誕生日を祝う定番ソング「Happy Birhday to You」をめぐって米国で争われていた訴訟で、著作権保有を主張するワーナー・チャペルが和解案を提示、原告の映画制作会社がこれに応じたことがわかりました。

ワーナー・チャペルは和解金は1400万ドルを支払い、楽曲「Happy Birhday to You」は今後パブリック・ドメインとして扱われます。

[Image : Teresa Short via Getty Images]

世界で最も歌われる曲としてギネス認定もされている「Happy Birthday to You」は、1893年に米国のヒル姉妹が作詞作曲した「Good Morning to All」の歌詞を改変した替え歌。1920年代にはすでに「ハッピーバースデー」と唄う誕生日ソングとしても定着していたとされます。

この曲は1935年、作曲したヒル姉妹の妹と音楽出版社の Summy 社との共有名義で著作権登録され、1998年後に Summy 社がワーナーに買収されたことで、著作権もワーナーへと移っていました。

米国ではミッキー・マウスの著作権切れが近づくと、ディズニーの圧力でたびたび著作権保護期間を延長する法改正が行われており、現在は登録後95年もの長きにわたって著作権が保護されることになっています。このため「Happy Birthday to You」の著作権は現在も有効として、ワーナー・チャペルはこの楽曲の使用に関して厳格な態度を示してきました。一方、テレビや映画制作などの現場では誕生日を祝うシーンでもこの曲の使用を避ける現象が発生しました。



今回の訴訟は「Happy Birthday to You」を使用した映画制作会社が、ワーナー側から無断使用の違約金を請求されたことを不服とし「この曲の著作権登録はピアノ編曲のものに限られる」として請求の無効を訴えたもの。2015年9月には連邦地裁が制作会社側の訴えを認める判決を下したと報じられ、さらに12月には制作会社がワーナーからの和解提案に合意することが伝えられていました。

Hollywood Reporter が2月9日に伝えたところでは、最終的にワーナーが映画会社に対して1400万ドルの和解金を支払い、今後「Happy Birthday to You」はパブリック・ドメインとして扱われるとして裁判が終了したとのこと。

ワーナー・チャペルは1998年以降、この曲の著作権使用料でおよそ5000万ドルを手に入れたとされます。さらに著作権保護期間の終了する2030年までの間に、さらに1650万ドルを稼ぎだすと推定されました。しかしすでに裁判所は制作会社側の訴えを認める判断を示しており、このまま裁判に負ければ、これまで取り立ててきた著作権使用料をも返還しなければならない可能性が出てきました。ワーナー・チャペルは裁判を和解に持ち込むことで、すでに得た利益を守るほうが得策と判断したといえそうです。

ちなみに日本の著作権法では著作物の保護期間は作者の死後50年間と定められており、「Happy Birthday to You」については歌詞が1999年、曲は2007年で著作権が切れています。なおこの曲には「お誕生日のうた」と題する日本語詞があり、これについては2059年まで著作権が保持されます。
誕生日ソング「Happy Birthday to You」著作権訴訟、ワーナーが和解金1400万ドル支払いで決着
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