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1000fpsの超高速DLPプロジェクター来年発売。動く物体にもピタリと投影

Shingi Hashimoto
2015年7月29日, 午後08:40 in Dlp
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東京大学 石川渡辺研究室と東京エレクトロンデバイス(TED)は、最高フレームレート1000fps(1秒あたり1000コマ)、入力から表示までの最小遅延が3msという、超高速なDLPプロジェクター『DynaFlash』(ダイナフラッシュ)を発表しました。TEDは同社のInrevium(インレビアム)ブランド製品として、2016年夏の発売を予定します。




発表会では公式動画(上記)の後半でも紹介されている、遅延の小ささと高速性を活かした動体への三次元プロジェクションマッピングデモなども開催されました。続きでは、なぜ1000fpsまでの高速表示が必要なのか? といった点を紹介します。

Gallery: 東京大学 石川渡辺研究室-TED 1000fpsのDLPプロジェクター DynaFlash | 14 Photos

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さて、人間の目は60fpsもあればかなり滑らかに見えることが経験的に知られており、1000fpsまでの表示が必要なのか? と思われるかもしれません。それを受けて発表会では、こうした高速表示が必要な例を紹介。



とくに興味深かったのが、動体へのプロジェクションマッピング(PM)です。発表会場では極端な例ですが、時速60kmのボールに投影する場合について紹介。30fpsでは約50cmごとにしか追随できず、大きなズレが生じます。



発表会で解説を担当した同研究室の石川正俊教授は、このあたりを「人間の目は、高速な画像変化そのものは見えなくとも、低フレームレートに起因する遅延は見えます」とまとめました。




それを紹介すべく発表会場では、上記の公式動画も公開された「手で持ったホワイトボードに対して三次元的に画像を投影する」というデモをリアルタイムで開催。動画を撮影したカメラが30fpsですが、それでも30fpsのフレームレートで表示させた一般的なDLPプロジェクター(上側)では大きなズレが生じるのに対し、DynaFlash試作機(下側)では完全に追随できていることが確認できます。

石川教授はこの精度を「印刷のように」と表現していましたが、確かに前提情報がなければ「ボードに印刷された模様」と言われても納得しそうです。

PMは現状でもイベントなどを中心に用途が拡大していますが、今後の展開として動体への投影は当然考えられるところだけに、この分野へのインパクトは大きそうです。



また合わせて、人間ではなく機械に見せる用途、つまり高速画像解析用の光源としての用途も紹介。

たとえば高精度な3Dスキャナーでは、スキャンに適した画像パターンを対象物体に照射し、測定精度を上げる技術「構造照明法」が使われますが、本機を光源として使うことで、1msごとにパターンを変化させての測定が可能になります。
結果として、高速で動く動物などでも高い精度での測定が可能になる、という例が紹介されました。



従来は同研究室でも、上図のように単純な光源や複数の光源を組み合わせてやっと、といった状態であったため、本機を光源として導入することで、測定の精度と簡便さが大幅に向上します。

なお、今回のフレームレートに関して石川教授に聞いたところ「1000fpsという値は実験を重ねて出しています。正直なところ若干オーバースペックかな、とも思いますが、480fpsは重要度が高く、これを確実に表示させたかった」という回答が得られました。

また技術的難度についても聞いたところ、ディスプレイパネルとなるDMD(Digital Micromirror Device)よりも、むしろ制御回路のほうが(相対的には)開発難度が高かったとのコメントをいただけました。



なお石川渡辺研究室は、以前より1000fps級の高速画像解析をテーマとして活動しています。本誌でも、人間の手の動きを1000fpsでスキャンし、人間には認識できないレベルで勝てる手を後出しする『ジャンケン必勝ロボ』を紹介しています。
実はこのロボハンドも遅延は20msと、30fpsのディスプレイ(遅延は約33.3ms)よりは高速とのこと。

動画:東京大学 石川渡辺研のジャンケン必勝ロボ。1000fpsで認識して瞬間的に後出し



さて、プロジェクターの仕様としては、DLPタイプということで、表示パネルはDMD方式。大きさは0.7インチで、解像度は1024×768ドット、いわゆるXGA解像度です。表示はまだ残念ながら8ビットグレースケール(256階調の白黒)のみ。
なお上の写真は試作機で、中央の黒い箱が本体。右端にある小型プロジェクターは比較用です。

面白いのがホストPCからの入力で、専用インターフェイスカードを介したPCI Express接続(ホストと本体の間は光ケーブル)となります。これは当然ながら一般的な映像用端子では、1000fpsものフレームレートは考えられておらず、データ転送速度も足りないため。本機の制御回路部がどれだけ規格外なのかという一端が伺える仕様です。

また市販版となるTEDの製品では、高速撮影が可能なカメラを内蔵することも計画中とのこと。これは先述した3Dスキャナをはじめとする画像解析用途では、カメラとセットで使われることが多いためです。



発表会では、今後の開発予定についても紹介。現状ではフレームレートと遅延を優先しているためにモノクロ表示ですが、当然カラーは目標としてあるとのこと。さらにシステム全体でのさらなる遅延低減や、応用システムの拡大などを目標としていました。

さすがにすぐにコンシューマー向けに降りてくる、というタイプの技術ではありませんが、動体プロジェクションマッピングは今後発展しそうな分野だけに、本技術もそれに向けた応用が見込めそうです。

またディスプレイ技術としても、規格として120fpsを有しているスーパーハイビジョンをはじめ、高フレームレート化は今後の焦点となるポイント。それだけに、注目すべき動きと呼べそうです。

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