11.70 11.78
PING 57.7 28.3 29.0
アンテナ本数 2.0 2.0 5.0
目黒 下り 4.25 29.35 10.28
上り 2.34 5.55 7.56
PING 56.7 32.3 28.0
アンテナ本数 5.0 5.0 4.0
恵比寿 下り 1.67 22.55 13.58
上り 0.82 5.40 10.72
PING 86.3 32.3 31.7
アンテナ本数 3.0 5.0 5.0
渋谷 下り 15.38 9.82 16.29
上り 0.93 7.98 12.44
PING 37.0 37.0 28.3
アンテナ本数 5.0 3.0 4.0
ハチ公前 下り 29.61 9.29 16.85
上り 6.59 7.54 9.30
PING 41.0 47.3 26.0
アンテナ本数 5.0 4.3 4.0
原宿 下り 23.53 39.80 16.01
上り 4.00 13.87 10.59
PING 29.7 28.0 26.7
アンテナ本数 5.0 5.0 4.0
代々木 下り 3.82 17.36 10.48
上り 2.85 10.53 9.46
PING 36.7 27.7 28.3
アンテナ本数 3.3 5.0 4.0
新宿 下り 2.84 6.84 1.62
上り 2.09 5.25 3.27
PING 49.7 49.0 48.0
アンテナ本数 3.3 4.3 3.7
アルタ前 下り 24.89 34.95 7.27
上り 7.00 11.60 6.78
PING 33.0 49.7 29.7
アンテナ本数 5.0 5.0 4.0
新大久保 下り 4.82 29.25 12.62
上り 2.91 11.77 12.08
PING 46.0 49.7 28.3
アンテナ本数 4.0 5.0 4.0
高田馬場 下り 10.29 26.96 3.97
上り 3.90 14.71 8.75
PING 30.7 28.7 29.0
アンテナ本数 4.0 5.0 2.0
目白 下り 16.85 17.50 44.25
上り 4.16 10.77 17.76
PING 36.7 46.0 27.7
アンテナ本数 4.0 4.7 5.0
池袋 下り 測定不能 8.23 6.18
上り 測定不能 2.99 6.38
PING 測定不能 29.33 32.00
アンテナ本数 測定不能 3.0 5.0
池袋東口 下り 13.85 31.32 12.25
上り 4.34 9.93 9.72
PING 29.0 29.3 31.3
アンテナ本数 4.3 5.0 4.0
大塚 下り 4.56 24.42 39.31
上り 2.11 9.95 15.34
PING 32.7 32.7 32.3
アンテナ本数 4.0 5.0 5.0
巣鴨 下り 20.50 19.38 39.71
上り 4.25 8.34 15.44
PING 29.3 33.7 28.0
アンテナ本数 5.0 4.3 5.0
駒込 下り 10.27 12.31 23.17
上り 1.98 10.32 13.75
PING 29.7 32.0 29.7
アンテナ本数 5.0 3.7 5.0
田端 下り 28.91 11.27 17.08
上り 5.80 7.47 13.85
PING 29.7 31.0 32.3
アンテナ本数 5.0 2.0 4.0
西日暮里 下り 1.95 14.35 31.35
上り 1.89 6.04 13.37
PING 39.3 24.7 25.0
アンテナ本数 3.3 5.0 5.0
日暮里 下り 8.24 30.62 14.11
上り 2.46 11.85 7.37
PING 28.0 30.3 29.3
アンテナ本数 3.7 5.0 5.0
鶯谷 下り 28.62 21.70 31.13
上り 4.74 9.56 12.70
PING 29.3 28.3 38.3
アンテナ本数 5.0 5.0 5.0
上野 下り 4.94 14.90 20.83
上り 2.89 8.71 7.32
PING 44.0 35.7 34.7
アンテナ本数 3.3 4.0 4.7
御徒町 下り 25.70 11.72 19.37
上り 8.49 12.86 15.91
PING 29.7 36.0 33.0
アンテナ本数 5.0 4.0 5.0
秋葉原 下り 6.54 12.96 12.79
上り 0.41 10.14 12.88
PING 37.3 40.0 26.3
アンテナ本数 5.0 4.0 5.0

平均
ドコモ
(池袋除く)
au ソフトバンク
下り平均 10.08 20.05 17.01
上り平均 2.87 9.09 10.01
PING平均 39.00 33.36 30.13
電波平均 4.05 4.39 4.33



表を見れば一目瞭然、各エリアでの最高速度はauとソフトバンクモバイルが占めており、ドコモが最高速となったのは渋谷ハチ公前を含めた3か所のみという結果になりました。

しかもドコモに関しては速度が遅すぎるため計測不可能となるケースも多く、秋葉原駅前のヨドバシカメラでは10回以上の計測に対して成功は1回、池袋駅に関しては1回も計測できず、やむなく計測不可能に。あまりの違いに端末個体差も考えられるため、別途LTE対応のAndroidでも計測を行ないましたが測定結果はほとんど変わりがなく、端末の影響ということもなさそうです。

「最近Xiの速度があまり速くない」は本当だった!?



かなり衝撃的な数字の差ではありますが、以前から自分でスピード測定を行なっていたドコモのLTEユーザーであれば、よく見慣れた数値かもしれません。ドコモは3キャリアの中でいち早く2010年12月からLTEの商用サービスを開始しており、契約者数は2013年8月現在で約1583万人と1500万人を突破。こうした人数の増加につれてLTE帯域の混雑も話題になっており、「最近Xiの速度があまり速くない」というのは、ヘビーユーザーからよく聞かれる声でもあります。

なお、賢明な読者の皆様であれば、これは山手線圏内のみの限られたデータであり、これを持って各キャリアの特性すべてを語ることはできないということは重々ご承知のことでしょう。今回のスピード測定では山手線だけでなくさまざまなエリアで測定を行なっておりますのでそちらのレポートもご覧いただきつつ、同じ山手線エリアについては、他のメディアでの測定結果も同時にチェックしてみるといいでしょう。
iPhone 5s 通信速度テスト 3キャリア比較:山手線編。全駅でドコモ / au / ソフトバンクを比較
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