人気箱庭系ゲームMinecraft と開発元Mojang社のマイクロソフトによる買収を受けて、退社予定のオリジナル開発者でありMojang創業者であるNotchこと Markus Persson氏が個人的なコメントを公開しました。

趣味として開発したゲームが超大ヒットに成長したことで味わった体験について、巨大化したビジネスやコミュニティと個人としての自分との関係についてについて語る内容ですが、要旨は:

1. 買収が完了しだい退社するが、Minecraft の開発からは買収よりもかなり以前から離れて社員に譲っている。今後はウェブベースの小規模な実験作に専念し、万が一にもまたヒットしそうになったら直ちに放棄するだろう。

2. Minecraft のプレーヤー、コミュニティの全員に深く感謝している。Mojangを離れてマイクロソフトに引き継ぐことにしたのは、もはや自分の手から離れた巨大なビジネスや、ゲーム業界のある部分のシンボル役から個人に戻ることが目的。「金のためではなく、自分の正気のため」。





続きは抄訳。


I'm leaving Mojang (Markus " Notch "Persson) より。

自分のことを本物の(職業的)ゲーム開発者だとは思っていない。ゲームを作る理由は楽しいから、ゲームとプログラミングが好きだからであって、大ヒットにしたいとも、世界を変えたいとも思っていない。しかし Minecraftは大ヒットになったと言えるし、ゲームを変えたと言われる。どちらも望んだわけではない。嬉しいことは嬉しいし、世間の注目を浴びるようになったのは面白い体験だった。


(Minecraftを開発してから今までの期間からすれば) かなり以前に、マインクラフトの開発からは手を引くことを決めた。Jens (Bergensten) は開発を引継ぎ主導してゆくのに理想的な人物だし、自分では新しいことがしたかった。

新作として、最初は大作に挑んで失敗してしまったが、小さなプロトタイプや面白い挑戦に専念するようになってからは仕事がずっと楽しくなった。(Minecraftの移植やアップデートなど)本物の業務に多くの人が携わる Mojang の社内に居て良いのか分からなかったが、Mojangの社風にとって必要だと言われたので残っていた。


何週間か前、風邪をこじらせて家で寝ていたら、自分に対する怒りのコメントでネットが炎上していた。原因はなにかEULA (利用規約)を巡る話だったが、自分はまるで関わっていない (訳注:Mojangと無関係の企業や個人が独自にMinecraftサーバを立ち上げてアイテム販売などのビジネスをすることを禁じる条項を巡る騒ぎ)。何の話なのか分からず混乱して、苛立ちをツイートした。

そのあと、YouTubeで例の「This is Phil Fish」動画を見たことがきっかけで、昔はあると思っていた自分とファンとのつながりがもうないことに気付いた。自分はシンボルにされていた。自分が理解もできない巨大な何かの責任を持たされるようなシンボル役にされたくはない。自分が絶えず攻撃されるようなことを仕事にしたくない。自分は実業家でもなければCEOでもない。Twitterで自分の意見を口にしたい、おたくなコンピュータプログラマだ。

(訳注:Phil Fishは Fezなどで知られるインディーゲーム開発者。ゲーム業界の著名人になったが、歯に衣着せぬ物言いもあり何かと論争の的になり、最終的には手がけていたプロジェクト中止とゲーム開発を辞めることを宣言。Notchの見たビデオはインディーゲーム界隈を語りPhil Fishを批判する内容。)


マイクロソフトによる買収取引が完了したらすぐに自分はMojangを退社し、アマチュアゲームコンテストの Ludum Dare やウェブベースの小さな実験をする日々に戻る。もし偶然にも、なにか大きな動きにつながりそうなものを作ってしまったら、おそらく直ちに放棄するだろう。


世間にはすでに歪んだイメージを持たれていることを思えば、今回のことでやはり批判的なコメントからは逃れられないだろう。しかし少なくとも、もうそうしたコメントを読む義務は感じないで済む。

これまで公に発言してきたことと矛盾しているのは分かっている。そのことについては返す言葉がない。また、皆の多くが自分を何かの闘争のシンボルにしてきたことも知っている。私はシンボルではない。いままさに苦戦している人間にすぎない。

あなた方のことは大好きだ。一人残らず。Minecraftを今のような存在にしてくれてありがとう。それでもあなた方は大勢すぎるし、これほど巨大になったものの責任のすべてを私が負うのは無理だ。Minecraft はマイクロソフトのものになったといえるが、それよりもっと大事な意味で、ずっと前からあなた方全員のものだった。それは今後も永遠に変わらない。

金のためじゃない。自分の正気を保つためだ。

Minecraftの作者Notch、成功とマイクロソフトへの売却を語る。「金のためではなく正気を保つため」
広告

0 コメント

広告