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「農業IoT」が日本の農業を変革。栽培状況をクラウド管理は常識に:次世代農業EXPO

加藤肇(Hajime Kato)
2015年10月16日, 午前09:00 in Agriculture
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幕張メッセで開催中(〜10月16日)の「第2回国際次世代農業EXPO」では、センサーやネットワーク、クラウドを活用した「農業IoT」のソリューションを各社が展示していました。PSソリューションズの『e-kakashi』は、圃場(田畑)の土壌水分や温湿度などのデータ収集から分析、栽培に役立つ「レシピ」化までをパッケージにしたサービス。またセラクの『みどりクラウド』は、初期費用10万円以下という低価格で始められる圃場モニタリングサービスです。どちらも販売が開始されています。

Gallery: 農業IoTのソリューション | 12 Photos

センサーからのデータを分析し、レシピ化して提供

『e-kakashi』は圃場(ほじょう)にセンサーを設置し、温湿度や日射量、土壌内の温度や水分量、CO2などの環境情報を収集。それをクラウドにアップして分析することで、栽培に役立つ情報として提供するサービスです。各種センサーを搭載して情報を収集する子機(センサーノード)と、子機からの取得データをクラウドに転送するための親機(ゲートウェイ)で構成されています。


子機の設置には難しい設定作業は必要なく、スイッチを入れるだけですぐに利用できます。防水防じん仕様のため、屋外への設置も問題なし。共同で事業開発をした日立製作所の厳しい品質試験をクリアしており、耐久性に優れているのが特徴です。親機との通信には920MHz帯無線を使用していて、最大で見通し1kmの通信が可能。また、電池駆動のため設置場所には電源が不要で、駆動時間は約3年間という省電力仕様になっています。


子機には現在、温湿度、日射、土壌水分、多点温度、CO2という5種類のセンサーが接続可能。シリアルとアナログの拡張用センサーポートも用意されており、今後、新たなセンサーが登場したときには、機器を買い替えることなく追加可能です。


一方、親機のほうは温室や倉庫など電源を確保できる場所(電源があれば屋外でもオーケー)に設置。3G/LTEの通信に対応しており、子機からのデータを集約してクラウドにアップします。1台の親機には最大100台の子機を収容可能です。


クラウドにアップされたデータはウェブアプリケーションで提供され、PCやスマホ、タブレットなどから確認可能。子機が収集した環境情報や子機の設置場所などがわかりやすいUIで表示されています。


おもしろいのは、栽培地域などによって異なる作物ごとの栽培管理技術やノウハウを「ekレシピ」というかたちでまとめられる点。作成した「ekレシピ」は他のユーザーに公開することもできるため、たとえば新米生産者が専門家の「お手本レシピ」を参考に栽培を始めるといったことも可能になります。「データだけ見せられてもどう活用したらいいかわからない」という生産者も多いはずで、データの活用方法を共有できる仕組みはユニークだと言えます。


『e-kakashi』の価格は、機器代金が74万9600円〜(各種センサー代は別途必要)。これに加えて、月額利用料の7980円〜が必要となります。当初の販売ターゲットは自治体や農業協同組合、農業法人など。栽培技術のレベルアップのほか、新規就農者への技術継承などでも効果的に活用できるそうです。

機能を絞り込むことで、圧倒的な低価格を実現

一方の『みどりクラウド』は、必要な機能のみに絞り込んで既存部品で構成することにより、初期費用10万円以下という低価格を実現したことが特徴です。ビニールハウスなど施設園芸での利用が想定されています。


『みどりクラウド』では、圃場に設置するのは「みどりボックス」という機器のみ。設定作業不要で、電源につないでスイッチを入れれば使い始められます。各種センサー&カメラを搭載しており、温度、湿度、日射量、土壌水分、画像という5種類のデータを2分ごとに計測。これらのデータは内蔵の3G通信モジュールにより、クラウドサーバーへと自動的にアップされていきます。


クラウド上のデータは専用アプリ「みどりモニター」で確認が可能。計測データから日照時間と有効積算温度という2種類の情報が集計されており、設置場所付近の気温や雨量などの気象予報データもあわせて表示されます。データが異常な値になった際にアラートを送信してくれるように設定もできます。

初期費用(機器代金)は8万9000円ですが、現在は期間限定で半額の4万4500円にて提供中。これに加えて、通信費が月額980円、クラウドサービス利用料が月額1280円となっています。正直、この機器代金では原価にかなり近いのではないかと思いますが、まずは機器を普及させてクラウドサービスで利益を確保する戦略のようです。実際、これだけ低価格であれば、データの活用方法は自分で勉強する必要があるものの、家庭菜園の愛好家にも普及することは考えられます。

『e-kakashi』も『みどりクラウド』も、これまで勘や経験に頼りがちだった農業の技術やノウハウの一部をデータ化することで、新規就農者などにも継承しやすくしている点が共通しています。センサーやネットワーク、クラウドを活用した「農業IoT」が、農業人口の減少などの課題の解決策となるのかもしれません。

関連キーワード: agriculture, cloud, sensors
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