大阪大学と東京農工大学の研究者が、昆虫に背負わせて体液で発電する燃料電池 imBFC を開発しました。3Dプリンタ出力した試作品を甲虫に取り付けた実験では、実際に50マイクロW程度を発電してLEDを光らせることに成功しています。


阪大・農工大の研究者らが IEEE MEMS 2014 カンファレンスで発表した imBFC は、insect-mountable BioFuel Cell (昆虫に搭載できるバイオ燃料電池)の略。簡単に言うと、昆虫にパイプを突き刺して体液(血リンパ)を吸い、体液中の糖トレハロースを酵素トレハラーゼでグルコースに分解して、酸化還元反応で発電します。imBFCの内部は透析膜で隔ててあり、拡散現象で体液を循環させる仕組み。

という説明よりも、トップの模式図を見たほうがよくイメージできます。 (余計な配慮で特定部分を微妙にピクセル化しましたが、逆効果かもしれません。元の図とより詳しい説明はリンク先の Tech-On 記事か、研究者による関連論文 ( Insect-mountable biofuel cell with self-circulation system, 2012年)をどうぞ)。


昆虫に電極を埋め込んでリモコン操作したり、無線を発信させたり、センサを載せて空飛ぶ(または地を這う) 監視・観測デバイスにする恐ろしくも夢広がる研究は、農業から軍事まであらゆる用途を想定して多くの機関が大まじめに取り組んでいる分野です。

しかし昆虫をサイボーグ化したうえで実用的な働きをさせるには、機械部品の電源をどこから得るかが問題でした。今回、試作品による実験成功が報告された imBFC ならば、本来の体液中の糖を盗んでバイオ燃料電池として発電するために、宿主たる昆虫が本能のままに食事を摂り続ける間は (そして無理やり侵襲的な機械を突き刺されても存命してるあいだは)、常に発電が期待できることになります。

(MEMS 2014 での発表は「 DIFFUSION REFUELING BIOFUEL CELL MOUNTABLE
ON INSECT」。著者は大阪大学 K. Shoji, Y. Akiyama, K. Morishima, 東京農工大学 M. Suzuki, N. Nakamura, H. Ohno)
昆虫の体液で発電する燃料電池、阪大と農工大が試作。サイボーグ昆虫のセンサ網を想定
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