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米国のインディーバンド、Spotifyに「無音アルバム」を登録してツアー資金捻出を企てる

Munenori Taniguchi
2014年3月20日, 午後02:09 in Digital Music
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米国で活動するインディーバンド VULFPECK が、音楽ストリーミングサービス Spotify のロイヤルティーシステムを利用してツアー資金を得ようと考えました。1曲再生ごとに入るロイヤルティーを多く集めるための専用アルバムを制作・リリースして話題になっています。


Spotify といえば、海外ではかなり成功を収めつつも日本では大人の事情でなかなか開始できない音楽ストリーミングサービス。ワーナー/ユニヴァーサル/ソニーの3大メジャーレーベルからインディー系の音楽まで豊富に扱っています。

米国のインディーバンド VULFPECK のメンバー Jack Stratton は、バンドを率いてツアーをやりたいと考えていますが、収入源のひとつ Spotify では、1曲再生ごとにアーティストに入る印税がわずか0.6~0.84セント。これはファンがひとり徹夜で自分たちの音楽を聴き続けても5ドルほどにしかならない金額です。

そこで彼らはこう考えました。「1曲の長さが短くてほとんど音が聴こえないアルバムを、それを沢山の人が寝てる時間に再生してくれれば、ツアー資金を捻出できる」...いわばチリツモ作戦です。

VULFPECK はこの居酒屋で思いついたようなアイデアを実行に移し、本当に演奏時間30秒前後の「ほとんど無音な曲」が10曲入ったアルバム「Sleepify」を制作。Kickstarter 風の宣伝ビデオを作り、ある意味クラウドファンディングと言えなくもないこの計画を YouTube で宣伝しはじめました。

普通ならこのあたりで Spotify 側に気付かれ、アルバムも削除されてしまうところですが Spotify の対応は違いました。広報担当者いわく「我々は VULFPECK の過去の楽曲が大好きだし、Sleepify アルバムは実験音楽家ジョン・ケージの作品みたいだ」と、意外すぎる好評価。宣伝にもなると踏んだのか、いまのところお咎めはありません。

VULFPECK の企ては、はからずも認められた格好となりました。Spotify は Sleepify アルバムの再生回数を開示していませんが、現在も多くのユーザーがせっせと Sleepify を再生しているようで、Businessweek では、ロイヤルティーも 6700 ~ 9400 ドルに達していると伝えています。

なお、Businessweek は VULFPECK のようなケースは例外的であり、これを模倣するアーティストが出てきても認められることはないだろうとしています。さらに VULFPECK はツアー経験がなく、それにいくら必要となるかも把握していないとも。本当にツアーできる資金が獲得できてしまったとき、彼らがどうするのかが気になるところです。

下は VULFPECK の普通の曲「Mean Girls」と、ジョン・ケージの最も有名な曲「4分33秒」。

Source: Vulfpeck
Coverage: Spotify
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