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日本の「切り紙」でグラフェンを加工。細胞内で活動するナノサイズ機械へ応用も

Katsue Nagakura
2015年7月31日, 午後01:30 in Cornell University
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米コーネル大学の研究者らが、シート状の炭素素材グラフェンを「切り紙」のように加工することに成功しました。

グラフェンは電気や熱の伝導率が高く、ダイヤモンドより硬くて丈夫な素材。半導体から防弾繊維、センサー、バッテリーなどあらゆる分野で従来にない高性能の実現につながるとされ、過熱気味に「夢の素材」とまでいわれています。



コーネル大の研究チームは髪の毛の7分の1に相当する10マイクロメートルの厚さのグラフェン製シートを、あたかも切り紙のようにデザインして切り出す技術を開発しました。

グラフェンの切り紙を1000回繰り返し伸縮させるテストでは、切り紙の構造も素材としての弾力も完璧に元のまま保たれていました。研究チームの研究者であるPaul McEuen氏は、「これはセンサーとして、細胞の周囲や脳内で使える」と説明します。

グラフェンは現在知られる素材の中で最も薄くて強い「脅威の物質」として、高性能の半導体やディスプレー、高効率太陽光発電、医療分野への応用が期待されています。英国の研究者が2004年に開発、2010年にはノーベル物理学賞を受賞しました。

ダイヤモンドよりも硬いグラフェンですが、ナノレベルで「切り紙」加工をすることで、柔軟に伸び縮みする上に丈夫な素材を作り上げることができるようになったというわけです。研究者チームはグラフェンで強靭なバネや蝶つがいといった部品を作ることで、分子サイズの機械実現につながると期待しています。

実用面はもちろんですが、注目すべきは「切り紙」(英語でもkirigamiと言います)という加工方法。このように、日本の伝統的な紙遊びから発想を得たナノレベルで分子を自在に制御する技術を使った、新素材の開発が進んでいます。

中でも有名なのが、2006年に初めて報告された「DNA折り紙」(英語でもDNA Origamiと言います)です。DNA鎖を折り曲げて、二次元構造や立体構造をつくります。DNAは人間など生物の遺伝子を運ぶ生体分子で、すべての細胞の中に含まれています。DNA折り紙のような加工技術でDNAを自在に制御できるようになれば、体内で安全に働いて悪い部分を直してくれるDNAロボットやDNAコンピュータができるようになるでしょう。

DNA折り紙については、TEDでも紹介されました。


切り紙や折り紙は日本の子供にはお馴染みの遊びですが、グラフェンの切り紙やDNAの折り紙は、電子顕微鏡でようやく観察できるナノレベルの世界のもの。肉眼で見て切ったり折ったりすることはできませんが、近未来には微細加工ツールを通じて伝統の折り紙や切り紙の技を活かすナノテク職人が活躍するかもしれません。

[Image credit: Joe Wilensky/Cornell Chronicle]



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Source: Nature
関連キーワード: Cornell University, graphene
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