Sponsored Contents

brainの最新記事

Image credit:

ネット経由の脳インターフェースで他人の体を遠隔操作、米大学研究者が成功

Takuro Matsukawa
2014年11月8日, 午後02:30 in Brain
2056 シェア
1377
15
165
90
409

注目記事

人気記事



米国ワシントン大学の研究チームが、人間同士の脳をインターネット経由で繋いで信号を送り、他人の体を遠隔操作する再実験に成功したと発表しました。同大は2013年に研究者2人で同じ内容のデモンストレーションを行っていますが、今回は非研究者6人3組で実験し成功しています。




実験では、海賊船が街めがけて撃ってくるロケットをキャノン砲で迎撃するという内容のビデオゲームを使用。

各組の2人は送信者と受信者となり、約800m 離れた2つの建物に分かれます。送信者はEEG (脳波計測器)を被り、読み取った脳波をコンピュータで変換してインターネット経由で送信。受信者は水泳帽を被り、その上から腕の動きを司る脳の部位にTMSコイルをあてて受信します。

TMS とはTranscranial Magnetic Stimulation の略で、電磁石などを使って脳活動を起こす方法のこと。日本語では経頭蓋磁気刺激法と呼ばれます。

また送信者にはゲーム画面を表示するモニタのみが、受信者にはコントローラとしてタッチパッドのみが用意され、送信者がモニタを見てキャノンを撃ちたいタイミングで「腕を動かして発射」と考えると、ネット経由で受信者の脳に指示が伝わりパッドをタップするという仕組みです。

今回の実験での正確性は25%から83%と、各ペアの差が顕著に現れる結果となりましたが、失敗の多くは送信者が正確に「発射」と考えなかったことが原因で、情報の転送量は十分だったとしています。

なおこのシステムが送受信できるのはEEGで計測した信号のみで、「腕を動かしたい」という思考が伝わるわけではありません。



今後研究チームはW. M. Keck Foundation から100万ドル(約1億1500万円)の資金援助を受け、コンセプトや思考、ルールといったより複雑な脳波の送信に取り組みます。

また飛行機の機長と副操縦士の脳を繋ぎ、一方が居眠りすると起きている方に危険信号を出すといった用途を想定し、覚醒と眠気がどのように脳波に現れるかも調査します。

さらに論文の共著者Chantel Prat 氏は、「優れた科学者が優れた教師とは限らない。複雑な知識を言葉で説明するのは難しい」とし、ゆくゆくは教師の知識を学生の脳に直接移植する「脳個人指導」(brain tutoring)も可能になるだろうと述べています。

なお参考リンク先PLOS ONE に掲載されている本実験の論文は、ワシントン大学と米陸軍研究所、およびKeck Foundation の支援を受けて作成されています。

2056 シェア
1377
15
165
90
409

Sponsored Contents